少し前までママのお腹の中にいた赤ちゃんは、体のいろいろな機能が未熟です。
特にお肌はその未熟さが表れやすい場所なので、直接触れる衣服の取り扱いには注意しなければなりません。
赤ちゃん用品店には専用の洗剤が並んでいますが、なぜ大人と同じものを使ってはいけないのでしょうか。
赤ちゃんの肌トラブル
赤ちゃんのお肌は、つるつるすべすべでずっと触っていたくなりますよね。
問題がなさそうなお肌ですが、実はとても繊細で弱いものなのです。
生まれたての赤ちゃんの肌とは
赤ちゃんの肌の厚みは、大人の半分ほどしかありません。
一見潤っているように見えても、そのバリア機能はとても弱いので、すぐに肌トラブルに繋がってしまいます。
ボディソープやシャンプーに気を使っているのに、赤ちゃんの肌荒れが酷いときは、洗濯用洗剤が原因かもしれません。
どんな肌トラブルがあるの?
生後1ヶ月頃まで
生後間もない頃は、新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹など、脂っぽくなる赤ちゃんが多いです。
これはママからもらった女性ホルモンがまだ体内に残っていて、必要以上に皮脂を分泌してしまい、毛穴に詰まってしまうことで起こります。
顔や体に赤いポツポツしたニキビのような症状が現れたり、黄色みがかったうろこのようなかさぶたが現れたりします。
ホルモンバランスが落ち着く2~4ヶ月頃には治まることが多いですが、なるべく清潔に過ごしてあげましょう。
生後3ヶ月頃~
ママからもらったホルモンが落ち着いてくると、たくさん分泌されていた皮脂量が減って、今度は乾燥しやすくなってしまいます。
大人の肌は乾燥しても汚れやウイルスから体を守るバリア機能が働きますが、赤ちゃんはこの機能がとても未熟です。
外から少し刺激を受けただけで肌トラブルに繋がってしまうので、直接触れるものには気をつけてあげましょう。
アトピーとは?
生後4ヶ月以降に判断されることが多いアトピー性皮膚炎は、顔や頭、関節部分などに赤い湿疹が表れ、酷くなるとジュクジュクになりかゆみを伴うことがあります。
原因ははっきりと分かっていませんが、体に強い刺激を与えることを避け、清潔さをキープすることで予防に繋がる可能性があります。
赤ちゃんの服と大人の服は分けて洗う?
大人が使っている洗濯用洗剤は、赤ちゃんの肌には強すぎます。
しかし、忙しい日々の中で洗濯物を毎回分けて洗うのは大変だし、時間もかかる・・・
では、いつまで別々に洗濯すればいいのでしょうか。
いつ頃まで分ける?
大人の洗濯物と一緒にする時期に決まりはありませんが、アレルギー学会では1歳以下の子供は特に肌が弱いと言われています。
ですので、1歳前後を目安にするといいでしょう。
洗濯物を一緒にしたあとも、肌の様子を常にチェックして、異常があったらまた分けて洗ってあげてくださいね。
大人の洗剤を替える手もある
毎日忙しくて、何度も洗濯をしている暇がない・・・というママは多いと思います。
そんなママは考え方を変えて、普段使う洗剤を赤ちゃん用に替えてみるのも一つの手ですよ。
赤ちゃん用は肌に優しい分、洗浄力は劣るので汚れの酷いものは分けて洗うようにした方がいいでしょう。
洗濯の際に気を付けることは?
