賢い親の伝え方!保育士にモンスターペアレントと思われない方法5選

子育て・育児

保育園や保育士に対して、小さな不満や疑問をもつパパ・ママは少なくないはず。

でも「“モンスターペアレント”と思われたらどうしよう」となかなか声を挙げづらいという雰囲気もあると思います。実際に保育士の50%以上が「モンスターペアレントに出会った経験がある」といつデータもあるほどです。

子どもたちのことを思って伝えた意見であっても保育園や保育士にクレーマーやモンスターペアレントだと思われるのは嫌ですよね。それでも、どうにかして伝えないとモヤモヤする…。

そこで、今回は現役保育士である私が「保育士にモンスターペアレントと思われない意見の伝え方」についてお伝えしたいと思います!

賢くスマートに意見を伝えながらもモンスターペアレントと思われない伝え方が出来る保護者と、単なるクレーマー・モンスターペアレントだと思われてしまう伝え方の違いはどこにあるのでしょうか?

モンスターペアレントとは?

電話で怒っている女性

ドラマなどにもなった“モンスターペアレント”。略して“モンペ”といわれるほど、社会的にも一般的な言葉として定着しました。あなたは「学校や保育園・幼稚園に意見をする人、全員がモンスターペアレント」だと誤解していませんか?モンスターペアレントにならないためにも、一度、モンスターペアレントの定義やタイプについて整理しておきましょう。

モンスターペアレントの定義

モンスターペアレントとは「保育園や幼稚園なども含めて、学校に対して、自己中心的で理不尽な要求を繰り返す親のこと」とされています。様々なタイプがあるとされていますが、ポイントとしては”理不尽””自己中心的”な意見・要求であることです。

保育園や幼稚園などの学校に意見を伝えたいと思ったときはその意見が

  • 自己中心的な意見ではないか
  • 理不尽な意見ではないか

この2点を客観的に捉え、考えることがモンスターペアレントと思われないための大前提となります。

タイプ①自分の子どものことしか考えていないタイプ

いわゆる、自己中心的な要求をしているタイプのモンスターペアレントです。自己中心的な性格の保護者は、子どものことを自分の所有物であるかのように考える傾向にあり、自分の子どもに対し過保護だったり、過干渉になることが多いです。

そのため、集団生活の場である保育園でも、自分の子ども中心に考えてしまい、「うちが良ければ全て良い」といったような要求を繰り返してしまいます。

自分の子どもが可愛いあまり「劇では主役をさせてあげてほしい」「お友だちとのケンカでうちの子が悪いわけない!」「保育園で怪我をしたなんて!言語道断!」などの思いが抑えられないタイプとも言えると思います。

他にも「家庭の旅行の予定と行事の日程が被っているから、行事の日程を変えてほしい」、「○○ちゃんとは別のクラスにしてほしい」など、自己中心的な要求もみられます。

これらの意見の根底には”我が子のために”という気持ちがあるため、保育士としても『気持ちはわかるのですが…』と受け止め方が難しい要求でもあります。また、はじめは”我が子のため”を思った理不尽ではない真っ当な意見を言っていた保護者が意見・要望を繰り返すうちに、だんだんと理不尽な意見を言うようになってしまうケースもあります。

また、過激なモンスターペアレントの場合、子どもを自分の思い通りにしたいという気持ちが先行して、子ども自身はやりたいと思っていないのに「この子の将来のためには、これをさせてください」という要求までエスカレートしてしまう場合もあります。保護者としてはすべては”我が子のため”なので、自分が理不尽なことを言っているとは気が付いていないのです。

タイプ②全て思い通りにしたいタイプ

集団生活を行なう保育園・幼稚園では、集団生活の中でも子どもたちひとりひとりと向き合えるよう、ある程度のルールが設けられていますよね。このタイプはそのルールを無視し、単なるワガママで全てを思い通りにしようとします。

よくあるパターンは「忙しいから子どもに熱があっても連絡しないで」「担任の先生が気に食わないから辞めさせろ」などの要求。保育士の小さなミスなどにも逐一揚げ足取りをして、難癖をつけるような保護者もいますよ。

保育士としても、必ずしも”我が子のためではない”意見であるため、共感しづらく対応に困ってしまいます。単なるワガママを意見として要求してしまう保護者も中にはいるのです。このタイプはすぐにモンスターペアレントと思われてしまうでしょう。

