保育園や幼稚園を選ぶ時に親はいろんなことを考えますが、一番は子供がどう育ってくれるのかを考えて選ぶのだと思います。今よくある保育園の教育方針は、のびのび子供らしく外で泥んこになって駆け回ったりとワンパクに育てる教育と、小学生になる前にある程度の読み書きができたり、集団生活の基礎がきちんとできたりすることに重きを置いた教育をしている保育園とがあります。どちらがいいのか、いろんな情報があって選ぶのが大変ですが、子供達のためにベストな保育園が選べるといいですよね。
のびのび教育する保育園があればいい
のびのびVS教育、という保育園や幼稚園の図が出来上がってしまっていますが、どちらも大切であると思います。子供らしくのびのび育ってほしいですし、でもだからと言ってわがまま放題でいいわけでもありません。大きくなっていくにしたがって、親としては大変寂しい限りですが、大人っぽくなっていってもらわないといけません。教育と言っても算数や国語ではなく、今は英語やリトミック、プログラミングなどの次世代的な教育に熱心な保育園などもあります。親が納得して、子供が楽しく通えるのであれば、それがベストな保育園であると思いますし、心も育てながら教育もしっかりできる保育園であればなお素晴らしいことでしょう。
のびのびVS教育は生活態度にも違いが出る?
のびのび育つ園と、しっかり教育された園とでは、小学校に上がった時に生活態度に差が出るのではないかと心配な親御さんもいると思います。小学校1年生で、規律正しい子、というのはすごいのではないかと思ったりもしますが、椅子に座って先生のお話が聞けなかったり、授業中に立って歩いてしまったりなどするのではないかと心配なこともありますよね。大丈夫です、2年生になる頃には大抵の子はきちんと座ってお話が聞けます。これは生活習慣の差ではありますが、規律に従う経験が遅くなったからと言って将来的なスパンで考えると全く問題がないと言えると思います。
教育熱心な保育園の利点
教育熱心な園は、子供達に親がさせてあげることがなかなか難しいことを経験させてくれます。英語はネイティブの先生を呼んで授業をしたり、そろばんをさせたり、プログラミングの基礎などを教えてくれたりします。小学生の先通りのようなお勉強もしてくれるので、塾のような感覚かもしれません。子供達は小学生になった時に復習する形になって理解が深まるかもしれませんね。文字が書けたりすることは意思疎通にとても役立ちます。我が子が小さい時にくれたお手紙などは親にとっては宝物ですよね。自分のことを自分でできるようになったり、お世話をする大人がどんどん楽になることも利点であると思います。
早期教育の必要性
早期教育についてはメリットと考えられることが多く、就学前の教育に力を入れているママさんたちは教育系の園の方が合っていると言えます。将来のことを見据えて、いろんな経験をさせて子供達の可能性を見出し、ポテンシャルを引きだすには早い方がいいのかもしれません。スポーツの分野でも、活躍する選手の低年齢化が進んでいます。小さいうちから始めることで携わる年数も増えて小さいながらもたくさんの知識や技術を身につけることができます。
ただ、伸びる力というのはタイミングも大いに関係してきます。子供達自身が興味を持って取り組み、楽しみながら続けることが一番の力になります。そこが上手に噛み合った時、天才や神童と呼ばれる子が出てくるのではないかと思います。
のびのび育てる保育園の利点
のびのび育てるのは家庭でやれることなので、園に求めていないという親御さんもいます。ですが、園は他人との関わり方を学ぶところでもあります。我が子を最優先してくれる親とは違って、同世代の子や先生と、お互いに尊重しながらのびのび育つのは家庭では難しく、保育園のような状況で人間性や社会性を学ぶことになります。競争したり、大人から評価を受けることなく、子供同士の関係性を自分たちで作っていくことで自主性や創造力を育むことができます。
保育園でのびのび育つことで伸びる能力
泥んこになっても気にせずに遊びに一生懸命になったり、体をいっぱい使って毎日体力0になるまで園で遊ぶ子供たちは心身ともに健康そのものですし、体も心も成長することができます。子供同士でおもちゃを取り合ったりもするでしょうし、横入りをしたりされたりもするでしょう。そこで社会性や自制心も身につきます。現代の大人に求められている力を養うきっかけにもなると思います。
今社会に出始めたゆとり世代の大人たちは指示待ち人間と揶揄されたりしています。人に言われなければ何をしたらいいかわからない、クリエイティブな自分でなければいけない重圧に普通の自分が耐えられない、などと感じていたりします。親の言うことをよく聞き、受験も難なくクリアし、大人が好む模範解答に沿って育ってきたのに、大学や社会にでた途端、急に自主性を求められたり発想力や爆発力を求められて困惑してしまったりするそうです。
これからの未来はAIができる仕事は、なくなっていくと言われています。そのことから、これからの子供達には人間力が必要であると言われています。算数やひらがななどを理解する力は認知能力と言われ教育によって養われますが、人間力は非認知能力の方であり、のびのび育てることは人間力と言われる非認知能力を養えるのではないかと考えられています。
コミュニケーションを取れる力
自分の気持ちを伝える、相手の気持ちを理解することを、人間は言葉を介して行います。言葉をたくさん知っていることではなく、言葉をどう伝えるのかが大切であったりします。これは、たくさんの人とお話をすることや、普段からよく気持ちの交換をしていく経験も必要です。小さい時からたくさんの人と関わることのできる集団生活で、おもちゃをとったとられた、足を踏んだ踏まない、ごめんなさいやありがとうを通じて、心地よい環境を作る言葉やそうではない言葉、空気、コミュニケーションを学んでいけます。
自主性や発想力
子供達はいろんな遊びを発明する天才です。ティッシュ1枚でも新しい遊びを考えつくことができます。汚れるから、怪我をするから、などの理由で大人が先回りしていくことはその芽をどんどん摘んでいってしまいます。極端に失敗を怖がる失敗アレルギーも自主性や発想力を阻害してしまいます。見守りつつも子供達の意見を尊重してくれる保育園であれば、おもちゃが何もなくても子供達はずっと大笑いして楽しんで育っていき、自由な発想となんでもトライする姿勢でいられると思います。
回復力や自己肯定感
心を育てるのはとても重要で、近年は心の病気で人と関わることができなくなっていく大人が増えています。失敗アレルギーもそうですが、心のあり方にも癖があります。結局自分は大丈夫と思える、落ち込んでもすぐ立ち直る力があれば、失敗を失敗とも思わずにうまくいくまで頑張ることができ、結局は成功する、うまくいくまでの過程も楽しんでいけるのだと思います。心の癖は小さい時から培っていくものです。保育園時代をのびのびと、愛されている、生きることは楽しいと思いながら育っていければ、落ち込みづらく、自己肯定感を高く保つ心の基盤ができるのだと思います。
のびのびよりも教育よりも保育園選びに大切なこと
家庭をベースにしながら、園と一緒に親の手の届かないところをフォローしてもらいながら子供達を育てていきます。保育園を選ぶ基準としてのびのび育てるのも、教育重視で育てることも、どちらも子供を思ってこそなので素晴らしいことだと思います。
でも一番大切なのは、現場で働いている保育士さんも、我が子を大切に思ってくれるような保育園かどうかだと思います。のびのび育てることで伸ばせると考えられている能力も、前提として子供達を大切に思う気持ちがあってこそです。保育士さんものびのびと働いているような保育園が、子供達の教育にもいい影響を与えていくのだと思います。