赤ちゃんがお腹に宿り、誕生を待ちわびている妊婦さんにとって「出産」は避けては通れない道です。
初めての妊娠やパートナーである旦那さんにとっては、出産の時に感じる「陣痛」がどのようなものかは、想像もつかない世界かもしれません。
ですが痛みを乗り越えて、かわいい赤ちゃんと対面を果たした先輩方はたくさんいます。
その先輩方が、乗り越えて感じてきた「陣痛の始まりの感覚」や「出産時の痛みの感覚」は、これから出産を経験する妊婦さんや旦那さんにとって、とても参考になると思いますよ。
赤ちゃんの誕生は十人十色、本当にいろいろなパターンがあります。
その中でも、一般的と言われるパターンを目安にしてみて下さいね。
今回は、陣痛の始まりはどんな痛みなのかと、長さの間隔やいつ病院へ行けばいいのか、出産までの流れをご紹介します。
陣痛の始まりとは!どんな痛みなの?
陣痛の始まりは、どんな痛みなのかご紹介します。
初めての妊娠の場合、陣痛の始まりの痛みは想像を絶する世界かもしれません。
2人目の妊娠の場合でも、「最初の妊娠・出産の時とは全く違う感覚だった」なんてこともよく聞きます。
あまり陣痛がこなくて、するんと短時間で出産した「超安産」な先輩もいます。
そんな「超安産な出産」だったらいいのにと、誰しもが思いますが、こればかりはその時になってみないとわかりません。
陣痛の始まりはどんな痛みなのか、なぜ痛みを感じるのかも合わせてご紹介します。
出産時に痛みを感じるのはなぜ?
出産時に痛みを感じるのは、なぜなのかをご紹介します。
「できればあまり痛みを感じずに出産をしたい」と願う女性はほとんどですよね。
「無痛分娩」もありますが、それでもある程度の痛みは感じます。
「痛くなければ嬉しいのに…」と思う気持ちは本当によく理解できます。
ですが痛みも必要だから起こるのです。
ではなぜ「痛み」が必要なのでしょうか。
陣痛とは「赤ちゃんをお腹から外に出すために、子宮が収縮運動をしている」状態のことです。
この子宮の収縮運動が痛みの発生源になります。
赤ちゃんが外で活動できる用意ができた時に、子宮の収縮運動は起こり始めます。
つまり「赤ちゃんが外の世界で生きていけるようになりました」という合図(サイン)でもあります。
「陣痛=痛い」と連想してしまいますが、この痛さが赤ちゃんからのサインならば、この痛みは、赤ちゃんとの出会いのサインでもあるのです。
陣痛の始まり?陣痛ってどんな痛み?
「赤ちゃんとの出会いのサイン」とはいえ、始まりはどんな痛みを感じるのでしょうか。
この始まりがどんな感じなのかが分かっていたら、とても心強いですよね。
これから陣痛の始まりがどんな感じだったのか、先輩方の体験をご紹介していきますね。
【陣痛の始まりの感じ方】
- 生理痛のときのような感じ
- 下痢のときのような痛み
- お腹が張る
- チクチクした感覚
上記のような感覚が、「始まりだった」という人が多かったようです。
先輩方に共通しているのは「まだ耐えられる痛みを少しずつ感じた」という意見でした。
このまだ耐えられる状態のことを「前駆陣痛」と呼びます。
この感覚が少しずつ強くなり間隔が短くなってくると、本格的な陣痛になります。
陣痛の始まりとは!長さの間隔は?
陣痛が始まる長さの間隔をご紹介します。
始まりは、ささいな痛みを感じることから始まりますが、その長さに間隔はあるのでしょうか?
陣痛の始まりとは!長さに間隔はあるの?
