2020年新型コロナウィルスの流行で、一躍話題となったテレワーク。これを機に導入した企業も多いのではないでしょうか。また、自宅でテレワークができれば子育てをしながら仕事をすることができるのではないかと考えるお母さんも増えたのではないでしょうか。そこで今回は子育てとテレワークの両立について考えてみたいと思います。
テレワークとは
テレワークとは「tele=離れたところ」と「work=働く」を合わせた造語で、情報通信技術の活用によって時間や場所の制約を受けない柔軟な働き方のこと。
パソコンやスマートデバイスとインターネット環境があれば、どこにいても会社と同じように働くことができます。
政府は、2020年までに「テレワークを導入する企業を2012年度の3倍」「週1日以上、終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上とする」という目標を掲げてきましたが、2019年日本の企業の導入率は19.1%に留まっています。一方アメリカではおよそ90%、イギリスでは40%弱の企業がテレワークを導入しており、日本は欧米諸国に比べテレワークの導入が遅れているといえます。
子育て中の社員にテレワークを導入する企業側のメリット・デメリット
女性にとって子育ては大切なもの。子育ても仕事もがんばりたい現代ママにとって、テレワークは理想的な働き方や子育てを後押ししてくれるかもしれません。そのためには企業にテレワークを導入してもらう必要があります。ここではテレワークを導入する企業側のメリット・デメリットを見ていきます。
メリット
・労働力の確保と生産性の向上
子供の病気などで通常欠勤となる場合でも、テレワークで勤務時間が確保できるので業務への支障が減り、フォローする周りの負担も減ります。また子育てでフルタイム働けなかった人材や地方に住んでいる優秀な人材の採用も可能になり生産性も向上します。
・企業のイメージが上がる
テレワークを導入することで多様な働き方を許容してくれる会社という企業イメージの向上につながり、消費者や取引先との関係にもプラスに働きます。
・女性社員の離職率低下
出産に伴う女性の離職は女性社員の約半数。企業の労働力が低下するだけでなく新たに人材を採用するためのコスト増加にもつながります。テレワークを導入することで子育てをしながら仕事を続けられるようになり、出産前後のノウハウをもった女性社員の離職率を下げ、長く働いてもらうことができるようになります。
デメリット
・従業員の管理や評価がしづらい
勤務態度や勤務時間を直接確認することができないため成果物のみでの評価に陥りやすく、従業員が不満を抱く場合があります。
・セキュリティー環境の整備が必要
オフィス外での作業となるため、盗難や紛失、フリーWi-Fi利用による通信内容傍受、のぞき見など機密情報が漏洩する恐れがあります。そのためセキュリティー環境の整備が必要となります。
子育て中にテレワークで働く側のメリット・デメリット
子育て中の女性が仕事と子育てを両立させるには精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。テレワークを利用することでその負担を軽減することが期待されていますが、ここでは子育て中の女性がテレワークで働く際のメリット・デメリットについて見ていきたいと思います。
メリット
・通勤時間の短縮
今まで通勤に当てていた時間を子供の送り迎えの時間にすることで実働時間を短くすることなく働くことができます。
・子供の病気などに対応できる
オフィス勤務だと子供が病気になれば休まなくてはなりませんが、テレワークなら子供を看病しながら自宅で仕事をすることができます。
・子育て後にスムーズに職場復帰できる
長期間会社を休んでいると、業界や社内システムの変化についていけないケースが多々ありますが、子育て中もテレワークを続けることでキャリアロスを最小限に抑え、職場復帰した際もスムーズに働くことができます。
デメリット
・子供に時間をとられ仕事が進まない
子供が自宅にいる時間は子供のお世話もしなくてはならず、小さい子供の場合はトイレの付き添いやおむつ替え、おやつの用意や遊びなど手がかかることがたくさんあり、思うように仕事ができません。子供が保育園や幼稚園に行っている間に集中して仕事をするなど工夫が必要です。
・自分で時間管理を行う必要がある
子供がいる自宅ではスケジュール通りに業務を進めるのは難しくストレスになることも。
また仕事とプライベートの切り替えが難しいのも事実です。オフィスと自宅といった明確な区切りがないため、自分で工夫して意識的に切り替えを行う必要があります。
・コミュニケーション不足に陥る可能性
直接顔を合わせてコミュニケーションをする機会がほとんどないので孤独感や疎外感を感じてしまうこともあるようです。社員間のコミュニケーションが取れるようEメールや情報共有ツール、ビデオ会議を利用するなどの工夫が必要です。
・正当な評価がされない可能性
テレワークに対する人事評価制度が整っていない場合、成果物だけで評価されてしまい業務に対して正当な評価がされない場合があります。
子育て世代にとってテレワークは効率が悪い?
子供がいても在宅ワークなら自由にできそう、と思ってもそんなに簡単にはできません。家事や育児との境界線があいまいで仕事をしながら子供のお世話をし、また仕事に戻るを繰り返すことになり仕事の効率は下がりがちになります。やらなければいけない仕事と家事が思うようにできずイライラしてしまうことも。
子供たちが家にいる時間は子供たちもかまってほしくてどうしても手がかかるので、保育園や幼稚園、学校に行っている間や子供たちが寝ている間に集中して仕事をしましょう。「ながら」でもできる作業は子供が集中して遊びだしたとき(動画やお絵描き等)にするなど時間を上手く使う工夫が必要です。家事は家族に協力してもらうことで、効率よくテレワークをすることができると思います。
子供がいるときは子供との時間を優先する!と決めることで、子供も穏やかでいられ、自分も気持ちに余裕をもって子供に接することができると思います。
夫婦の協力が必要
子供がいるときは子供との時間を優先する!と決めても仕事の期限が決められていて、どうしてもやらなければいけない時もでてきます。そんな時こそ旦那様の出番です。
在宅ワークをしていると、オフィスワークをしている場合と違ってあまり積極的に家事や育児をしてもらえないこともあります。しかし、自宅で行っていても仕事をしていることに違いはありません。期限は守らなくてはならないのです。夕食の準備をしてもらったり、食器を洗ってもらえればその時間は仕事をすることに集中できます。
旦那様にも応援してもらえるよう、日頃から仕事の内容や業務にかける情熱を伝えるようにしておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
子育てをしながらのテレワークにはメリットもある半面、実際には色々と難しい点も多いですね。家事に仕事に子育て、全てを完璧にこなそうとすると、精神的にも肉体的にもつらくなってしまいます。仕事と子育てを優先し、家事は最低限できていれば大丈夫くらいの心持ちで心と時間に余裕をもちましょう。
ストレスを溜めてしまうと自分も子供もしんどくなり家庭の雰囲気も悪くなってしまいます。仕事の量を調節したり、働く時間を工夫してみたり、たまには子供とさんぽしてみたり、旦那さんに協力してもらったり。テレワークをうまく活用すれば、働きながら家族との時間も楽しむことができます。一人で頑張りすぎずに仕事と育児、どちらも大切にしながら暮らせると良いですね。