ベビー服を洗濯するときは、大人以上に注意が必要です。
忙しいときは大変かもしれませんが、可愛い我が子のために気を付けて洗いましょう。
洗剤残りを防ぐ
服に洗剤が残っていると、肌荒れの原因になってしまいます。
ベビー服を洗うときは、量を正確に測って必要以上に入れ過ぎないようにしてください。
近年はすすぎが1回でできる洗濯機もありますが、洗剤残りを防ぐためにしっかりすすぐようにしましょう。
洗濯ネットを使う
ベビー服は非常にデリケートです。
ガーゼやコットンなど繊細な素材を使っていることが多いため、洗うときは洗濯ネットに入れてあげるといいでしょう。
特に新生児期は靴下やミトンなどの小物は本当に小さいので、紛失を防ぐ意味でも洗濯ネットは有効です。
外干しを心がける
太陽の日に当てて天日干しすると、カラッと乾ききるだけでなく、雑菌の繁殖を抑えることができます。
雨の日以外はなるべく外干しして、ふかふかなお洋服にしてあげましょう。
しかし、花粉や黄砂の多い時期には、アレルギー反応に注意が必要です。
アレルギーの心配がある場合は、無理せずに部屋干しするかコインランドリーを利用しましょう。
洗剤を変えるときも注意
洗剤に加え柔軟剤や漂白剤を併用している場合、一気にすべてを変えてしまうと、肌荒れしたときに何が原因なのか分からなくなってしまいます。
まずは1種類変更して、しばらく様子を見てから他のものを変更するようにしてください。
赤ちゃん用洗剤のおすすめは?
ベビー服を洗う際のポイントをご紹介してきましたが、では実際にどのようなものを選べばいいのでしょうか。
赤ちゃん用洗剤といっても色々な種類があるので、できるだけ肌に優しいものを選んであげてください。
注目する成分
洗剤を選ぶときは、どんな成分が入っているかをチェックすることをおすすめします。
刺激の少ないものを選んで、赤ちゃんのお肌を守ってあげましょう。
合成界面活性剤
洗浄力の高い洗剤に入っている合成界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせる性質を持つ刺激性の高い成分です。
汚れをしっかり落としてくれるので、大人用洗剤にはとてもありがたい存在なのですが、主に石油成分で作られているため、赤ちゃんには有害となる場合があります。
蛍光増白剤
蛍光増白剤は、紫外線を吸収することで衣服を白くみせる成分のこと。
大人のシャツを洗う際には必須の成分ですが、肌の弱い赤ちゃんにとってはアレルギーや肌荒れの原因になってしまうことがあります。
ベビー服には必要のない成分なので、入っていないものを選びましょう。
香料
自分の服を洗う際は、香りで洗剤や柔軟剤を選ぶママも多いかと思います。
しかし、赤ちゃんにとって人工の香料は刺激が強く、肌荒れの原因となってしまうこともあるんです。
また、視力の弱い新生児は匂いを頼りにおっぱいを探しているので、洗濯物の香りが強いと邪魔になりかねません。
肌に優しい無香料・無添加のものを選ぶ方がいいでしょう。
オーガニックがおすすめ
「わざわざ成分なんて見ている暇がない!」というママには、優しい素材で作られたオーガニックのものがおすすめです。
オーガニック洗剤とは?
オーガニック洗剤は、自然由来の優しい成分でできたものを指します。
地球環境に優しいエコな成分と、低刺激な優しさでたくさんのママに愛用されています。
アレルギー体質やアトピーなど、肌が弱い人にも安心してお使いいただけて、水に溶けやすく扱いやすいのも特徴です。
洗濯用だけでなく、ボディソープやローション、食器用洗剤も全てオーガニック製品に替えれば、赤ちゃんにも安心の生活をおくることができますよ。
普通の洗剤と何が違うの?
先述したように、通常の洗剤は洗浄力を高めるために合成界面活性剤を使用しています。
オーガニック洗剤にも活性剤は使われていますが、植物由来の天然活性剤を使用しているため、敏感なお肌にも安心です。
石油由来の合成界面活性剤は自然の力では分解しづらく、水質汚染を引き起こしてしまいますが、オーガニックは植物性のため環境破壊を防ぐこともできてしまいます。
肌にも環境にも優しい分、洗浄力は落ちますが、ベビー服に使うにはぴったりです。
まとめ
赤ちゃんの小さなお洋服を干していると、とても幸せな気持ちになりますよね。
体の機能が未熟なうちは、すぐに服を汚され、何回も洗濯機を回して、大変な時期かと思います。
直接肌に触れるものだからこそ、赤ちゃんに優しいものを選んで、大切に洗ってあげてくださいね。