生理についてあなたはうまく説明できますか?生理痛を我慢して過ごしてはいませんか?
今回は生理のメカニズムと生理痛の原因について説明します!
生理とは?
まず生理について説明します。医学用語では「月経」とも呼ばれます。卵巣から卵子を1ヶ月に1回排出することを排卵といいます。排卵と合わせて子宮内膜が厚くなり、妊娠できる状態になります。しかし妊娠しなかった場合は子宮内膜が不要になるため、はがれおちます。これを生理と呼びます。周期は1サイクルが4週間とされています。
○生理中(1週目)
体温を上げる作用のある黄体ホルモンの分泌が少なくなるため、体温が下がりぎみになります。そのため血流が悪くなり、頭痛がしたり、貧血ぎみになります。体の変化によるストレスを感じ、ブルーな気持ちになります。
○生理後(2周目)
卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まり、肌の調子が良くなってきます。心身共に充実して過ごせる時期です。
○調整期間(3週目)
次の生理に向けて子宮内膜が厚くなり始めます。
○生理前(4週目)
頭痛、むくみ、便秘など不調が現れます。精神的にもイライラし、不安定になります。
毎月サイクル通りに来るのが正常ですが、予定日を5日程度前後する場合もあります。
ただし次のような異常な生理もあります。
◆稀発月経・・・周期が39日以上ある
◆頻発月経・・・1ヶ月に何回もくる
◆過少月経・・・経血量が極端に少ない、3日以内に終わる
◆過多月経・・・かたまりが出たり、異常な量の経血が出たりする
症状に思い当たりのある方は産婦人科を受診しましょう。
生理痛ってなんで痛くなるの?
生理痛とは生理時に下腹部が痛くなることをいいます。痛みには個人差があり、なんとなく痛いという人やもがき苦しむぐらい痛いという人もいます。なぜ痛くなるのでしょうか。主な原因は4つあります。
- ストレス
ホルモンのバランスを崩すストレスは、血行不良の原因になります。なるべく心身に負担のかからないように過ごしましょう。
- 経血が流れにくいため
子宮の出口が狭いとうまく経血が外に出ないため、痛みを感じます。出産を経験すると子宮の出口が広がるので痛みが軽くなる場合があります。
- 「プロスタグランジン」という物質によるもの
この物質は経血を外に出す働きをします。外に経血を出すため子宮を収縮させます。その収縮で下腹部が痛くなります。
- 血行不良
体が冷えると血行が悪くなります。その結果、前述にある「プロスタグランジン」が滞るので、下腹部が痛くなります。ひざ掛け・カイロを使ったりして体を温めるようにしましょう。
生理痛がひどいと病気の可能性も

生理は病気じゃないから産婦人科に行くのはちょっと・・・

それは間違いですよ。
痛みがひどいと病気の可能性があります。早めの産婦人科での受診で病気が発見できる場合がありますので医師に相談しましょうね。
早めの産婦人科での受診で病気が発見できる場合があります。下記の病気の可能性がありますので、つらい方は我慢せずに医師に相談しましょう。
○子宮筋腫
良性の腫瘍で30歳以上の女性の30%ほどにみられる病気です。この腫瘍はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンによって大きくなります。腫瘍ができる場所は人によって違います。生理痛がひどい、経血量が多いという症状があります。
○子宮内膜症
女性の10人中1人が発症すると言われています。子宮以外の場所に子宮内膜と同じものが作られる病気です。原因は明らかになっていません。この病気は生理のたびに段々と痛みが増していくという特徴があります。
産婦人科に行ったほうがいいの?
痛みの程度は人によって違いますが、上記で述べたような病気の可能性もありますので生活に支障が出ている場合や、鎮痛剤でも効果がない場合は産婦人科で受診した方がいいでしょう。
産婦人科と婦人科の違いですが、産婦人科は産科と婦人科を兼ねている病院です。妊婦さんばかりいるのが気になるという方は婦人科のみの病院を検討してみましょう。
痛みを軽減する過ごし方
普段の食べ物に気をつける
アイスクリームや冷たい飲み物は体を冷やし、痛みが増します。避けるようにしましょう。
逆に玄米、ほうれん草、さつまいも、納豆などのマグネシウムが含まれている食材は痛みを少なくさせます。積極的に摂取するようにしましょう。
ストレッチやヨガをする
筋肉がほぐれると血行が良くなるため、痛みを軽減させてくれます。簡単なストレッチですと、立ち姿勢で腰に手をあてて腰を回す運動が行いやすいです。
体を冷やさないようにする
ミニスカートなどの冷えやすい服装や締め付けのある服装は血行が悪くなるので控えましょう。
お風呂に浸かるとリラックス効果と共に血行を良くしてくれます。
睡眠をとる
生活リズムを整えることで女性ホルモンの分泌を正常にしてくれます。
まとめ
・生理は4週間を1サイクルとしている。不調が起こる週もある。
・生理痛は「ストレス」、「経血が流れにくいため」、「プロスタグランジンという物質」、「血行不良」の4つの原因によって起こる。
・痛みがひどいと病気の可能性がある。
・「普段の食べ物に気をつける」、「運動する」、「体を冷えないようにする」、「睡眠をとる」ことで痛みを軽減できる場合がある。
最近は「生理」についてニュースや本にもなったりしてオープンになってきて理解が広がっているように思います。「生理ちゃん」(小山健,KADOKAWA)という映画化もした漫画もあります。気になった方は読んでみてください!
痛みがひどいときは体を温めるといいと聞いたことはありますが、そんなに重要なこと?温めてどう効果があるの?と自分の中では軽く見ていました。今回「血行不良」と「プロスタグランジン」の物質が増えることによって痛みが引き起こされることがわかったので、今後体を温めるような行動をしていこうと思いました!お腹が痛くてつらい・・・と悩んでいる方も生活に取り入れてみてはいかがでしょうか!生活に支障が出るぐらい痛いという方は我慢せず産婦人科へ受診しましょう。