学校の多様化!!オルタナティブ教育の概要や種類、メリットを解説

教育

オルタナティブ教育が、新しい学びの選択肢として注目を集めています。子どもの自主性や思考、行動の多様性を重視する特徴があります。モンテッソーリ教育や、シュタイナー教育が代表的で、そのメリットは”子ども主体“である事。生徒自身の”体験”を通して、自主性や協調性を学ぶことができるといわれています。この記事では、その特徴や、新しい学びの在り方をまとめています。ぜひ、チェックしてみてください。

オルタナティブ教育の特徴は?

オルタナティブ教育とは、”Alternative=代替の education=教育”のことで、既存のものとは異なる、新しい学びのスタイルをいいます。

既存学校との大きな違いは、カリキュラムなどを教師ではなく、子どもたち自身の手で創り上げていくことです。また、喧嘩やいじめについてはその都度、子どもたちが問題の提起を行い、対策を考えることが極自然に行われていることなども違いのひとつです。

オルタナティブ教育とは

オルタナティブ教育といえば、”子ども主体の自由な校風”というイメージがあるかもしれません。ですが、あくまでも、”代替の” ”既存とは違う” ”新しい”という意味です。したがって、創始者の哲学や人間観などにより、具体的な学びの中身は異なります。

公立学校では、ご周知のように、国が定めたカリキュラムや、一定のいじめ対策ガイドラインなどに則って先生が生徒に指導を行います。それに対して、オルタナティブ教育では、そのような形式的カリキュラムやガイドラインにとらわれず、多様な学びができるとされています。

“先生と生徒”というよりも“大人と子ども”として存在している場所、人間として、対等に学ぶ体験をしているとイメージするとわかりやすいでしょう。

指導から支援へ

オルタナティブ教育とは、指導のメソッドではなく、コンセプトや思想というニュアンスです。”指導するというよりも、支援する“ことが意識されています。国が定めた一方的なカリキュラムを履修する場ではなく、みんなが幸せに生きるには、ひとりひとりがどう考え、行動するか、子どもたちが思考しながら学ぶ場なのです。

また、オルタナティブ教育に携わる教員やスタッフ、関係者は、決して既存学校を害とは捉えていません。地域の公立学校にも可能性を常に見出していますし、世界を含めた視点で、子どもの学び全体を常に見渡しています。

この教育を実践している学校やスクールでは、食事をつくったり、テーブルとイスをつくったりする場面もあるそうです。視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚といった人間のもつ感覚をフルに働かせた体験活動が多いのも特徴です。このような活動だからこそ、指導よりも支援という意識を教師が抱いているのかもしれません。

オルタナティブ教育で得られることは?

オルタナティブ教育で得られることは、自己肯定感、自主性、多様性、協調性などがあげられます。自己肯定感の高い生き方ができるようになるといわれています。それが、自主性や多様性、協調性を発揮することにつながるのです。

尊厳のある人間関係

わたしたちは、自分の人間性が他者から承認を得たとき、他者の人間性を承認することができるといわれています。そうすることで、ありのままで良いということに気づき、自己肯定感が上がります。すると、さまざまな体験にチャレンジする活力や、他者のために役立つことに喜びを感じられるようになるのです。

文化や外見、個性をありのままに受け入れ、受け入れられ、尊厳のある人間関係をつくっていくことができます。そうすることで、相手の立場にたった視点や多角的な視点で、物事をみることができるようになるのです。自主性や多様性を産み出す土台を、体験を通して得られるとされています。

みんなの幸せを願う思想

子どもだけでなく、親も「ありのままの自分が、いまここにいて良い」と感じることは、自分や家族を大切に生きるためのファーストステップです。まじめな日本人は特に、自分を差し置いて、他者や組織のために無理をしてしまう傾向があります。海外の考え方を生き方に取り入れ、自分もまわりの人もどちらも大切だということに気づいて欲しいです。

オルタナティブ教育では、教師も生徒も親も、立場は違いますが、学びの主体は子どもであることをいつも願っています。ひとりひとりが、みんなの人生の幸せを望んでいるという姿勢です。このような思想が、ひとりひとりの個性や能力を、最大限に受け入れることにつながっているのでしょう。

日本でのオルタナティブ教育の種類や目的は?

日本における代表的なオルタナティブ教育といえば、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育、サドベリースクールなどがあります。

モンテッソーリ教育やシュタイナー教育

オルタナティブ教育の代表例に、モンテッソーリや、シュタイナーの理論に基づいた学びがあります。「自主性や協調性を育てる学び方」として注目を集めています。他者と協力することや、自ら行動することを苦手とする子どもが増えているとのことです。子どもを育てる親としては、とても不安な時代だといえます。

なにが起こるかわからない時代だからこそ、子どもの”人間力”を育てたいと願うのは自然な流れでしょう。一部の幼児教室や幼稚園などでも、オルタナティブ教育が取り入れられています。よりよく生きるための土台作りとして、新しい学びを実践している幼稚園などを選択する家庭が増えつつあります。

サドベリースクールやフリースクール

オルタナティブ教育を選択するのは、幼少期から選択肢にしてきた家庭だけではありません。何らかの事情で、不登校となった子どもたちが、フリースクールの位置づけとして選択していることも、知っておきたい事実です。

その子の興味のあるものを、好きなだけでしていい居場所となります。例えば、料理を習いたいという場合には、プロの料理人を招待して直接レクチャーしてもらうなど、学校での学びとは違った特色があります。真に個性を重んじていることがうかがえます。

例として、アメリカのボストンでうまれた「サドベリーバレースクール」があります。やるかやらないかは自分が決めるなど、主体性が特徴。その理念をもとに、共感して創設されたのが、日本に数か所あるサドベリースクールです。

