モンテッソーリってどんな教育？効果やメリット・デメリットを伝授！

モデルの杏さんの子供も受けている教育方法で話題になった「モンテッソーリ法」。なんとなく聞いたことある方も多いのではないでしょうか。

子育てするなら取り入れたほうがいいとしてメディアにも多く取り上げられ、現在注目の方法なのです。もともとは海外で有名になった教育法ですが、今後日本でも広まっていくだろうと考えられています。

主に0歳から我が子の教育について考えている方に注目のモンテッソーリ法。そんなモンテッソーリ教育とはなにか、どんなことをしてどんな効果があるのか詳しく解説・ご紹介していきたいと思います。

モンテッソーリ教育とは？

イタリアで初めての女性医師として知られたマリア・モンテッソーリ（1870〜1952年）が考案した教育方法で、モンテッソーリの他、モンテッソーリメゾットの通称もありますが、どちらもマリア・モンテッソーリが考案した教育方法です。

ローマの精神病院に勤めていたモンテッソーリは、知的障害児に感覚教育を試し知的水準を上げるという結果が出たことにより、子供の吸収力が上がる時期があることを知り「敏感期」と呼び、注目しました。

その後1907年イタリアに保育施設「子どもの家」を作り、適正な方法で子どものもっている能力を引き出すモンテッソーリ教育法を生み出すことに成功しました。

また、この教育法は世界で浸透し始め、日本でもその考えを引き継いだ幼稚園や保育園・スクールなども設立され、今注目の方法になっています。

目的

モンテッソーリ教育法の目的は「子どもの自立」です。この方法によって自発的な行動力・考える力・学ぶ力を持った人間になるように育てることを目的としています。

生まれたての赤ちゃんは誰も教えなくとも「泣く・声を出す・手足を動かす」ができ、成長するごとに自ら「立つ・歩く・話す」ことをしてきます。

これらは、自分には泣いて訴えることができる、声を出すことで気付いてもえる、歩くことや話すことができる、と自ら発見・判断し、成長している証拠なのです。

もともと子供には自己教育力があるため、親や周りの大人は強制的に教えるのではなく、見本ややり方を教えるのみでいいと考えられています。

特徴

モンテッソーリ教育法には3つの特徴があります。

個別活動

こども一人一人、苦手・得意・興味・趣味がなど様々な感情や個性があります。その感性などを大切にするのが特徴で、その為このモンテッソーリ法では個別活動が基本になっています。

ただ、集団生活をさせない、誰とも遊ばせない・話させないことをしているわけではないので、独りぼっちにさせることはありませんので安心してください。

あくまで「子どもが自主的に考え、行動しているか」を大切にしているのです。

自発性を重んじる

「子どもの自発性を重んじる」ことも大切にしていて、自ら「あれがしたい、これがしたい」と考え行動できるよう、周りの大人や先生はその考えや行動を疎かにしないように環境づくりにつとめています。

また「遊び」を「お仕事」と呼び変えていることもこのモンテッソーリの特徴といえます。

縦割りのクラスにするのが基本

基本的に、下の年齢の子は上の年齢の子の活動や行動を見て学び、上の年齢の子は下の年齢の子のお世話をしたり、下の子になにかを教えることで学べるようになっています。

幼稚園では3～5歳、保育園では0～2歳、3～5歳の異年齢クラスになるように分けられていることが多いようです。

モンテッソーリの内容

教育の自由化があまり進んでいない日本では、小学生からの義務教育にこのモンテッソーリ法を試すことが容易ではなく、乳幼児期の時期に取り入れることが多くみられますが、ヨーロッパやアメリカでは小学生から大学生まで取り入れていることが多くあります。

この方法では、0から3歳までを前期・3から6歳までを後期と分け、それぞれの発達時期・段階に現れる敏感期に合わせて学ぶ環境が準備されています。

また、各自の成長の中で敏感になりその環境から自分自身で考え、選び出し、熱心に取り組むことを敏感期といい、自己発達力の表れといえます。

0～3歳まで

0から3歳までの前期を「吸収する精神」と表し、生きていく中で最も吸収率が高く、また、生きている中で最も人間的に成長し、社会を学んでいく時期です。

その中で自己発達力を最大限に発揮できる環境として7つが準備されています。

粗大運動の活動

ここでの「運動」は体を動かす体育のことではなく、今後の日常生活を難なく生きていけるように必要な運動を身につけることを示します。

「歩く」「自分の思った通りにに動けるようにする」などといった自分の力で生きていけるように、例えば、ズリバイから歩行ができるようになるまでの運動の援助をするなど適切なか環境づくりを行っております。