タイプ③保育園・保育士に依存的になってしまうタイプ

このタイプの保護者は、本来は家庭ですべきことを保育園でしてもらえるように要求してくるものです。

よくあるのが「朝、早起きができないので保育園で朝食を食べさせてくれませんか?」「仕事で忙しくて子どものしつけができないので、保育園でよくしつけてください」「保育園で洗濯をしてください」などの要求です。

お仕事が忙しくて満足に子どもとの時間が取れないパパ・ママももちろんいらっしゃると思いますが、どんなに頑張っても保育士は保護者のかわりにはなれません。

忙しいなかでも精一杯子どもに向き合っている、その姿をみせることが子育てではとても大切。

4、5歳になる頃には「今日はお母さん、夜勤だよね」「パパは出張にいく日」なども分かるようになって、自分でできることは自分でやろうとします。その根底には「お仕事が大変なのにいつも頑張ってご飯を作ってくれる、自分のお世話をしてくれている」という感謝の気持ちがあるはず。そのことに気が付かず「忙しいから」と本来すべきことを保育園・幼稚園に要求しようとしていませんか?

賢い親の伝え方!保育士にモンスターペアレントと思われない方法

疑問に思っている女性

モンスターペアレントと思われたくはないけれど「どうしても納得がいかない」「この先生の対応の仕方ってどうなんだろう?」「子どもが保育園で嫌なことがあったと言っている…!」など、どうしても話をしておきたいという時もありますよね。また、実際に保育園側に問題があることだってもちろんあります。

賢い親として意見をしっかり汲み取ってもらえるよう、意見・要望を伝える時に気を付けるべき点・コツをご紹介していきます。

伝え方①威圧的・感情的にならないように!ポイントを絞って!

保育士だって人間。意見の内容が至極真っ当なものであっても”威圧的”な雰囲気で伝えられると怖いという思いが先行してしまい、モンスターペアレントだと思われてしまうかもしれません。

また、伝えたいこと・改善してほしいポイント自体は真っ当なことであっても感情的な態度で話を進めてしまうと、本当に伝えたいことが伝わらず「いろいろと感情に任せて文句を言ってくる保護者」として見られてしまう可能性もあります。話しているうちに論点がずれていってしまう可能性もありますよね。

積もり積もった不満等があるかもしれませんが「絶対に伝えたい」ポイントだけに絞って、淡々と伝える方が効果的です。保育園側にも確実に真っ当な意見として取り入れてもらえます。

伝え方②「教えてもらえますか?」と疑問形から入る

威圧的、感情的にならないための対策として「このような話を子どもから聞いたのですが、何があったか教えてくれますか?」と疑問形で会話を始めることがとても効果的です。

もちろん、保育士側に問題がある場合もありますが、このように状況の説明を求めることで「冷静に話をしようとしてくれている保護者だ」という印象を与えることができます。また、状況を説明してもらうことで、子どもから聞いていた話とは、少し違った印象を受ける可能性も大いにあります。

子どもから話を聞いたときには「そんなことありえない!!意見してやる!!」という気持ちだったとしても、「教えてもらえますか?」という一言で状況の説明から入ることで自分自身も冷静になれると思います。また、保育士と保護者の認識もすり合わせることができますよね。

その上で「やっぱりこの点はどうかと思う」ということは、しっかりと伝えましょう。保育園には意見をしっかりと受け止め、改善する義務があります。今後、同じことが起こらないように保育園も対応してくれるはずです。

伝え方③状況の確認・事実の整理を忘れない

保育園・幼稚園の年長さんにもなると、日常的な会話は問題なく出来るようになりますよね。保護者や保育士も子どもの言っていることを信頼していると思います。

しかし、子どもにとって嫌だった経験や怒られた経験に至っては少し話が変わってくるのです。いたずらをして、きつく叱られただけであっても、パパ・ママに報告するときに「先生がひっぱったんだよ!」「○○ちゃんが先に叩いた!」と嘘の訴えをしてしまったり、話を盛ってしまうこともあります。これは、親の気を引きたかったり、単に正しい表現で状況を伝えることが発達的に難しいことであることが要因であると考えられます。

例えば「大きなぬいぐるみを買ってもらった」というエピソードでも実際にはお腹にすっぽりと収まるサイズのぬいぐるみなのに「こーんなに大きいんだよ!!」とあたかも自分の身体よりも大きいという風に表現してしまうことって子どもならばありますよね。喧嘩の経緯や保育士に叱られたことも同じように話を盛って伝えてしまう可能性もゼロではないのです。

賢い親の振る舞いとしては、子どもを信じてその気持ちを受け止めつつも、保育士から話を聞くなどして正しい状況を知り、整理することをはじめにしようとすることです。

伝え方④保育士に直接は言いづらいから行政に連絡…は絶対NG!

