産後は赤ちゃんのお世話でとても忙しい日々を過ごしますが、産後ママが気になることの一つに自身の体重と体型が元に戻るのか、という心配があると思います。最近では妊婦の間に体重を増やさない事が主流なので多いと言っても7kg増えたくらいのママが多く、出産とともに3、4kg減ったらほとんど戻ったようなものかもしれません。そんなママさんたちは、体重よりも赤ちゃん不在にも関わらずまだ大きなお腹の体型が悩みのタネとなるでしょう。
私はなんと約20kg増で産後直後3kg減るも体重、体型ともに不安で仕方ありませんでした。戻し方を試行錯誤した結果、半年かけて元の体重と体型に戻ることに成功しました。その中で体調や不調を招いたこともあるので無理な戻し方は禁物だとも感じました。産後の体に無理のない一つの方法として私の体重と体型の戻し方をご紹介します。
産後直後は骨盤ベルト着用
産後の骨盤はかなり不安定です。これは通常分娩でも帝王切開でも同じなので戻し方も同じです。どの分娩でも産後2、3日は絶対に骨盤ベルトのお世話になった方がいいと思います。通常分娩の場合、出産直後は分娩台で一時休憩した後、歩いて個室まで戻ると思います。この時お腹からお尻周りに全然力が入らなくて驚くと思いますが、それほど骨と筋肉が頼りない状態になっているので、骨を正しい位置に戻す戻し方の一つとして骨盤ベルトが便利です。骨盤ベルトをしているから体型が戻るわけではないですが、体型を整える助けにはなってくれます。骨盤の下側を支えてくれる骨盤ベルトを購入しておき、陣痛セットに忍ばせておき分娩台まで持っていくといいでしょう。
私は体重の増加もあって産後二週間くらいまで横になっていても骨盤周りに体重がかかり痛みもあったので、体型の戻し方という以前に、痛みを抑えたり骨や筋肉が正しく働くために骨盤ベルトを使いました。念のためにも退院後も無理をせずしばらく骨盤ベルトをしていた方がいいかもしれません。お尻周りの感覚に違和感がなくなるまでつけておいて骨の位置を整えておくことが体型の戻し方としてもベストだと思います。
産褥期は大人しくしましょう
産褥期と呼ばれる産後6〜8週間の間は本当に無理は禁物です。赤ちゃんと自分の体調に気をつけるだけで十分です。入院中も体型を戻したくて必死だった私は筋トレをしてみたりしましたし、退院後に家事育児も運動だと思ってやっていました。その3ヶ月後に体の無理が祟ってしまいぎっくり首と39度の熱が出て一週間寝込み、とても後悔しました。なんとなくやれてしまうので退院直後から家事や育児や仕事、体型戻しに奮闘していましたが、その期間はあまり動かずゆっくりすることをおすすめします。
呼吸で体型を戻す
入院中から産褥期にかけて無理せずやれる体型戻しは、呼吸に集中することです。寝ているだけでも呼吸はできます。また、横になっていると呼吸に集中しやすいので、産褥期のうちに呼吸の仕方を癖づけると体型を戻すことに役立ちます。
呼吸で意識して欲しいことは、吐いた時にお腹をへこませるように力を入れることと膣を少し引き上げること、一緒に背筋を伸ばすことです。こうすることでお腹周りや骨盤周り、背骨などの姿勢を保つインナーマッスルが呼吸と一緒に働くようになります。脂肪は体から出ていく時に二酸化炭素と水分になって体外に出ていきます。このことからも呼吸を蔑ろにすると脂肪が出ていきにくくなりそうですよね。
呼吸は産後の痛みの後陣痛の緩和にも効果的
私は三人目の出産で、実は後陣痛にも怯えていました。2人目の時にとても痛くて痛み止めを飲み続けても唸るほど痛かったことから、回数が増えるごとに痛みが増すと言われていたのでとても怖かったのです。ですが、三人目の時はこの呼吸を気をつけていたことで痛み止めも必要なく子宮の収縮を感じる程度で、悪露も順調で二週間前後で排出もなくなりました。呼吸に集中することで血の巡りや循環をより良くすることができたのではないかと思います。
体重の戻し方
妊娠すると驚くほどに食欲が出てしまい、満腹中枢がおかしくなってしまうのか20kgも増えてしまった私ですが、食欲をコントロールすることで食事の量を調整しました。そもそも食べることは大好きなので元の体型も痩せ型ではないのですが、産後の時は特に寝てばかりいて動いていないのにそんなに食べる必要がないのでは、と言い聞かせつつ、本当に食べたいものだけ食べよう!と決めました。本当に食べたいものを美味しく食べるには下準備が必要です。
