はじめての離乳食は、赤ちゃんにとって初めて口にする食べ物です。
0歳児の食べ物は大人の食事とは回数も量も形状も全く違うものなので、新米ママは戸惑うことも多いかもしれません。
今回は、0歳児の食事量や進め方のほか、月齢別の詳しい内容、0歳児に食べさせてはいけないものなどについて詳しくご紹介します!
離乳とは?
0歳後半になると視野に入ってくる離乳は文字の通り「乳離れ」ですが、これまで母乳やミルクなどの飲み物から取っていた栄養を、大人と同じく固形物から取れるようになることを指します。
はじめのうちはスプーンなどで親から食べさせてもらいますが、食べられるものの形状や硬さが変わってくるにつれて、自分で食べられるようになっていきます。
離乳食の目的と注意点
赤ちゃんの栄養補給や噛む力を育てること、いろいろな食物を取り入れることで内臓の機能の発達を促すことなどがありますが、一番大切なのは「食べる楽しさ」を覚えてもらうことです。
ですので、用意した食事を完食すること、毎回必ず食べることなどを目標にしてしまうとストレスが溜まり、無理矢理食べさせようとすると赤ちゃんにとって「食べること」が苦痛になってしまいます。
月齢に合わせた量やかたさ、大きさに気を付けながら、楽しく食事することを心掛けましょう。
0歳児、離乳食を始める目安は?
始める目安は「生後6か月前後」と言われていますが、以下のような状態が見られたら始めても良い時期になったと判断することが出来ます。
- 首が座っている
- 手で支えると座ることが出来る
- 生活リズムが整ってきた
- よだれの量が増えた
- 大人の食事に興味を持ち始めた(大人が食べている時に一緒に口を動かそうとする、食べ物をじっと見ているなど)
条件には当てはまるけれど、本当に初めて大丈夫?と不安になるようなら、赤ちゃん用のスプーンなどを口に軽く当てて見てください。嫌がらずに口に入れることが出来れば食べる準備が整っていると見て良いでしょう。逆に、スプーンを舌で押し出す、嫌がる様子を見せる時は、まだ様子を見ましょう。
生後6か月を過ぎていてもまだ首や姿勢が不安定だったりする場合は、月齢を気にせず準備が出来てから始めましょう。
0歳児にはどれくらいの量をあげれば良い?離乳食の量について
初めて赤ちゃんを育てるママが最も頭を悩ませるのが、離乳食の「量」。
最初は量もほんの少しで良いので、たったこれだけ?と戸惑うママも多いかもしれませんね。
ここでは、離乳食の量についてのお話をより詳しくご紹介します。
離乳食は、グラムと大さじ、どちらで考えればいいの?
水は小さじ1杯5cc、つまり5グラムですが、小さじや大さじとグラムは食べ物により違ってきます。おかゆ小さじ1はほぼ5グラムと考えて良いでしょう。
育児本やウェブサイトでは、最初の1ヶ月は量が少ないので初めてでもわかりやすいように小さじ・大さじで、離乳食が進んでくると量も増えるのでグラム表記にしているところが多いようです。
離乳食初日に与える献立と量は?
初めての日は、10倍粥を滑らかにすりつぶしたものを小さじ1杯のみあげましょう。
10倍粥とはお米1に対して水10の量で炊いたおかゆのことです。
お米からでももちろん作れますが、ご飯30グラムに対して水1カップ(200ml)を鍋に入れ、最初は強火、煮立ったら弱火にして20分程蒸し煮にし、炊けたら火を止め10分程蓋をしたまま蒸らして作ることも出来ます。
電子レンジで作る方法などもありますので、作りやすい方法で試してみてくださいね。
0歳児でも最初から良く食べる時はたくさんあげてもいいの?
