妊娠中のママは「痔の不安を抱えている」という方が多いようです。
デリケートな部分のお悩みなので人に話したり相談したりできず、1人でモヤモヤしていませんか?
また、分娩でも痔を発症してしまうことがあり、産後まで苦しむ場合もあります。
妊娠したら陣痛の痛みだけを心配している方もいますが、お尻の痛みを経験しなければいけないかもしれません…。
というわけで今回は!
妊娠中のママが知りたい「痔」について詳しく解説していきます。「原因」「予防法」「対処法」など、気になる内容をお届けしていくので、是非参考にしてみて下さい。
妊娠中・分娩・産後はなぜ痔になるのか
排便しようとした際、お尻に違和感を覚えたり、痛みを感じることはありませんか?
あまりの痛さでずっとトイレに居座ったり、出血してしまうこともしばしば…。
妊娠するまで1度もそんな経験がなかったのに「なぜ痛くて辛い思いをしなければいけないの…」といった不満を解消するため、痔の原因や種類、症状などを一緒に見ていきましょう。
原因を知ろう!
【妊娠中】
妊娠中は黄体ホルモンが分泌されて腸の働きを鈍くさせることで、便秘に悩まされることが増えます。また、黄体ホルモンは水分の排出を制限させるため、どんどん腸の中に便が貯まっていき、硬くなってしまいます。そのため、硬い便は肛門を刺激して、血液の循環を悪化させることで発症させてしまいます。
【分娩】
分娩の際、いきむことで肛門や会陰部などに強い圧力がかかります。そのため、分娩のときに痔を発症してしまいます。妊娠する前から痔に悩んでいた方は、分娩のときにいきむことでより悪くさせる場合もあります。
【産後】
妊娠中や分娩時の痔を放っておけば、産後も痔が原因で悩まされることになります。また、産後は授乳が始まり、母体の水分も奪われてしまいます。そのため体内の水分が減り、便が硬くなることで、お尻に痛みを感じます。そして、産後は寝不足や疲れも溜まりやすいため、ストレスが腸にも影響し、便秘になってしまうこともあります。
痔の種類
肛門付近にいぼが出来る「いぼ痔」や、肛門が切れることで発症する「切れ痔」、肛門に膿が蓄積してしまう「痔ろう」の3種類があります。
妊娠中や分娩、産後になりやすいのが、いぼ痔と切れ痔の2種類です。その理由は上記に説明した便秘やいきみが原因です。2種類ともに、痛みや出血が伴うこともあるので、トイレのたびに辛い思いをしなければいけません。
症状
症状は種類によってバラバラですが痛みを感じていないのに、排便時に出血が出たり、肛門からいぼが飛び出てくることもあります。
お尻を洗っているときに、ボコっと異物があり、触ってみて驚く方も多いようです。また、強烈な痛みを感じて、出血することも。便秘により硬い便を無理やり出すことで、余計に痛みが強くなってしまいます。
排便時以外にも、お尻の穴がヒリヒリしたり、シクシクと痛みを感じることも増えるので、普段から肛門に違和感を感じることも増えます。
予防法を知ろう!
