保育園の送り迎えの際、園の畑や花壇で栽培されている野菜や花に目が留まることはありませんか?
子供自身が「保育園でトマトを育てた!」なんて報告をしてくれるご家庭もあるかもしれません。
保育園での園芸はどのような点で子供の教育になっているのでしょうか?
教育上のメリットや、保育園で育てやすい野菜を調べてみました。
ご家庭で子供と一緒に楽しめる園芸もご紹介していきますね。
保育園でもできる園芸とは?
一般的に園芸とは、以下のように解釈されています。
1.植物を育てること。または植物を育てる技術。一般的には植物を育て楽しむこと。
※引用:Wikipedia
きっとママやパパ自身も小さい頃、保育園で植物を育てる経験をした方がいらっしゃると思います。
私の息子も現在保育園に通っており、毎年ゴーヤやキュウリ、トマトなどを収穫して持って帰ってきます。普段は「ゴーヤは苦い」と言って食べない息子ですが、自分で育てたゴーヤは一味違うようで、頑張って食べています。
周囲の保育園を見てみても、花壇や園庭で野菜などを育てています。野菜では、キュウリ、ナス、プチトマトなどが多い印象。ひまわりやチューリップなどの花も華やかでいいですよね。
このように保育園では、野菜や花を育てる経験をさせる園が多いようです。
保育園児の役割とは?
では、栽培していく上で子供たちはどのような役割を担うことができるのでしょうか?
種まき
園芸のファーストステップは種まき。種をまくだけなら、1歳や2歳の子でも参加することができますね!
保育士がまく場所を指定して、子供が種を置いて土をかぶせればオッケー!3歳以上の幼児なら、自分でまく場所も考えることができると思います。幼い子の場合は、誤飲しないよう注意が必要です。
初めて植物の種に触れるという子も多いはず。種の色を観察したり、手触り、大きさを確認したりしながら種まきを楽しめるといいですね。ここで興味を持つことができれば、この先のお世話にも積極的に参加してくれるはずです。
水やり
水やりも子供たちが参加できるお世話ですね!水やりをしながら、植物の成長を見守っていきます。
曜日や時間などで当番制にする園もあります。
自分たちが食事や水分をとるのと同じように、植物にも水が必要で、水を与えることで大きくなるという学びにつながります。水やりをしながら、子供たちに周囲の雑草を抜いてもらうのもいいかもしれません。
収穫
育った野菜に触れられる絶好のタイミングです。
普段食べている野菜がどんな風にできているのか、実際に見られる貴重なチャンス。色や触った感触などゆっくりと観察してもらいましょう!手でもぎとれるものなら手で収穫。ハサミを使える子なら、ハサミで収穫体験もできますね。
毎日食べている野菜がどれだけ時間をかけて育ち、お世話が大変なのか身をもって体感できるのではないでしょうか。
園芸って子供の教育になるの?
育てて収穫して、とても楽しい体験だと思いますが、どのような面で教育につながるのでしょうか?