「園長先生にも担任の先生にも嫌われたくないから役所に連絡して間接的に伝えてもらおう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは絶対にNGです。

理由は二つあります。

まず一つ目は、保育園側に状況を確認していないため、事実とは異なる意見をしてしまう可能性があるためです。子どもの言っていることと事実は必ずしも同じではないことを頭に入れておきましょう。また、表面だけを取り上げて、その奥にある意図が伝わっていない場合もあります。事実と異なるクレームだと後々わかると恥ずかしいです…。まずは、保育園・幼稚園と話し合い、それでも改善されない場合に行政に連絡することを検討しましょう。

そして、二つ目は、匿名の意見として伝えても、ほとんどの場合がどの保護者からの意見なのか分かってしまうためです。行政に連絡した場合、速やかに保育園に行政から連絡が入ります。もちろん、行政側は匿名でそのクレーム内容を保育園・幼稚園に伝えるのですが…「明らかに、あの時の話だな…」「このようなトラブルはこのクラスでおきた出来事だ」など、保育士が詮索しなくともすぐに分かってしまうのです。保育園では問題があった場合、職員間で共有されます。また、毎日顔を合わせて挨拶しているうちに『あれ?なんだか様子が違うな?』と子どものこともパパ・ママの変化も分かるようになります。

直接、言いづらいという理由で行政に連絡してもあまりいいことはありません。むしろ「なんで、先に保育園に相談してくれなかったのだろう」「事実を違うクレームを言われた」と、保育士との信頼関係にヒビが入る可能性が大きいです。

伝え方⑤連絡帳に書いて伝えてみる

連絡帳を介して要望を伝えることは”冷静にポイントだけを伝える”という点においてとても効果的です。万が一、感情的になっていたとしても、一度書いた文章を読み直すことで「これはちょっと言い過ぎかな?」など内容を修正することもできますよね。

また直接だと緊張して上手く伝えられない人にとっても連絡帳で書くだけならば、かなりハードルが下がると思います。あまり大ごとにはしたくないけれど気を付けて欲しいということも連絡帳で伝えることが効果的です。

ただ各保育園によるかと思いますが、連絡帳で要望を書いた場合、お迎え時に「連絡帳読みました!このことなんですけど…」と保育士側から話かけてくることが多いと思います。保育士としても会話することで信頼関係を築きたいと考えていると思いますので、落ち着いて対応するようにしましょう。

お互いが気持ちよい伝え方ができるスマートなパパ・ママになろう!

笑っている4人家族

保育園や保育士に対して不満や疑問、要望が浮かんだ際、まずはこれらのモンスターペアレントによくある意見・要望に当てはまらないかチェックをしましょう!

  • 自己中心的(うちだけが良ければいい!)という要望ではないか?
  • 我が子のことを思うあまり自己中心的・理不尽な要求ではないか?
  • 自分の感情を優先するような理不尽な要望ではないか?
  • みんなのためにある保育園のルールを逸脱するものではないか?
  • 保育士の小さなミスの揚げ足取りではないか?
  • 全て思い通りにしようとしていないか?
  • 家庭ですべきことを保育園にさせようとしていないか?

また、保育園側に要望を伝える際はこれらのポイントを参考にしてもらえればモンスターペアレントとは思われないでしょう。

  1. ポイントを絞って(論点がずれないように)伝える
  2. 威圧的・感情的にならない
  3. 「教えてもらえますか?」など疑問形で会話を始める
  4. 状況の確認・事実の整理を忘れない
  5. 行政に直接連絡してクレームを入れるのは絶対NG!最終手段!
  6. 連絡帳に書いて要望を伝えてみる。

大前提として、保育士の仕事には保護者支援もふくまれますので保護者からの要望や相談を受けて、それを改善していく義務があります。ご紹介したポイントを踏まえてどうしても納得できないことは話し合う場面を設けるようにしましょう。保育園側も必ず対応してくれるはずですよ。

 

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この記事を書いた人
石原みりん

都内で現役保育士をしている保育系ライター。
脱OL後、半年間の独学で保育士国家資格試験を一発合格し保育の道へ。
「保育者の人格が子どもを育てる」をモットーに自分自身を磨きながら日々奮闘中。
0~2歳児乳児クラスを主に担当。資格勉強中は学童保育に勤務。
歌うこと、食べること、旅行、邦楽ロックが大好き!

mampapi(マムパピ)
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