上記で「前駆陣痛」とご紹介しましたが、その長さに間隔はあるのでしょうか。
その長さを感じる間隔も人それぞれですが、一般的な長さの間隔をご紹介していきますね。
「前駆陣痛」が起こり始めた時は「ささいな痛みが、気がついたら起きている」という感覚です。
初めはささいな感覚が「気がつけば何度も起っている」という状態になると、その次の段階になり、定期的に感じる感覚に変わってきます。
一般的な分娩初期の目安は下記のようになるそうです。
- 痛み方…微弱
- 痛みを感じる時間…短い(10秒から20秒くらい)
- 痛みが来ない間の時間の間隔…長い(10分から20分くらい)
ここまで来ると、もう少しで「本陣痛」に入ります。
間隔があるとわかったときに、時計を用意してください。
これから、痛みが来る間隔を計ることが必要になってきます。
手の届く場所に、時計とメモとペンを用意しておきましょう。
痛みの強さと、始まりの時間と落ち着いた時間を記入しましょう。
どのような痛さかも書いていたらいいかもしれません。
病院に連絡する時、このメモを見ながら今の状況を説明しないといけません。
病院に行くときも、メモは必ず持参してください。
この始まりの時間が「出産開始日時」になり、母子手帳に記入されます。
次に出産するときの目安にもなりますので、メモは捨てずに母子手帳と一緒に保管しておきましょう。
陣痛の始まりとは!長さの間隔が短くなった時は病院へ電話
急いで病院に行きたい気持ちになりますが、「すぐに赤ちゃんに会える」という訳ではありません。
病院に行っても、自宅に戻り様子を見るように指示されることもあります。
出産予定日が近くなったら、下記のことを必ず病院に確認しておきましょう。
【病院に連絡する時の目安】
- 間隔の時間が何分くらいになったら
- 出血がある場合
- 胎動が感じられなくなった時
- 破水・おしるしがあった時
病院からも上記の場合には、すぐに連絡するように言われると思います。
ですが病院によって対応はいろいろ違います。
ご自分が出産する予定の病院に、必ず「どのような状況になったら連絡しないといけないのか」の確認をしておいてくださいね。
陣痛の始まりとは!長さの間隔は【経産婦の場合】
経産婦の場合は、痛みが始まる長さの間隔が、初産婦の時とは違う場合がありますのでご紹介します。
2人目3人目の出産の場合、上記でご紹介した「間隔の長さの目安」は少しですが変わります。
初産婦の場合は「10分から20分」の間隔と言われていますが、経産婦の場合はこの時間の目安が「15分くらいになったら」と少し長くなります。
経産婦の場合は、一度は出産を経験しているので「産道が開きやすいから、初産婦よりも早くなる」と言われています。
特に、初めての出産が安産だった場合はなおさらのようです。
経験者であるが故に、どっしり構えていたら「赤ちゃんの頭が出ている!」なんてことになった、と笑い話でよく聞きます。
2度目3度目であっても、母子の安全を守るために、初めての出産の時と同じ気持ちで、赤ちゃんを迎えられるように心がけていきましょうね。
陣痛の始まりとは!いつ病院へ?
いつ病院へ行けばいいのかご紹介します。
上記で「病院に連絡するときの目安」をご紹介しましたが、この目安と病院からの指示が他にもあった場合は、すぐに病院に連絡をして病院へ向かってください。
特に下記のような状況の場合は、すぐに病院に連絡をしましょう。
- 胎動が感じられない
- 出血がある
- 破水・おしるしがあった場合
出血や破水の量によっては「もう少し自宅で待機を」と言われる場合もあります。
ですが、出血の量が多い場合は、早めに病院に連絡して診察を受けるようにしてください。
ちなみに「破水」とは、赤ちゃんを包む卵膜が破れて、羊水が流れてくる事です。
- パチンと音がした
- 血が少し混じったさらさらした水が出始めた
など、破水したと感じるバターンはさまざまです。
「おしるし」も出血があった人・何も感じなかった人がいますので、あるかないかは人それぞれです。
ですが出血を伴う場合は、すぐに病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
この場合、そのまま入院する可能性もありますので「入院セット」も持参しましょう。
持参が難しい場合は、身内の人に入院になった場合に持ってきてもらうようにお願いしておきましょう。
入院セットの置き場所を話し合って決めておくと、頼まれた相手も慌てなくてすみます。
その時になればどうしても慌てますので、わかりやすい玄関先に置いておくのが一番無難です。
そのような準備もしっかりしておきましょう。
陣痛の始まりとは!出産までの流れ
これから出産までの流れをご紹介します。
本陣痛が始まったらいよいよ赤ちゃんの誕生も目前です。
誕生までの流れを把握して、心の準備をしておきましょう。
陣痛の始まり
「少しお腹が痛い」と感じ始める人が大半ですが、人によっては「恐ろしいほどの痛みがいきなり来た」という人もいます。
