妊娠初期に運動してもいいの?
妊娠していることに気付かずに運動していたけど大丈夫?
妊娠4ヶ月頃までの期間は、つわりもあったりして体調が安定しない時期でもあります。
食べづわりで食欲が増してしまい、急激に体重が増えてしまったから何かスポーツをしようと考えている妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。
また、普段からスポーツをしている方が、お腹に新しい命を宿したことに気付かずいつも通りにスポーツをしてしまうということもあるでしょう。
適度に体を動かすことは体調を整えるためにも良いことなのですが、気を付けなければならないことがあります。
そこで今回は、妊娠初期にできる運動、注意点などをご紹介していきます。
妊娠初期は体調に気を付けて適度に運動をしても大丈夫
妊娠初期による流産は、染色体異常や子宮の代謝不良によるものがほとんどです。
流産と運動はあまり関係がありません。
ただし、出血・下腹痛がある時は、流産の原因にもなる場合があるので、安静を保ってください。
体調に特に問題がなければ体を動かしても構いませんが、激しいスポーツは避けましょう。
しかし、じっとしてばかりいると、いきなり体重が増えてしまう恐れがあります。
急激な体重増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群となるリスクが高まってしまいますので、動くことで体調管理に気を付けたいですね。
それに、運動にはさまざまなメリットがあるので健康維持のためにも適度に体を動かすとよいでしょう。
ここでは、妊婦さんにとって、やっていい運動・ダメな運動をご紹介します。
妊娠初期の運動による効果
体調に無理のない範囲で適度に動くことによって、
- むくみの緩和
- ストレス解消
- 体重増加防止 といったさまざまな効果があります。
むくみの緩和
女性は身ごもると、プロゲステロンという女性ホルモンが増えます。
このホルモンには、体内に水分を溜め込む作用があるので、むくみやすくなってしまいます。
適度に体を動かすことによって、血液循環が良くなり、むくみが緩和されやすくなります。
ストレス解消
新しい命が宿ると、つわりや体のだるさなど、いろいろな不快感が現れる場合があります。
今までできていたことができなくなったりして、ストレスを感じることもあるでしょう。
体を動かすことで血液循環が良くなると、副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。
運動することは体だけでなく、精神面にも良い効果があるのです。
体重増加防止
食べづわりで急激に体重が増えてしまった方もいらっしゃるかと思います。
急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といったリスクがあります。
かと言って、お腹に赤ちゃんがいる間は無理なダイエットをしてはいけません。
適度に体を動かすことは、急に体重が増えるのを防止することに役立ちます。
妊娠初期にやっていい運動
妊娠初期では、負担がかからず、無理のない範囲で適度に体を動かすのがよいでしょう。
以下に、おすすめの運動をご紹介します。
ウォーキング
ウォーキングは、日常生活で簡単に行うことができます。
動きやすい服装とスニーカーなどの履きやすい靴があればすぐに始められ、自分の都合の良い時間に行うことができるのが利点です。
歩くことで血液循環が良くなり、腰痛や肩こり、便秘といった不快な症状が改善することもあります。
また、ストレス解消にもなり、つわりが軽減する人もいます。
一度にたくさん行うより、毎日少しずつウォーキングを続けるとよいでしょう。
1日30分ほど歩くと、エネルギーの消費がしやすい体になっていきます。
マタニティヨガ
マタニティヨガは、穏やかでゆったりとした動きで、妊婦さんにも負担は少ないです。
体力をつけたり心をリラックスさせたり、むくみや腰痛といった不快な症状を予防・改善する効果もあり、身体に良い影響がたくさんあります。ただし、下腹部に負担をかけるような無理なポーズはやめましょう。
マタニティビクス
マタニティビクスとは、妊婦さん向けのエアロビクスのことです。
