赤ちゃんの1ヶ月検診が終わったら、いよいよ予防接種デビュー。
ここで新米ママがびっくりしてしまうのが、子供が受ける予防接種の種類の多さです。
しかもお医者さんから呼ばれるのではなくママが自分で子供を連れて行かなければいけないので、時には母子手帳とにらめっこになることも…。
でも、しっかり受けておけば怖い感染症にかかるリスクが減り、その後も子供の命と健康な身体を守ってくれます。
ここでは子供の予防接種について、予防接種をする理由、予防接種の種類、定期接種と任意接種など気になる情報をそれぞれ詳しくご紹介します。
子供の予防接種は何故こんなに種類が多いの?
新生児の1ヶ月検診が終わると、子供と一緒に外に出る機会が増えてきます。
出来るだけ人混みを避けての外出とは言っても、出掛ける以上は不特定多数の人との接触は避けられません。
そこで、大事な子供の身体を感染症から守ってくれる強い味方が予防接種ワクチンです。
子供にとって脅威となる感染症は数多くの種類が存在するので、それに対応したワクチンも同じだけ種類があるのです。
予防接種デビューは生後2ヶ月から!
生後2カ月になれば、月齢によりさまざまな予防接種を受けられるようになります。
ワクチンによっては「生後○週までに受けなければいけない」というものもありますので、我が子を守る親の責任として、必ずスケジュールをチェックしておきましょう!
子供の予防接種、ワクチンの種類
子供が受けるものには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。それぞれ詳しくご説明します。
生ワクチン
生きているウイルスや細菌が入っています。
そのまま接種すると感染症になってしまうので、ウイルスの力を弱めた(弱毒化した)ものを原料として作っています。ウイルスや細菌が体内で少しだけ増殖するので、受けた後に風邪のような症状が見られることがあります。免疫力を高める力が強いので回数が少なくて済みます。
注射するものと直接口に入れるものがあり、注射で2回以上接種するものは27日以上空ける必要があります。
BCG、水疱、ロタウイルス、MRなどがこれにあたります。
不活化ワクチン
生きたウイルスや細菌ではなく、感染する力を失わせたものを原料として作ったものです。
生ワクチンに比べると免疫力を生み出す力が弱いので、何回かに分けて追加接種をする必要があります。
ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、四種混合、日本脳炎の他、インフルエンザもこれにあたります。
定期接種と任意接種
子供が受けるものは、定期と任意に分かれています。
それぞれの内容と、かかる費用について詳しくご紹介します。
定期接種とは?
「感染力が強く、集団で予防する必要がある」とされている感染症に対して、国が勧奨しているものです。
強制ではなく勧奨ですが、小学校入学前までに指定のものを済ませておくよう呼びかけている自治体が多いようです。海外渡航時や、職業によっては就職前などに確認されることもあります。
定期接種の費用
金額の一部あるいは全額を行政(市町村)が負担しています。
任意接種とは?
定期以外のもので、国から勧奨されてはいませんが、個人の判断で受けられる予防接種です。
現在定期となっているものでも以前は任意に指定されていたものもあるため、今後も任意から定期へと変更になる可能性もあります。
任意接種の費用
費用は全額自己負担となりますが、市町村によっては一部負担してくれるものもあります。
定期接種を指定された期間中に忘れてしまった場合も、そのワクチンは任意接種となり公費の負担がなくなってしまうので注意しましょう。
定期接種ワクチンの種類
定期として定められているものは、以下の種類があります。
- ヒブ(インフルエンザ菌b型、Hib)
- 肺炎球菌
- B型肝炎 ※2016年10月から
- ロタウイルス ※2020年10月から
- 四種混合
- BCG
- MR(麻疹・風疹混合)
- 水痘(みずぼうそう)
- 日本脳炎
- ヒトパピローマウイルス(HPV)
B型肝炎は2016年9月まで、ロタウイルスは2020年9月までは任意でしたが、厚生労働省の決定でそれぞれ定期に変更となりました。
任意接種ワクチンの種類
任意のものは以下の種類があります。
- インフルエンザ
- おたふくかぜ
過去に任意とされていたものの多くは現在では定期へと変更になりましたが、インフルエンザやおたふくかぜは引き続き任意となっています。
子供の予防接種スケジュールを立てよう
ワクチンは、受けられるあるいは受けるよう推奨されている時期があります。
ここでは定期のスケジュールについて詳しくご説明します。
生後2か月までの子供の予防接種スケジュール
生後2ヶ月で受けられるものは以下の通りです。
- ヒブ(1回目)
- 肺炎球菌(1回目)
- B型肝炎(1回目)
- ロタウイルス / 1価(1回目)または5価(1回目)
ロタウイルスのワクチンには「ヒトロタウイルス由来」の1価と「ウシロタウイルス由来」の5価があり、クリニックによって取り扱いが異なる場合があります。1価は2回、5価は3回で、どちらも効果は同等です。
生後3~5ヶ月までの子供の予防接種スケジュール
生後3~5ヶ月の間で受けられるものは以下の通りです。
- ヒブ(2回目、3回目)
- 肺炎球菌(2回目、3回目)
- B型肝炎(2回目)
- ロタウイルス / 1価(2回目)または5価(2回目、3回目)
- 四種混合(1,2,3回目)
- BCC(1回のみ)
生後6か月~11ヶ月の子供の予防接種スケジュール
生後6~11ヶ月の間で受けられるものは以下の通りです。
- B型肝炎(3回目)
- 四種混合(3回目)
5ヶ月ごろから推奨しているBCGは、5~7か月ごろの間に忘れずに受けるようにしましょう。
1歳以降の子供の予防接種スケジュール
1歳になると受けられるものは以下の通りです。
- MR(1回目)
- 水疱(1回目、2回目)
また、以下の追加があります。受ける時期は3回目をいつ受けたかによって異なります。
- ヒブ(4回目)
- 肺炎球菌(4回目)
- 四種混合(4回目)
その他、3歳頃から日本脳炎の接種が始まり、小学校卒業までで計4回となります。
また小学校入学前にMR(2回目)があります。
これで、子供の定期接種は全て終了です。おつかれさまでした!
VDPを知っていますか?
皆さんは、「VDP」という言葉を知っていますか?
VDPとは「Vaccine(ワクチン)Preventable(防げる)Diseases(病気)」の略で、「ワクチンで防げる病気」のことを指します。一般的にはまだあまり知られていない言葉ですが、専門家の呼びかけで少しずつ広まっています。
日本では、定期接種や任意接種という形で生まれて間もない頃から予防接種をしています。ワクチンのおかげでほとんどの子供は健康に過ごすことが出来ていますが、今もまだ“ワクチンで防げたはずの病気”によって苦しんだり、後遺症を持ってしまったり、最悪の場合、命を落とす子供がいるのが現実です。
これは「世界のどこか」でなく、日本国内で起こっている話です。
『ワクチンさえ接種していれば、こんな事態にはならなかったのに…。』多数の小児科医師が今もそのような現場に直面しています。かかってしまうと大変なことになる病気だからこそ、ワクチンが作られました。そしてその病気から命を守るため、日本では定期接種という形でワクチンの接種が定められています。
子供の命を守るために、予防接種はきちんと受けよう!
今回は、子供の予防接種の種類やスケジュールについて詳しくご紹介しました。
何度もお医者さんに連れて行く大人も、注射される赤ちゃんも大変ですが、失った命や健康な体は決して戻ってくることはありません。
大切な我が子の命を守るため、きちんと忘れずに受けさせましょう!