急にこらえきれない痛みを感じる人もいるようですので、その場合はすぐに病院に電話をして指示を仰いでください。
ささいな痛みを感じ始めたら、痛みの始まった時間と治まった時間をメモしておきましょう。
いざ病院へ
痛みも強くなり、間隔が10分から20分くらい(経産婦は15分くらい)になってきたら、病院に連絡をして行く用意をしましょう。
病院に行くときには、自分で車の運転はせずに、タクシーや身近な人に送ってもらいましょう。
最近は、いろいろなタクシー会社が「陣痛タクシー・ママサポートタクシー」などのサービスを提供しています。
予定日が近づく前に必ず確認!「陣痛タクシー・ママサポートタクシーサービス」
タクシー会社によって提供内容に多少の違いはありますが、事前登録しておけばタクシーが必要になった時に、優先的に病院に送ってくれるサービスです。
出産を予定している病院を登録しておけば、病院まで送ってくれます。
病院へ行くときの送迎の不安もあるでしょう。
病院に行かないといけなくなった時に、誰かが傍に居てくれればいいのですが、お仕事で不在の場合もあります。
お住まいの地域のタクシー会社でサービスを行っているかもしれませんので、慌てないように事前に調べておいてくださいね。
病院の陣痛室へ
病院から来るように指示を受けたら、事前に用意していた「入院セット」を持って病院に行きましょう。
病院についたら、真っ先に「間隔を記入したメモ」と状況を伝えましょう。
陣痛室に行く前に分娩台で「赤ちゃんの胎動を計る機械をつけて様子見」の場合もあります。
(分娩台は結構な高さがあるので、上がるときは注意してくださいね。)
赤ちゃんの胎動に異常がない場合は、陣痛室に移動して子宮口が開くのを待ちます。
このあたりでは「本陣痛」になっているので、苦しくなってくるときです。
「いきみ逃し」をしないといけませんので、いきみ逃しに効くといわれる道具(テニスボールやゴルフボールなど)も用意しておきましょう。
※この「いきみ逃し」は、妊娠中の母親学級で教わるはずなので、一度は練習しておきましょう。
そばに旦那さんがいてくれると妊婦さんも心強いです。
旦那さんは、妊婦さんの腰をさすったり、水分補給を気にかけてあげてくださいね。
場合によっては、痛さが治まり和らぐこともあります。
そんな場合、病院に他に妊婦さんがいる場合は「一般の病室で様子見」ということもあるので、持参した荷物はあまり広げ過ぎないようにしておきましょう。
病院の分娩室へ
子宮口も広がると思われるころに「分娩室」に移動になります。
(分娩室への移動は、先生や助産師の判断で行われるので、一概には決まっていません。)
分娩室に移動しても「すぐに出産!」という訳ではなく「子宮口が全開(約10㎝)」になるまでは耐えなければなりません。
すぐにいきんで赤ちゃんと対面したい気持ちはわかりますが、赤ちゃんとのタイミングがあります。
助産師の指示に従い「いきみ逃し」をしながら、誕生までは体力を温存しなければなりません。
助産師が誘導してくれるので、焦らずに指示に従いましょう。
子宮口が全開になって初めて、思いっきりいきむことができます。
ありったけの力で頑張ってください!
無事に、赤ちゃんと対面を果たした後は「後産」があります。
これは、子宮内に残っている「胎盤」を外に出す作業です。
この間に赤ちゃんの体重などが計られます。
ちなみに先に赤ちゃんを迎えた先輩たちの出産時の例えがありますので下記でご紹介します。
【出産時の例え】
- 100年の便秘が一気に解消した
- 鼻からスイカ(有名ですね)
- 車で腰をひかれたような感じ
- 陣痛の時より痛くなかった
例えはさまざまですが「とても痛い」ということはわかります。
ですが赤ちゃんと出会うために必要な痛みです。
出産には必ずゴールがあります。
永遠に続かないので、焦らずに助産師の指示に従いましょう。
陣痛の始まりとは…まとめ
今回は、陣痛の始まりはどんな痛みなのかと、長さの間隔やいつ病院に行けばいいのか、出産までの流れをご紹介しました。
赤ちゃんがお腹の中に宿り成長する姿を見ると、「早く赤ちゃんに会いたい」という気持ちも高まってくるでしょう。
同時に「出産って痛いよね、大丈夫かな?」と不安な気持ちになる人も多いでしょう。
いざ始まった場合、急に不安な気持ちになってしまって焦ってしまうと思います。
身近にいる旦那様も、あせってオロオロしてしまうかもしれません。
ですが痛みは、赤ちゃんからの「もうすぐ会えるよ」のサインです。
誰もが痛い思いは嫌ですが「赤ちゃんと会える!」という喜びが、痛みを超える力になります。
安産だった人たちから「落ち着いた気持ちで出産に挑んだら、あまり痛くなかった」という、意見もありました。
極度の緊張は、身体を強張らせます。
「出産時に落ち着け」というのは無理な話かもしれません。
ですが大まかな出産の流れを把握しておけば、少しは落ち着けるかもしれませんよ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。