ここで、不登校になって、初めてサドベリースクールを体験した家族の感想を紹介します。

  • (本人)ゲームをずっとやっているうちに、最初から全部つくれるようになって嬉しい気持ちになった。
  • (本人)自分のことが好きになってきた。
  • (本人)勉強はきらいだけど、作ったりするのは好きなので、それを受け止めてくれるから楽しい。
  • (親)勉強しないで、この先大丈夫なのかなと心配していた。しかし、ここでの体験を通して、子の人生は子のものであり、子が決めるということに気づかされた。親と子がそれぞれ自立できた。
  • (親)子を完全に信頼することを知った。
  • (親)不登校だったときの戸惑いから救われた。

このように、学校には行かないけれども、サドベリースクールには行くというような選択肢もあります。これもオルタナティブ教育の1つなのです。

オルタナティブ教育をめぐる日本の問題点は?

日本でのオルタナティブ教育を、子育てに取り入れたいと思った時に注意すべき問題は、大きく2点あげられます。学校教育法で定められていないスクールでは、卒業要件を満たさないという点、周囲からの理解がむずかしい場合があるという点です。

義務教育との関係

オルタナティブ教育を取り入れたスクールが増えています。しかし、その多くは”習い事”や”課外活動”という位置づけです。つまり、学校教育法にもとづく「小学校」「中学校」を卒業するためには、地域の学校に籍を置く必要があります。それに伴って、その学校の先生やPTAなどにも対応を相談しておく必要があるのです。

授業に出る予定がないとしても、PTAによる交通安全や地域清掃などの活動をどう考えるか、という問題もあるでしょう。子どもの生活というのは、地域に根ざした部分が多くあります。そういった周囲の人にも、理解を求めていくエネルギーが必要かもしれません

認知度が低いことにより生じる問題

オルタナティブ教育は、一般に広く知られているものではありません。認知度が低いことによる、ネガティブな印象を周囲から持たれてしまう、そのような可能性があることも知っておく必要があります。

公立でも私立でもないスクールへなぜ行く必要があるのか、疑問を持つ周囲の意見があるのは否定できません。たとえば、”地域の学校に適応できないから” ”親の考え方が変わっている”などの意見がみられます。

少数派に対してネガティブな意見が多数みられるということは、ここでの話に限らず、社会ではよくある自然な現象で、仕方のないこと。けっして、どちらが合っている、どちらが良い悪いなどということではありません

日本でオルタナティブ教育を受けられる学校はある?

日本でも、オルタナティブ教育を受けられる学校はあります学校教育法に基づいているので、卒業要件が認められます。また、地域の公立学校に籍を置いた上で通うスクールなども、増えつつあります。

小学校・中学校

  • 北海道シュタイナー学園いずみの学校
  • シュタイナー学園
  • 大日向小学校
  • きのくに子どもの村 小学校・中学校・国際高等専修学校
  • 南アルプス子どもの村小中学校
  • かつやま子どもの村小学校・中学校
  • ラーンネットグローバルスクール

などがあります。上記は一例ですが、その多くは地方の自然豊かな場所に位置します。そのため、寮制度を利用したり、家族で移住を視野にいれる人もいるそうです。

学校により、校風や活動内容は大きく異なるため、学校見学や体験は欠かせません。見学では、創始者の想いに触れることができ、それだけでも人生観が大きく変わる人も多いそうです。現在、動画などでもその特色を知ることができます。

スクール

  • 日本モンテッソーリ教育綜合研究所附属『子どもの家』
  • 東京賢治シュタイナー学校
  • 一般財団法人 東京サドベリースクール
  • 沖縄サドベリースクール
  • デモクラティックスクールみぃち
  • ジャパンフレネ
  • 大津オルタナティブスクール トライアンフ

上記は一例ですが、他にもフリースクール・ホームスクール・サポート校などが全国にあります。国語や算数よりも芸術的な活動やゲームプログラミングなどの創造活動を好む子どもが多いそうです。このようなスクールでは、発達障がいなどの個性をもつ子どもたちも、得意な活動に取り組んでいます。

現在、籍を置いている学校の教育委員会側でも、上記のようなスクールの重要性が認知されています。併用をしている生徒への配慮や、保護者との連携がなされているとのことです。それぞれの立場で、子どもへの対応がポジティブに検討されているのは、喜ばしい事実です。

まとめ

オルタナティブ教育とは、新しい学びのスタイルであること。このことをお伝えさせていただきました。ますます、多様化の進む社会では、違いを受け入れ、尊重し合う人間関係が求められます。ひとりひとりにフォーカスした学びを体験することにより、ギャップを埋めようとするのではなく、活かしていける世界を創り出す人材が産まれるでしょう。

公立学校においても、個人にフォーカスした対応が広がりつつあるとのことです。子どもに携わるすべての人が「個人」に関心を持ち始めていることは明らかで、ポジティブな可能性を垣間見ることができます。

ひとりひとり、個性や特性があるにも関わらず、まったく同じペースで国語や算数を学ぶことに従来から疑問を持っていた人もいることでしょう。このたびの、新型コロナウイルスによる休校をきっかけに、子どもを持つ家庭のみならず、多くの人が学びの在り方を考えさせられました。

また、とても残念なことに、命を自ら断ってしまう選択をする人も増えているように思います。みんなが「ありのまま、生きる」ことをもっと大切にして欲しいです。あらためて「個」を大切する体験、「命」を感じる学びの重要性に気づかされます。

オルタナティブ教育は、難しく新しい時代をよりよく生きるための手段のひとつだといえます。今後さらなる発展が期待され、多くの場でその役割を担っていくことでしょう。

 

 

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