毎月やってくる生理。生理痛がある人にとってはきてほしくない存在ですが、こればかりは逃げられません。生理痛がない人がうらやましい・・・!!
自分も昔から生理痛が重く、どうにかできないかと考えてきました。産婦人科の低用量ピルって聞くと、避妊薬のイメージがありますが、生理痛にも効果があるんです。
今回は同じような悩みを持つ方に筆者の体験を交えて産婦人科で処方してもらえる低用量ピルについて説明します!
産婦人科で処方される低用量ピルってなに?
低用量ピルとは、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が含まれている薬のことです。別名経口避妊薬とも言われたりします。毎日1回服用することで排卵を抑制し、子宮内膜が増えるのを抑えてくれます。正しい服用で避妊効果があります。
服用すると薬に含まれているホルモンによって実際は妊娠していないのに脳下垂体が「妊娠した」と錯覚します。それにより排卵を促すホルモンが抑制されて、卵巣は排卵をする必要がなくなります。ピルの服用をやめると、脳下垂体が「妊娠状態は終わった」と思い込み、卵巣を刺激するので排卵をするようになります。
どんな効果がある?
避妊効果の他、肌がきれいになる、ニキビが治る、生理痛の軽減、PMS(月経前症候群)のイライラ、頭痛の軽減、卵巣・子宮がんの予防、生理周期が安定するといった効果があります。

えっ!生理痛の軽減だけじゃなくて肌もきれいになるの!?知らなかった~!
女性でも男性ホルモンは分泌されています。ピルは、男性ホルモンの分泌に働くので、ニキビをできにくくし、結果的に肌がきれいになります。
いつから普及し始めたの?
ピルは1960年代にアメリカで開発されました。高用量・中用量ピルが使用されていましたが、副作用の観点から低用量・超低用量のピルも開発され、広まっていきました。日本では中用量ピルが主流でしたが、1999年頃から避妊目的で低用量ピルが認可されました。2008年には低用量ピルが月経困難症の治療薬として認可されました。
(※超低用量・低用量・中用量・高用量というのは、ホルモンの配合量を表しています。ホルモンの配合が多いと、効果が高くなります。その反面、副作用が起きやすくなります。)

普及し始めたのは結構最近なのね~!
どこで手に入る?
日本では市販で購入することができません。産婦人科などの医療機関で処方してもらわないと購入できません。通信販売での購入は偽の薬だったり、危険な成分が入っていたりして危険ですのでやめましょう。
副作用はあるの?
倦怠感・眠気・頭痛・吐き気・嘔吐・イライラするなどの副作用があります。また、ピルに含まれているホルモン(エストロゲン)は血液を固める作用があるので、血栓症の発症する可能性が高くなります。低用量ピルだと副作用が少なくて済みます。(どの程度のピルを服用するかは産婦人科など病院の先生の判断になります)副作用は飲み続けると消えていくようです。

ピルの服用によって太るという話をよく聞きますが、それは間違いです。
値段はいくらぐらい?
1シート2000~4000円ぐらいです。(1シート1ヶ月分です。薬ごとに金額が違うので、あくまで相場と思ってください)
海外と比べ日本は普及してない!?
先進国になるほど普及率が上がります。ドイツ・カナダで約40%、アメリカで約10%です。それに比べ日本は約1%しかありません。日本はなぜこんなに普及率が低いのでしょうか。その原因は入手方法にあります。海外では薬局で購入することができますが、日本では産婦人科にいって診察をしなければ入手できません。入手の難しさが日本の普及を妨げています。

もっとピルの良さが広まって、普及できたらいいのに・・・。
実際に服用してみた結果
自分は昔から生理痛がひどい方でした。
飲み始めたきっかけ
買い物中に今までより比べ物にならないぐらいの下腹痛に襲われ、それからトイレから出られなくなりました。冷や汗と吐き気が止まらず、しばらく動けませんでした。嘔吐恐怖症なので気持ち悪くても吐けずつらかったです。(その時は親がいたので助かりましたが、一人だったらと思うと恐ろしい・・・)今まで市販の鎮痛剤で済ましていたのですが、これはいけないと思い、その日のうちに産婦人科に行くことになりました。
低用量ピルと漢方どっちにする?
初めての産婦人科に行き、病院の先生に「ピルと漢方どっちにする?」と言われました。漢方は苦そうだしな~と思い、低用量ピルを選択しました。
処方されたのは・・・
産婦人科で処方されたのはフリウェル配合錠ULD「モチダ」というピルでした。3か月分で7000円ほどでした。ジェネリック薬(後発医薬品:開発費が抑えられるため通常の薬より低価格で買える薬)を希望したので、普通の薬だともっと高いのかもしれません。
1日1回決まった時間に飲むのを習慣づけるために夕飯後に飲むことにしました。ピルは21錠タイプと28錠タイプがあります。処方されたのは21錠タイプでした。
効果はあった?
あったと思います。私の場合ですが毎回の生理が来るたびに経血量が少なくなっていきました。PMS(月経前症候群)によるイライラや頭痛も減ったように思います。副作用があったらと思うと心配だったのですが、特に何もなかったのでよかったです。
自分が思ったメリット・デメリット
<メリット>
前よりかは生理痛が楽になる。
PMSにも効く。
経血量が減ったので下着が汚れるなどの心配が少なくなった。
<デメリット>
飲み忘れる。
経済的負担になる。(自分の場合3か月分7000円なので1か月2000円ほどになります)
病院に取りに行くのが手間。(取りに行くたびに診察が要りました)
血栓症予防で水分をこまめに取らないといけない。
まとめ
・低用量ピルとは女性ホルモンが含まれている薬である。服用すると避妊効果や生理痛の軽減、生理周期が安定したり、肌がきれいになったりする。
・日本ではピルは産婦人科などの医療機関でないと入手できない。
・副作用が出る人もいる。
・値段は1シート(一ヶ月)2000~4000円ほどである。
ピルは避妊薬と私の中では思っていたのですが、生理痛にも効果があるとは使うまで知りませんでした。早く使っておけば学生時代楽に過ごせたのに・・・と後悔しています。低用量ピルの効果は人によっては個人差があると思います。服用するかどうかは個人の判断になりますが、今生理痛・PMSに悩んでいる方は服用を検討してみてもいいかもしれません。
ピル以外にも漢方などその人に合った対処法があるので、いろいろ試して自分に合った対処法をみつけてみてください。私と同じように知らないまま苦しんでいる人もいると思います。少しでも生理痛で苦しむ人が少なくなりますように!(違う病気の可能性もあるので苦しんでいる人は我慢せずに産婦人科に相談をしましょう。服用する場合は産婦人科の先生の指示に従ってくださいね)