赤ちゃんはまだ「満腹」という状態がよくわかりません。
良く食べてくれるのはママにとっては嬉しいことですが、初めのうちは目安の量をある程度守って与えた方がいいでしょう。食べ終わってしばらくしてから吐き戻したり、下痢や便秘の症状が見られる時は、食べ過ぎでお腹に負担がかかっているサインです。
食べる事に慣れてきた中期以降は、赤ちゃんが食べたい量を食べさせて大丈夫と言われています。
月齢別、0歳児の離乳食の進め方
それでは、月齢と段階別に離乳食の進め方を詳しくご紹介します。
まずは飲み込む練習から!5~6か月「初期」
「ごっくん期」とも言われる離乳食初期。
10倍粥を1日小さじ1杯から初めて、1週間くらいかけてひとさじずつ増やしていってみましょう。
おかゆに慣れた2週目からは、柔らかく煮てなめらかにすりつぶしたにんじんやかぼちゃ、ほうれん草などの野菜もプラス。
おかゆと野菜に慣れたら、3週目はお魚やお豆腐などのたんぱく質もあげてみましょう。こちらもつぶしてなめらかにしたり、あっさりした白身魚をペースト状にしたものが向いています。
6か月ごろの離乳食の量は?
開始から1ヶ月ほど経てば、2回食にステップアップすることが出来ます。
2回食になってもすぐに1回目と同じ量を与えるのではなく、2回目は様子を見て1回目の1/4程から初めてみましょう。赤ちゃんの体調や食べ具合を見て、少しずつ2回目の量を増やしていきます。
6か月の離乳食の1回分の目安は以下の通りです。
- 10倍粥 軽く大さじ3(30~40グラム)
- 野菜 大さじ1(15~20グラム)
- 豆腐 軽く大さじ2(25グラム)
- 魚 小さじ2(5~10グラム)
お豆腐やお魚はどちらか1品で大丈夫。両方あげる時はあげすぎないようそれぞれの量を調節しましょう。
量はあくまでも目安なので、赤ちゃんが嫌がらず食べられる量をあげてくださいね。
また、6か月の赤ちゃんはまだまだ母乳やミルクから採る栄養がメインの時期。離乳食と母乳・ミルクの比率は1:9~2:8程度でOKです。
食べられる食材が増える7~8か月「中期」
「もぐもぐ期」とも表現される離乳食中期。
赤ちゃんによっては食べムラが見られ始める頃でもあります。スプーンに慣れ、口を閉じて飲み込むことが出来るようになったら次の段階に進みましょう。
舌と上あごを使って押しつぶせるくらいの柔らかさで、2本の指で簡単に潰れるくらいのかたさが目安です。すりつぶさなくても、柔らかく煮た状態であればみじん切りやごく小さいさいの目切りでも大丈夫です。
おかゆは7倍粥が食べられるようになります。
お肉は鶏のささみからスタート
お魚のほかに、ささみなどの脂身の少ないお肉(鶏肉)が食べられるようになります。湯がいたものをみじん切りにするか、冷凍したものをすりおろして火を通すと調理が楽です。
8か月ごろの離乳食の量は?
8か月の離乳食の1回分の目安は以下の通りです。
- 7倍粥 大さじ5強(50~80グラム)
- 野菜 大さじ2(20~30グラム)
- 豆腐 大さじ2強(30~40グラム)
- 魚/肉 大さじ1(10~15グラム)
豆腐とお魚やお肉は「豆腐のみ」「お魚/お肉のみ」の量です。一緒に出す場合はそれぞれの量を調節してくださいね。
離乳食と母乳やミルクの比率は3:7~4:6程度になり、徐々に食べ物から採る栄養が多くなってきます。
まだメインは母乳やミルクですので、離乳食の食べ具合により加減しましょう。
手づかみ食べもしだす9~11か月「後期」
噛むことが上手になってきた「かみかみ期」。
口を動かすことに慣れ、噛むようにして食べることが出来るようになってきます。お米は5倍粥や、米1:水2で炊いた軟飯(なんはん)が食べられるようになります。
この頃になるとパンも食べられるようになりますが、パンには塩分も含まれています。離乳食後期に食べさせられる食パンの量は6枚切りの半分程度を目安に、食べさせ過ぎないようにしてくださいね。
2回食を問題なく完食するようになったら、これまでより少しかたいものにチャレンジ。ゆでた野菜をスティック状に切ったものや、バナナ、蒸しパンなどの手づかみ食べにも挑戦できます。
スプーンを持ちたがる、自分から食べようとするなど食べる意欲が高まる様子が見られたら、大人と同じ3回食にして良いでしょう。
後期後半からは豚肉や牛肉も!
