一般的にご家庭で毎日使用する洗濯機ですが、意外と洗濯槽の汚れを気にしている人は少ないのではないでしょうか。
掃除をしないと、槽に繁殖したカビが衣服についてしまうこともあります。
そこで今回は洗濯槽のカビ予防や重曹を使ってよいのかなど、ご紹介します。
洗濯槽の汚れの原因と掃除方法
洗濯槽を洗ったことがない人や、自分の家は大丈夫と思っている方もいると思いますが、汚れは目に見えないものです。ではどうして汚れてしまうのでしょうか、その原因と掃除方法を見ていきます。
汚れの原因
汚れの原因は主に、黒カビ、水垢、衣服についた食べカスや石けんの残りカスです。
洗濯機の中は湿った環境になってしまいますので、そうした汚れが黒カビ繁殖に繋がってしまうのです。
まして毎日利用する物ですから洗剤カスやカビは蓄積されてしまいます。放置をしてそのままにすると、剥がれた黒カビが衣服に付いてしまうこともあります。それだけでなく、臭いも発生してきてしまいます。
そうした環境で洗濯していると想像すると、怖くなってきますよね。せっかく洗ってもカビや臭いが衣服に付いていたら元も子もありません。
ではどうやって汚れを落とせば良いのでしょうか。
掃除方法
槽についた汚れは酸性なので、アルカリ性の性質を持つ物で中和させて落とします。
酸性、アルカリ性と聞くと理科の実験を思い出しますね。
では、どうやって掃除していけば良いのでしょうか。槽の掃除方法は、洗濯槽用の掃除クリーナーを使います。
洗濯槽用のクリーナーはカビを殺菌して分解し、カスを落としてくれます。それに加えて消臭まで行ってくれます。しかし、汚れを分解したりつけおきする時間が長いので、夜に行って朝の洗い物に間に合うようにすることをおすすめします。
専用のクリーナーの他に、重曹を活用して掃除をしている人もいるようです。重曹といえば掃除には欠かせない存在となっていますが、槽の掃除でも使うことはできるのでしょうか。
重曹とは
重曹とは簡単に言うと、ベーキングパウダーの主成分です。
お菓子作りに大活躍のベーキングパウダーですから、体に影響はありません。つまり、肌にも体にも優しく安心して清掃が出来るということです。肌が弱い方や、小さなお子さんがいる家庭では安心して使用することが出来る掃除のお供です。
重曹は水に溶かすと弱アルカリ性になり、酸性の汚れである油汚れ・手垢・湯垢などを落とすことができます。また、鍋のコゲなどを落とすのに適しています。
ではそんな万能な重曹は、カビを落とすことができるのでしょうか。
重曹で洗濯槽のカビは落ちる?
重曹で清掃をしたと投稿する方は多く見受けられ、確かに汚れは落ちているように見えますが、重曹にカビまで削ぎ落とせる洗浄力はありません。
肌に優しく、体にも害をなさない成分で出来ていますので、カビを殺菌するまでの力はありません。
重曹を使うのはNG?
重曹は水に溶けにくい性質を持っていますので、適切な分量を入れなければ溶け切らずに排水ホースに詰まってしまう恐れもあります。
また、重曹を活用する場合には槽に削ぎ落ちて溜まったカスを、全てネットなどですくいとらなければいけない手間があります。これはカスを一緒に排水してしまうと排水管が詰まってしまう可能性があるからです。
確かに重曹で汚れは落ちるかもしれませんが、洗濯機が故障してしまうリスクを犯してまで重曹を使用することはないと思います。槽の清掃専用のクリーナーを使用することにより、安全に綺麗に保つことができます。
洗濯槽用クリーナーでカビ予防
市販の専用クリーナーを使用して、汚れやカビを除去することができます。
クリーナーには酸素系と塩素系の2種類があります。どちらを使用すれば良いかご説明します。
酸素系クリーナー
主成分は過炭酸ナトリウムで、発泡する泡により汚れを落とします。
刺激の強いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、意外に肌に優しく、赤ちゃんやお年寄りのいるご家庭などでも安心して使うことができます。
また、時間をかけて大量の汚れを落としてくれるので、お手入れをしたことがない人や、汚れを沢山落としたい人にはおすすめです。
しかし、ドラム式では使用できない場合がありますので、商品や洗濯機の説明書をよく読んでから使用してください。
塩素系クリーナー
主成分は次亜塩素酸ナトリウムで、殺菌する力に長けています。
塩素なので刺激は強いですが、短時間で汚れを落として殺菌してくれるのでカビの繁殖が気になる方にはおすすめです。しかし、酸素系より汚れを落とす力は弱くなってしまいます。
また、衣類用塩素系漂白剤(ハイター)で代用するのも良いと思います。
選び方のポイント
選び方のポイントは、何を一番に優先するかになります。
酸素系がおすすめ
- 肌に優しい成分を選びたい
- 大量の汚れをごっそり取りたい
- 洗濯槽を掃除したことがない人
塩素系がおすすめ
- カビの繁殖が気になる
- 除菌をしたい
- ドラム式洗濯機を使っている人
また、最初に酸素系を使用してごっそり汚れを落としてから、仕上げに塩素系でカビを除去して殺菌する2種類を使いこなすのも効果的です。
掃除のポイント
1〜2ヶ月ごとの定期的な清掃で槽を清潔に保つことがポイントです。
初めて清掃をする方は剥がれたカスが何回も出てくるので、出てこなくなるまで給水と排水を繰り返します。
専用の洗剤はつけおきをすると効果がアップしますので、汚れが気になる方はつけおきすることをおすすめします。つけおきをする場合時間がかかるので、洗い物をする時間を逆算して掃除をするように注意してください。
商品を選ぶ際は、説明書をよく読んで使用できるか確認することが大事です。間違った掃除の仕方は、機械の故障の原因にもなります。
機種別の掃除方法
縦型とドラム式では清掃の方法や注意点が変わってきますので、機種別に方法をご説明していきます。
縦型
まず清掃の手順をご紹介します。
電源を入れて専用クリーナーを投入し、高水位まで給水します。この時、入浴剤を使用しているお風呂の残り湯は使わないようにしてください。
次に標準コースで洗濯→すすぎ→脱水の1サイクルで運転します。
終了後、槽を確認して、汚れが内側についている場合は、さらにすすぎと脱水を繰り返します。
縦型は酸素系と塩素系のどちらも使用することができるので、両方を使用してゴミ落としと除菌を効率的に清掃することができます。
つけおきをする際に、ゴミ取りネットなども一緒に入れておくと同時に綺麗にできます。但し、そのまま洗濯コースで回すと壊れてしまうので、その前に取り出すように注意してください。
ドラム式
まず、清掃の手順をご紹介します。
電源を入れて専用クリーナーを投入し、標準コースで洗濯→すすぎ→脱水の1サイクルで運転して終了です。
ドラム式は酸素系を使用できないことが多く、塩素系ではごっそりゴミを落とすことは出来ないので、そうなるとこまめに清掃することが大事になってきます。
機種によっては槽の洗浄コースがありますので、その機能を利用して清掃するのも良いでしょう。
ドラム式は壊れやすいので、説明書に従って清掃をするようにしてください。
まとめ
重曹で洗濯槽を掃除することはできますが、デメリットの方が多いと感じます。
ですからわざわざ使用することはありません。専用の洗剤を使用して安全に掃除した方が効果的です。
そして現在では肌に優しい、専用の洗剤が販売されていますので、赤ちゃんがいるご家庭でも安心して使用できます。
また、ドラム式を使用している方は故障の原因にもなりますので、説明書をよく読んで清掃しましょう。