自分の食べたい感覚を感じる
下準備とは、お腹が減ることです。お腹がペコペコに減ってから食べると、結構なんでも美味しく食べることができます。そして何を食べたいのかも明確に自分でわかるようになります。太るときは、暇だったり、いい匂いがしたりなどの外的要因によって食べる事が多かったことに気づき、自分が本当に食べたいのかどうかを考えていませんでした。そのことに気をつけ始めたら、体重はするすると落ちていったように思います。それでも20kgの増加だったので4ヶ月程度はかかってしまいました。やはり妊娠時に増やしすぎないことも大切なのだと思います。
体型の戻し方
体型を戻す方が体重よりも少し時間がかかりました。やはり妊娠前の体と産後の体の大きく変わる部分はお腹、骨盤周りだと思います。お腹は特に伸びた皮に脂肪が加わって行き場を無くしたかのようにお腹に鎮座していましたし、お尻は破壊的に大きくなっていました。20kgの増加なので全体的にも大きく膨らんでいたと思います。呼吸と一緒に筋肉を意識することと、時間がある時に少しストレッチをすることだけで体型も戻りました。一般的なストレッチではなく大きな関節の局所的なストレッチであり、呼吸を重視してストレッチをしたので巡りが良くなったことも大いに関係していると思います。
姿勢を保つ筋肉を育てること
呼吸によってお腹に力を入れることで、だいぶお腹周りはスッキリしてきます。大きな関節である股関節や肩周りの関節をよく動かすことでも脂肪のつく部位を制御することもできます。呼吸によって筋肉を意識することでインナーマッスルを刺激するので、呼吸するだけで、ひいては生きているだけで姿勢を保つ筋肉が育ってくれます。普段の何気ない瞬間にインナーマッスルを意識して呼吸をするようにし姿勢を保つ筋肉を育てることでムキムキにならずに、かつ、よく動ける体になっていきます。
股関節と肩甲骨のストレッチでスタイルアップ
呼吸により姿勢を保つ筋肉を育てることと同時に、股関節と肩甲骨を重視してストレッチをすることで、お尻周りと二の腕周りをスッキリさせると妊娠前よりもスタイルアップできるかもしれません。
赤ちゃん育児に少し余裕が出てきたら、股関節を外旋させるために四つん這いの状態からどんどん膝を外側に滑らせていってみましょう。お尻がどんどん下がっていく感じです。無理ない範囲で止めたら爪先を伸ばしてお尻と太ももの境目に力を入れてもう少し体が沈められるように呼吸を続けてみてください。内ももが伸ばされる感覚が限界となったらやめてください。股関節を外旋することで下半身の流れも良くなりますし爪先に力を入れることでふくらはぎのポンプも働くのでむくみを撃退することもできます。
肩甲骨は、外側に広がって固まってしまうと背中と肩が大きくなり猫背になってしまって見た目にも良くない上に肩こりや頭痛を呼んでしまいます。背筋を縮めるような動きで肩甲骨を背中の真ん中に下げるように近づけると肩甲骨が本来の動きを取り戻します。背中側で腕を組みながら首を長くし肩甲骨下げるように意識しながら呼吸をしましょう。背中がぎゅーっと集まる感覚になりスッキリしますし巻き肩の解消になります。この時肋骨を前に出すと効果が薄れるのでなるべく体が前に出ないように首を真上に引っ張る意識を忘れないようにしましょう。
授乳中の姿勢は要注意
授乳の姿勢によっては肩や背中にとても負担をかけてしまいます。ただでさえ夜中の授乳などは意識が朦朧とした中で授乳するので姿勢なんて気にしていられないと思うかもしれませんが、授乳枕に赤ちゃんを乗せて少しでも猫背や前のめりにならないように気をつけながら授乳するようにしましょう。思い切って添い乳にしてもいいと思います。その時は首の傾きに気をつけて角度をつけすぎない枕を選びましょう。
最後に
産後の体にダイエットを詰め込みすぎると本当に体が悲鳴をあげます。産後は無理をしないことが一番です。お腹が減ったら食べる、呼吸をする、なんて当たり前のことだと思うかもしれませんが、その当たり前をきちんとできなくなることで体重がどんどん増えてしまったことを3回の妊娠で体験しました。これからは妊娠前よりももっと綺麗な体になるためにまだまだ意識し続けていくつもりです。