待ちに待った我が子の誕生の瞬間とともにママは辛く痛い陣痛を味わうことになります。
ママの辛さを少しでも和らげるために、辛さを少しでも理解するために、立ち会いを希望するパパは何ができるしょうか?
「自分にできることは何でもしてあげたい!」
不安いっぱいのママを少しでも安心させられる頼もしい存在であるために、出産を乗り切るためのパパの役割をご紹介したいと思います。
~予定日が決まったら~
パパは陣痛や出産に関する知識を身につけよう!
まずは立ち会いをするか夫婦でよく話し合いましょう。
「陣痛で辛いときパパがいてくれて心強かった!」
「ママの辛い姿を見ることで、大変さが分かった!」
「パパが思った通りに動いてくれないで行動にイライラした!」
「想像以上に壮絶で耐えられなかった!(パパが)」
など、立ち会いにはメリット・デメリットがあります。
立ち会いを希望する際は自分でできることを考え、出産時に望む形で立ち会えるよう、陣痛や出産に関する知識を身につけておきましょう。
出産は陣痛から始まります(破水から始まる人もいます)。陣痛とは、周期的におこる子宮の収縮のことで、赤ちゃんが外に出ようと決めたときに起こる身体の反応です。妊娠期間中から時々軽い子宮の収縮を経験している方もいますが、陣痛の間隔が10分以内、1時間に6回以上の頻度になることを「陣痛発来」といい、出産が開始したと判断されます。個人差はありますが、出産にかかる時間は初産で12~16時間、経産婦で5~8時間とされています。陣痛は長く辛い道のりですが、ママは我が子に会うために必死に頑張らなければならないのです。
参照元:日本看護協会
また、産後は出血もしますし、いきみや踏ん張りとともに尿便が出る場合もあります。我が子を守ってきた羊水や胎盤も排出され、パパにとって見慣れない光景がたくさんあると思います。会陰破裂や会陰切開が起こる場合もあります。お産の進行が遅れたり、胎児機能不全などが起こると、緊急帝王切開になることもあります。慌てることのないよう、きちんと知識を深めておいてくださいね。
インターネットや本で調べるだけでなく、地方自治体や産院、赤ちゃん用品店が行っている両親学級に参加することもおススメです。両親学級では、出産に関する基本的な知識を学ぶことができるだけでなく、退院後の赤ちゃんのお世話の仕方(おむつの交換方法や沐浴)も教えてくれるので、ぜひ積極的に参加してくださいね。
出産予定日が近づいてきたらパパが事前に準備しておくこと
予定日が近づいてきたら、職場にも事前に出産のことを伝え周りの理解を得ておく、仕事や休みの調整をしておくことも大切です。
職場と家族、ともに迷惑がかからないよう、できる限り調整しておきましょう。また、陣痛が始まったら、車で送るのか、仕事の場合はどうするのか、陣痛タクシーに事前に登録しておく等、夫婦でよく相談しておきましょう。
陣痛があまりにも激しく、ママが産院に電話できない場合もあるので、パパも産院の電話番号を登録しておくことを忘れずに。
陣痛の痛みを緩和させてあげるために呼吸法やマッサージ法を学んだり、必要なもの(マッサージや押圧に便利なテニスボールやゴルフボール、いきみや踏ん張りで熱くなる体をサポートするうちわ、汗拭きタオル、ストロー付きの冷たい飲み物、長時間の戦いに備えての軽食など)を事前に準備しておくことも重要です。
我が子を迎え入れる準備、入院準備、退院準備もママにすべて任せず、協力してどんどん行ってくださいね。
思った以上に準備は大変です。
~陣痛が始まったら~
激しくなる陣痛、ここがパパのがんばり時!
どんどん激しくなる陣痛に耐えるママのサポートを積極的に行いましょう。
病院についてから出産までの間は、先生や助産師さんがいない時間があります。
そこで何よりも重要なのが、安心させてあげること。
話を聞いてあげたり、飲み物を飲ませてあげたり、手をにぎってあげたり、汗を拭いてあげたり、マッサージをしてあげたり…ママが求めること、安心させられることは何でも聞いて、何でもしてあげましょう。時間が長いからといって、間違っても苦しむママの前で、パソコンをいじったり、携帯ゲームをしたり、新聞を読んだりしないでくださいね。
ビデオや写真を撮っておくことも、のちのち家族の大切な思い出になります。お医者さんの許可が出る範囲内で、頑張っている姿を残しておきましょう。
※気が散ったり、嫌がるケースもありますので、ママの気持ちを最優先にしてあげてくださいね。
~出産後~
出産を乗り切ったママ、出産後はパパの出番!
まず乗り切ったママに「お疲れさま」「ありがとう」「よく頑張ったね」とねぎらいと感謝の言葉をかけてあげましょう。
その後、両親に会うために頑張って産まれてきた我が子にたくさん愛情をかけてあげましょう。(赤ちゃんも大変な思いをして生まれてきました。)
想像以上に小さい我が子を抱っこすると、父親になった実感がわいてきますよ。
入院中のママに代わって、退院グッズに足りないものや、退院後に必要なものを買いに行くのもパパの役割です。これも重要なポイントです。入院中のママと情報共有して、必要なものは買い揃えておきましょう。
ちなみに筆者は、入院中の病院での沐浴指導、授乳指導、生活指導を受けて、新たに必要になったものがたくさんあったので、パパに買い出しをお願いしました。ベビーせっけんやおむつ、ミルクや哺乳瓶などは産院と同じものを使用したかったため、あえて出産前に用意しませんでした。
退院後は産後の壮絶な痛みと疲れ、慣れない我が子のお世話で買い出しに行く余裕が全くなかったので必要なものをすべて買い揃えてくれていたことは大変助かりました。
~まとめ~
素敵な立ち会い出産を!
新しい生命の誕生に立ち会ったパパは、今までにない体験をすることになります。
出産はママにとって大変な試練となりますので、役割をきちんと理解し、後悔のない最高に素敵な立ち会いをしてくださいね。
~筆者の体験談~
2人の出産経験、3人目妊娠中の筆者ですが、実はまだ立ち会いを実現できていません。
1人目は逆子(骨盤位)が最後まで治らず予定帝王切開になり立ち会いできず…2人目も帝王切開(前回帝王切開のため)の予定でしたが、予定日より早く陣痛が来てしまい、一人タクシーで産院に向かい、パパが産院につく前に生まれてしまったため立ち会いできず…。
そのため、いまいち大変さを理解できていない様子です。(ちなみに帝王切開後の術後の痛みも相当辛いです。)
ママ友達に立ち会いの話を聞くと、「不安の中、パパがいて心強かった!」「次も絶対立ち会ってほしい!」という声が多かったです。中には、「励ましが、あまりにうるさくて集中できなかった」「出産や陣痛について全く知識がなく、オロオロしているだけだった」「携帯ばかりいじっており腹が立った」という声もありましたが…。
3人目は、TOLAC(これまでに帝王切開を経験した人が次に経膣分娩を試みること)にチャレンジし、次こそは立ち会い出産をしてもらおうと思っています。そのためにも、パパには改めて陣痛や出産に関する知識を身につけてもらっています。
我が子の誕生の瞬間を見届けられる立ち会いは、パパの頑張りや役割次第で、夫婦の絆をより深める貴重な経験になると考えています。
これから立ち会いをしようと考えているパパにはぜひ、ママが陣痛で苦しんでいるときの「頼りになる力強いサポート役」「ママを安心させる存在」になってほしいと願っています。