エアロビクスのように、全身を使う有酸素運動で、音楽に合わせて体を動かします。
ゆっくり全身の筋肉をほぐしていくことで、腰痛や肩こり、便秘などの不快な症状が改善することもあります。
無理な負担をかけないよう、通常のエアロビクスとは別のマタニティ専用のクラスがおすすめです。
マタニティアクア
マタニティアクアとは、妊娠中に水中で行うエアロビクス(アクアビクス)のことです。
水中で音楽に合わせリズミカルに体を動かします。
水中では、浮力によって体にかかる負荷が減るため軽快に行えます。
立った状態で行うものが多いので、泳げない人でも気軽に始めることができるでしょう。
水圧がかかることによって血液循環が良くなるので、むくみや便秘、腰痛、肩こりなどの改善に効果があります。
妊娠初期にやってはいけない運動
妊娠初期に避けたいのは、
- 運動強度の強いもの
- 競技性の高いもの
- 腹部に圧迫が加わるもの となっています。
無理な動作を行ったことで、母体や赤ちゃんに異常が生じてしまう可能性がありますので注意しましょう。
運動強度の強いもの
“ややきつい”と感じるものよりも運動強度が強すぎると、子宮収縮を引き起こす場合があり、切迫流早産の原因になる可能性があります。
また、体を動かすことによって血液が手足の筋肉に集中するので、子宮の血流量が減少してしまい、お腹の赤ちゃんが低酸素状態に陥りやすくなってしまいます。
このようなリスクを避けるためにも、“ややきつい”と感じる動作を避け、適切な運動強度を守るようにしましょう。
競技性の高いもの
- 激しい接触が発生するスポーツ
- 転倒や落下などの危険があるスポーツ
- 瞬発性の高いスポーツ
- タイムを競うスポーツ など、競技性の高いスポーツは避けましょう。
妊婦さんは、反射神経・平衡感覚・動体視力・判断力などが多少鈍くなりますし、筋肉や関節に怪我をする危険も高くなります。
また、無酸素運動になってしまうと赤ちゃんへの酸素供給が停滞する危険性があるので、これらのスポーツはよくありません。
腹部に圧迫が加わるもの
腹筋やスクワットなど、腹部に力が入る運動は子宮の収縮に繋がるので避けましょう。
ダンスなどの飛んで跳ねるような動きも、腹部に負荷がかかるのでやめましょう。
妊娠初期の運動をすることによる注意点
妊娠初期に運動を行うには、いくつかの注意点があります。
その注意点とは、
- 体に負担の少ない、適した強さで行う
- 異変を感じた時は中断する
- 体調不良の場合は無理をしない となっています。
体に負担の少ない適した強さで行う
体を激しく動かすと筋肉への血流量が増加し、子宮への血流量が減少します。
そのことによって、胎児低酸素症が発症する恐れがあります。
また、子宮収縮を引き起こす可能性があり、切迫流早産の原因になる恐れもあります。
“ややきつい”と感じる動作を避け、体に負担がかからず、無理のない範囲で適度に体を動かすとよいでしょう。
異変を感じた時は中断する
妊婦さん向けだからといっても、体に異変を感じた時はすぐに運動を中断しましょう。
例えば、
- 立ちくらみ
- 頭痛
- 胸痛
- 呼吸困難
- 筋肉疲労
- ひざ下の痛みや腫れ
- 腹部の張りや痛み
- 重苦しい感じ
- 気分が悪くなる
- 性器出血 というような症状を感じた時は、すぐに体を休めましょう。
体調不良の場合は無理をしない
体調に留意しながら、無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。
お腹に赤ちゃんがいる時は、通常時よりも疲れを感じやすくなります。
体調不良を感じている場合は、無理せず安静にしましょう。
まとめ
妊娠初期はつわりがあったりして心身ともに不安定な時期であり、体を動かす機会が減ってしまいがち。
運動不足になってしまうと、これから迎える出産・育児に必要な体力がなくなってしまいます。
体力を温存したり、ストレス解消のためにも、適度に運動を取り入れていきたいですね。
それに、出産までは体重が増えるので、急激に体重が増えないよう、体を動かすことで理想の体重をキープしましょう。
体調に問題がないであれば、気軽にできるウォーキングから始めてみてはいかがでしょうか。