調べてみました。
命の大切さを知る大事な教育
種をまき、毎日水をあげ、成長を見守ることで、過程を知ることができます。
水やりを忘れると枯れてしまいます。自分たちが水やりを続けたおかげで、野菜が成長するという学びにつながります。「植物も生きている」ということに気付く大切な体験です。そして、命を大切にしなければいけないことも知るきっかけになりますね。
休むことなく世話する大切さの教育
水やりを忘れてしまうと、植物はすぐに葉の色が悪くなったり、全体的にしおれてしまったりします。お世話を忘れた時の衝撃は子供にとっても大きいはず。
植物を育てることで、毎日お世話するということの大切さ、継続の難しさを学ぶことができますね。
栄養の大切さの教育に
水や土が不足すると、植物は急に枯れてしまいます。土から根が見えていたら、必要に応じて土を増やしたり、肥料を与えたりしますね。そして、水やりは毎日必要です。植物は毎日栄養をとることが大切だと知ることができます。
子供たち自身にとっても、毎日食事から栄養をとることが大切だと気付くきっかけにもなりますね。
収穫物を保育園のみんなで喜ぶ
時間をかけて育ててきた植物の収穫の体験は、子供たちに達成感を与えてくれます。
一人だけの力ではなく、園児みんなで協力して育ててきた植物。友達と喜びを分かち合うことで、協調性も育まれます!こつこつと毎日お世話を続けてきたことの成果を体感できます。
この成功体験は自信にもつながり、子供の精神的な成長になります。
食に関心を持つ教育にも
子供にとっては、植物の栽培は遊びの中で取り組むことができる活動です。植物を栽培することで、普段自分が口にしている野菜はどうやってできているのか、どんなに手間がかかっているのかを知ることができます。
冒頭で紹介したように、私の息子も自分が育てた野菜は苦手なものでもちゃんと食べています。苦手な野菜にも興味を持つきっかけになっているのですね。このように食育にも大きなメリットになっています。
観察力の教育
栽培の過程で、芽が出たり、葉が増えたり、つぼみができたり、花が咲いたり。さまざまな段階を踏んで成長していきます。その都度子供たちは観察し、どんな変化があったのか知ろうとします。
「自分が水やりをしたからかな?」「いいお天気が続いたからかな?」「もうすぐ花が咲く気温かな?」などと考えるきっかけにもなりますね。
植物の変化を観察する力は、きっと人間関係にも役立つはず。人の表情やしぐさなどを観察し、自分はどういう行動をすればいいのか考えられるようになるのではないでしょうか。
保育園でも四季を知ることができる
成長を観察していく中で、四季を意識する場面がたくさん出てきます。
まずは種まき。夏野菜であるキュウリは、夏に収穫するためには春に種をまかなければなりません。
まず旬の季節を知り、そのためには種まきいつ行うのかも自然と考えられるようになりますね。成長を追っていくと、「そろそろ夏が来るな」「秋になったからもう収穫しなきゃ」などと、子供なりに察することもできます。
教育にもいい!保育園での園芸に向いている野菜って?
このように子供の精神面での成長に大きなメリットのある園芸。
ここからは保育園で多く育てられている野菜をご紹介します。
プランターなどで育てられる野菜もあるので、おうちでも参考にしてみてくださいね!
キュウリ
キュウリは成長が早く、比較的簡単に育てられる野菜です。種まきから収穫までは約2カ月。プランターでの栽培もOK!収穫回数も多く、子供たちも楽しんで収穫できるおすすめの野菜です。
ナス
種まきから収穫まで3~4カ月。種から育てるのは少し大変な種類なので、苗から育てるのがおすすめ。地域や品種で種まきや収穫の時期が異なるので、地域に合った品種を選ぶようにしましょう!一緒に育てる経験をすれば、ナスは苦手というお子さんも克服できるかも!
プチトマト
プランターでも育てやすいプチトマト。家庭で挑戦するのにぴったりです。緑のトマトが赤く色づく変化は子供も興味を持ちやすいのではないでしょうか。種まきから収穫まで2~3カ月です。
ピーマン
一気にたくさん収穫できるので、子供たちが楽しめる野菜。種まきから収穫までは3~4カ月。ピーマンが苦手なお子さんはぜひ育ててみてくださいね。
園芸は教育にいいことがいっぱい!
園芸の経験は、さまざまな教育につながることがわかりました。
子供たちは遊びながら自然と学ぶことができます。命の大切さや食育など、人の生涯にも関わる大きな学びです。
苦手な食べ物も克服するきっかけになるかもしれませんね。
家庭でも園芸に挑戦
保育園や幼稚園にまだ通っていないお子さんがいる家庭では、ベランダなどで挑戦してみてはいかがでしょうか?
プチトマトやキュウリなど育てやすい品種なら、きっと収穫まで体験できるはず!
お子さんと協力して、時間をかけて育てた野菜は、より一層おいしいですよ!