微細運動の活動

指や手をたくさん使い「触る・握る・落とす・掴む・叩く」といった手全体の動きを通して微細運動を活性化させ、活動を促します。

日常生活の練習

粗大運動と微細運動を交えた活動を示します。子どもたちで共同生活を送らせることで、その環境への適応力を伸ばしていきます。

共同生活の他に、植物のお世話や、動物のお世話をする活動も含まれています。

感覚教育

言葉の発達とは、人間がもともと持った本能であり、子供の「話す・聞く」の敏感期に伴って自分の周りで行われている会話や親からの話ことばによって言葉を得ていきます。

よって、言葉の質や量はその子どものいる環境で左右され、幼い頃の会話の質や量により各子どもごとに言葉の量やスピードに差がついてきます。

モンテッソーリ法では、子ども一人一人の発達に合わせた環境を用意し、柔軟な対応ができるようになっています。

言語教育

子どもが言葉を覚えていくうえで、まず「物の名前」「表現の言葉」の順番で覚えていきます。その後に「物の性質を考え、表現をする」という流れになると考えられています。

言葉を覚えるためのバックアップとして、絵や文字が書いてある玩具を使用して、聞く・読む・話す・書く力を促していきます。

音楽

音を聞いて自然に体を動かしてみたり、音楽楽器などを鳴らし表現すことを楽しんだりし、聞く・鳴らす・歌う・踊る・などの感覚を発達させることをいいます。

美術

絵具や色鉛筆などを使用して、絵をかいたり視覚・考察・色彩など目や手の発達を促すと同時に、思ったままの表現が楽しくできるように環境を用意しています。

3～6歳まで

3から6歳までの後期を「意識の芽生え」とし、前期で得た感覚などを意識的に整理していく時期を示します。

日常生活の練習

前期の、大人の真似をしたがる時期に吸収したものを完成させる時期のことを示し「真似して得た物を自分のものにする」ことを考えています。

例えば、自分で歩く・自分の言葉で伝える・手伝いをする・自分で水をそそぐ・自分で着替えるなど「自立」を促すことをいいます。

感覚教育

人間は3歳を過ぎると感覚機能がほぼ完成し、音・味・匂いなどを区別できるようになります。この感覚の敏感期に意識して練習することを感覚教育と示します。

言語教育

前期で得た聞く・話すの完成形で、取得したのもに「書く・文字を組み合わせる」といった力が加わります。その大切な時期に適切な読み書きの力を促すのが言語教育です。

算数教育

数字の量や大きさに興味を持ち吸収する時期に、ただ計算ができるようになるだけでなく、なぜその答えになるのかといった「考え方」を取得することを大切にしています。

文化教育

上記で解説した言葉や数以外の子どもが興味をもった幅広い分野のことを文化教育といいます。小学生で習う、社会や理科に値する分野で、総合的教育ともいえます。

モンテッソーリのメリット・デメリット

モンテッソーリを受けるうえでのメリット・デメリットとは？実際の導入の参考にご紹介させていただきます。

メリット

・個性が伸ばせる：子どもの自発性を大切にしているため

・集中力がつく：興味を持った意識を監護者が最大限に引き出すため

・社会性が身につく：自由を基本とする環境なため、相手のことも理解してあげられるようになるため

・器用になれる：小さいうちから手や指を使う玩具での学習が多いため

・自発的に行動できる：自分で考え行動したことを監護者が妨げないため

デメリット

・協調性がかける：自立性を大切にしているため、共同生活が苦手になる子もいるため

・体力的な運動不足になりやすい：室内での学習が多いため

・活発な子には向かない：じっとしていられない・次から次へと興味がわき、一つのことに集中していられない子には不向きな傾向あり

モンテッソーリ教育を受けた有名人

・藤井聡太さん

・ラリー・ゲイツさん

・ビル・ゲイツさん

・バラク・オバマさん

・マーク・ザッカーバーグさん

・ピーター・ドラッガーさん

など

まとめ

いかがでしたでしょうか。これからモンテッソーリ教育を受けようと考えているご家庭はたくさんいると思います。この方法にはメリットもデメリットもありますが、デメリットの中にある「運動不足になりやすい」のは、家庭で外遊びをしたり、一緒に体操をすることで解消できると思います。

また、活発な子には向かないといっても、モンテッソーリ教育では必ず単独行動をさせるということはないので、一見デメリットに見えても、周りがフォローできることばかりです。

子どもの「自立」する力を促すためにも、家庭だけでなく、保育園・幼稚園などと一緒にその子一人一人に合った環境づくりをしていけたらいいと思います。