妊娠中や分娩時、産後に辛い思いをしないためにも、予防法を知ることがとても大切です。
どういったことに気を付ければ「痔になりにくいのか」について、一緒に見ていきましょう。
便秘にならないようにする
腸内環境を良くすることで、便秘の改善にもつながります。
腸に良いとされる、食物繊維や発酵食品、乳酸菌が多く含まれた食品を体に取り入れることがポイントです。
その他に、朝ご飯を食べることで腸が活発に動き出し、排便しやすくなるので、朝食は抜かずに食べることを心がけましょう。そして、水分の摂取も忘れてはいけません。授乳中は特に、水分が母乳に取られてしまうため、意識して飲み物を取るようにして下さい。
食事を見直すことで排便時の苦痛も減り、快適な腸ライフを送ることができます。
便意は我慢しない
便意は我慢すればするほど、便が硬くなってしまいます。硬くなった便を出す行為は、より肛門を痛めてしまい、悪化してしまいます。
便意を少しでも感じたら、トイレに行って出してしまいましょう。このとき、全て出し切らなくても良いので「便がまだ出せてない…」といった感じでも、お尻を拭いて清潔にしておけば無理に出す必要はありません。
トイレに3分以上座り続けることは悪化につながるので、出し切らなくてもOKです。
温水の洗浄便座付きの場合は、それでお尻を清潔にしておきましょう。
ストレスを貯めない
ストレスを貯め込むことで、腸に悪影響を及ぼす恐れがあります。腸の状態が良くなければ、便秘や下痢の原因にもつながるので、体をゆっくり休ませてあげましょう。
座りっぱなしはNG
長い時間座りっぱなしの方は要注意です。長時間座り続けていることで、肛門がうっ血してしまい、痔になりやすくなります。定期的に立ち上がったり、軽く体を動かすなどして、血液の循環を良くしましょう。
体を冷えさせない
体が冷えることで血液の循環が悪くなり、肛門がうっ血しやすくなります。素足を出したり、寒い格好をせず、出来るだけ暖かい状態で過ごしましょう。温かい湯船にゆっくり浸かるのもおすすめです。
対処法を覚えておこう
妊娠中や分娩時、産後に痔を発症した場合「どういった対処法が必要なのか」について、お伝えしていきます。
痛みや出血があっても我慢している方もいますがその行為は悪化につながるので、是非参考にしてみて下さい。
痛くて座れない場合
痛みが強くて座れない場合は、無理をせず横になるようにしましょう。痛みがあるときはどうしても肛門に力が入ってしまいます。ギュッと力を入れてしまうと、痛みをより誘発してしまう可能性があるので、体の力をスーッと抜いてリラックスを心がけましょう。
ワセリンを使用
切れて痛みがある場合は、ワセリンをトイレットペーパーに付けて、肛門を優しくマッサージしてあげましょう。ワセリンを使用することで血行が良くなり、皮膚の保護効果もアップします。
ワセリンを塗る前は、お尻を清潔に洗い、使用後は手を綺麗に洗いましょう。
無理に押し込まない
いぼが飛び出ている場合、清潔な指で押し入れて戻すやり方もあります。その際、無理やり押し込むのは禁物です。皮膚に傷を付けてしまったり、悪化させてしまう場合があるので、気を付けなければなりません。
まずは医師に相談
「かゆみ・痛みが強い」「出血がある」など、いつもと違う状態が起きた場合は自己判断せず、担当医師に相談しましょう。妊娠中は特に、市販の薬を勝手に使用するのも不安が大きいはずです。
きちんとお医者さんに診てもらったら心配も解消されます。妊婦検診のついででも良いので、症状を伝えてみて下さい。入院中に強い痛みや出血が多い場合は、助産師さんに相談してみたり、産後も産婦人科に行く機会があるので、現状を伝えると良いでしょう。
お尻の出血は痔以外にも大きな病気が隠れている場合もあるので、少しでも「おかしい」と思ったら受診をおすすめします。
まとめ
痔に無縁だったのに、妊娠や分娩、出産を機に辛いトイレタイムを送っている方も多いはずです。
トイレに行きたくても「あの痛さがまた来るのか…」と思ってしまうので我慢してしまいがちですが…このやり方はただただ悪循環なので、やめましょう。
妊娠中は特に痔を発症しやすいため、生活習慣を見直す必要があります。
腸内環境を整えたり、座りっぱなしをせず、便意を感じたらすぐにトイレへ直行する、そして、ストレスをためないように休息と睡眠をしっかり取り、体をしっかり温めましょう。
万が一、痔を発症した場合は、恥ずかしがらずに担当医師や助産婦さんに相談して下さい。
早めの対処で、辛い痛みと「オサラバ」しちゃいましょう!