待望の妊娠は、とても喜びに満ち溢れます。しかし、その後に辛いつわりの症状が出ることもあります。つわりで気持ちが悪いときの電車通勤や仕事は、負担が重く軽減したいと思うのではないでしょうか?そこで今回は、つわりが辛い妊婦さんに向けて、仕事や通勤に関する対処法や制度などについて詳しく紹介します。
電車通勤中のつわりの対処法
つわりは個人差があり、つらい時間帯も様々です。朝が一番つらい方もいれば、夕方や就寝時の方などがいます。つらい時間帯に通勤時間が重なり、尚且つ満員電車での通勤は、妊婦さんにとってハードです。電車通勤中のつわりを和らげる方法について紹介します。
つわりとは何か?
つわりは、妊婦さんの半数以上の方に起きると言われています。つわりが始まるのは、妊娠初期3ヵ月から5ヵ月ごろです。胎盤が完成する妊娠中期に治まりますが、稀に出産直前まで続くこともあります。
主な症状は、吐き気や嘔吐などの消化器症状です。その他には、味覚の変化やイライラ感、においに敏感になること、疲れやすい、立ちくらみなどの症状もあります。吐き気等の気分不快は、空腹によるものやにおいなど個人差があります。
つわりの原因は、「妊娠による女性ホルモンの変化が影響している」と言われていますが、明らかにはなっていません。
気分不快の対策
空腹感で気分が悪くなる場合は、空腹を避けて乗車しましょう。朝は、通勤前に朝食を必ず摂取します。退社時または乗車前には、間食をして空腹を避けましょう。乗車中に気分が悪くなる場合は、強力なミントガムや酸っぱいグミなど酸味のあるものを摂取すると和らぐこともあります。
においの対策
電車の中は、化粧品関係、香水、シャンプー、整髪料、柔軟剤、新聞紙など乗車中の方々のありとあらゆる匂いが漂います。つわりの時期は、とても匂いに過敏になるので、気分が悪くなりやすいです。匂いの対策には、マスクを着用することで不快感を軽減させることができます。妊婦さんの体調管理も含め、風邪などの予防にもマスクの着用はお勧めです。マスクを着用していても匂いが気になる場合は、マスクの上からハンカチで覆いましょう。もしくは、ハンカチに自分の好きな香りを付けて、覆う方法もあります。アロマ系やお花の香りなど、色んな匂いを試すのも良いです。マスクの使用の上にハンカチを覆う、またはハンカチに香りを付けるなど、自分に合う方法を探しましょう。
通勤の工夫の仕方
妊娠初期は、体力も消耗しやすく疲れやすいです。通勤中の工夫をして、苦痛を軽減させましょう。いつもと違う車両に乗車することやルートや乗車の時刻を変更することで、座ることができることもあります。出来るだけ電車内は、座れるように様々な方法を試すのも大事です。途中下車をして、休憩しながら通勤するのも良いでしょう。「マタニティマーク」をかばんなどに身に付けておくと、妊婦さんと周囲の方々も気づき、席を譲ってもらえることもあります。また、優先席に座ることも可能です。もし利用できる場合は、女性専用車両も検討しましょう。
仕事中のつわりの乗りきり方
つわりの時期は、吐き気や味覚の変化などから、食欲が低下することもあります。つわりは一時的なものなので、食べられなくても赤ちゃんの発育には問題ないです。食べられる物を食べながら、普段も仕事中も過ごしましょう。つわりの症状があるときの仕事中の対処法について紹介します。
つわりによる気分不快
つわりによって、空腹時に吐き気が出ることがあります。逆に、空腹感がないときは、気分不快が出ないことが多いです。吐き気からトイレに何度も駆け込むことがあり、吐くと気分が落ち着くこともあります。上司や同僚につわりの症状を話し、仕事の合間に間食をすると吐き気が軽減します。つわりにより味覚の変化があるので、間食は自分の食べられるものを摂取しましょう。間食の例としては、チョコ、クッキー、グミ、果物、ラムネなどがあります。氷のような冷たい物を摂取すると気分が落ち着くことから、水筒に氷を持参している方もいます。間食だけでなく、好きな飲み物を飲むとつわりが楽になることもあります。また、常に何かを口にしていないと、気分が悪くなることもあります。その場合は、あめ、するめ、ガムなどを食べながら過ごしましょう。いずれにしても、自分に合った食べ物や飲み物を試してみつけましょう。
お昼の休憩時間を楽しみにする!
気分が悪いなか、仕事をするのは本当辛いです。午前中の仕事は、まずお昼の休憩時間まで乗り切る気持ちで取り組みましょう。つわりの期間は、食べられる物も限定されますが、「これなら食べられる」と思って過ごすのも良いです。ざるそば、果物、梅おにぎりなど自分が美味しいと思う食べ物を食べると気分が和らぎます。午後は、退社時間をめざして仕事を励むと乗りきれます。休憩時間は、ゆったりと休むことも意識しましょう。仮眠をすると、症状が軽減することもあります。食堂や会社内など、においがきつく感じる場合は、屋外などで過ごすのもおすすめです。ゆったり休めるところで、体も気分も休めましょう。
つわりでつらいときは、こんな制度もあります!
気分が悪いときの通勤や仕事は、つらいと思います。「通勤中の人混みを避けたい」「勤務時間を短縮など仕事の負担を軽減したい」と感じるのではないでしょうか?妊婦さんの仕事の負担を軽減させる法律として「男女雇用機会均等法」があります。(下記の文章とURL参照)会社(事業主)に、措置をするための準備をしましょう。
「男女雇用機会均等法」
「※参照:出展元 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000212706.pdf」
第13条
「事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない」
2「厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする」
妊娠によるつわりなどで体調が優れず仕事がつらいとき、まずは主治医に受診をして相談しましょう。主治医に自分の状況を話して「母性健康管理指導事項連絡カード」(下記のURL参照)に必要事項を記入してもらいます。そして、自分で「指導事項を守るための措置申請書」を記入して、会社(事業主)に提出します。会社(事業主)は、医師からの指示のもとに、妊婦さんへの勤務負担の軽減をします。措置の例としては、下記の事項が挙げられます。
(措置の内容例)
・始業時間及び終業時間に各々30~60分程度の時差を設ける
・フレックスタイム制度の適用
・1日30~60分程度の勤務時間短縮
・混雑の少ない経路への変更
・休憩時間の延長や回数を増やす
・休憩時間帯の変更
「母性健康管理指導事項連絡カード」
「参照:出展元 https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm」
このカードは、妊婦の状態を医師が記入し、会社に正確に伝えるために用います。医師からの指導を会社に伝え、会社は医師からの指導のもと勤務措置を行う必要があります。このカードをもとに、会社から妊娠に伴う苦痛の軽減をしてもらいましょう。
まとめ
つわりで辛い方に対して、仕事にまつわる対処や制度についてお話しました。辛いときは、無理をせずに職場と相談をしながら過ごしましょう。つわりは、あくまでも一時的なものです。辛くて苦しく感じるつわりですが、授かった大切な命の誕生に向けて乗り越えてください。