離乳食後期の後半頃からは豚肉や牛肉も食べられるようになります。
豚肉を初めて食べる時は、脂肪の少ない新鮮な赤身を選ぶようにしましょう。
豚肉はアレルギー表示27品目にも入っているので、小さじ1(5グラム)くらいの少ない量から始めます。食べた後の赤ちゃんの様子にも十分注意してくださいね。
牛肉はひき肉がおすすめです。ハンバーグは豚肉だけだと臭みが気になってしまうこともあるので、合いびきが食べやすくおすすめです。
9カ月、離乳食の量は?
この頃の赤ちゃんは食べ方も変化して、テーブルや床にこぼしてしまうことも増えてきます。お皿からは食べ物がなくなっても、結局どのくらい食べたのかがわからないこともしばしば。食べこぼしはするものと考えて、少し多めに用意しておくのも手です。
- 5倍粥なら 90グラム
- 軟飯なら 80グラム
- 野菜 30~40グラム
- 豆腐 45グラム
- 魚/肉 15グラム
離乳食と母乳・ミルクの栄養は半分ずつくらいになってきます。
食べた量により、母乳・ミルクの量は加減して大丈夫です。
大人の食事に近づく12~18か月「完了期」
なんでも良く食べる「ぱくぱく期」。ようやくここまで辿り着きました。
この頃になるとほとんどの栄養素を食事からとれるようになるので、母乳やミルクを欲しがらないようなら離乳食だけにしても大丈夫。
出来るだけ栄養のバランスが取れたメニューを考えてあげましょう!
0歳児の離乳食、NGと要注意の食材
0歳児には、与えてはいけない食材や、食べる時に気を付ける必要のある食材があります。それらについて詳しくご説明します。
0歳児に食べさせてはいけないもの
●はちみつ
はちみつには「ボツリヌス菌」があり、通常の調理で死滅させることが出来ません。乳児ボツリヌス症予防のため、満1歳までは食べさせないようにしましょう。
●お刺身
大人が大好きなお刺身ですが、細菌により食中毒を起こす恐れがあります。生の魚は3歳頃からにしましょう。
0歳児が食べる時は要注意
●アレルギーの原因になるもの
そばやピーナッツはアレルギーを起こしやすい食品のため、0歳のうちは避けた方が良いでしょう。与える時は少量から慎重に始めてください。生のパイナップルやマンゴーは口元にかゆみが出ることがあるので、0歳のうちは避けるか、加熱したものにしましょう。
●のどに詰まりやすいもの
お餅やこんにゃく、かまぼこやソーセージなどの練り物は、のどに詰まる恐れがあるため離乳食には向きません。いか・たこなどのかみ切りにくい食材も避けましょう。練り物は塩分も多いため、0歳には消化吸収の負担となります。
●刺激が強いもの
にんにくやしょうがは後期頃からならOKですが、使う時はごく少量にしましょう。ソースやカレー粉、こしょうなど刺激のある調味料は1歳を過ぎた頃からで良いでしょう。
その他、糖分や塩分、油分が多すぎるものも控えましょう。マヨネーズやケチャップは中期までは必要ありません。
0歳児、進み具合は個人差あり。時には離乳食をお休みしても大丈夫!
離乳食は赤ちゃんにより進み具合に個人差があり、母乳やミルクで十分な栄養が取れている時もあります。
赤ちゃんの機嫌が悪いときや食べ方がいまいちなときは、思い切ってお休みしてOK!
赤ちゃんもママも楽しく食事できることが第一と割り切って、ストレスのない育児をしていきましょう!