高齢出産とは何歳から?気になる4つのリスクとメリットを解説!

妊娠・出産

高齢出産って?

女性の社会進出、キャリアアップが叫ばれる現代の女性は、晩婚化が進むとともに30代、40代で初産を経験したという人も珍しくありません。

そんな中気になるのは「高齢出産」というワード。そもそも高齢出産って何歳から?母体や胎児へのリスクが高いって本当?と不安に感じる人も多いでしょう。

こちらでは高齢出産の定義と現状について詳しく解説していきます。自分が該当するのか気になる人の疑問を解決する内容になっているので参考にしてください。

高齢出産の定義

日本産婦人科学会では35歳以上で初めて出産をする人を「高年齢初産婦」と定めていますので、この状態の方がいわゆる高齢出産に該当することとなります。一方で2人目以降の出産をする経産婦については具体的な年齢による定義はされていません

高齢出産の定義は時代と共に変化してきました。1991年までは30歳以上の初産婦を「高年齢初産婦」と定義づけていましたが、WHOをはじめとする諸外国で同様の定義であることと、30歳以上の初産婦が増えたことから、上記のような定義となりました。

高齢出産の現状

内閣府「平成30年版 少子化社会対策白書」によると、第一子を出産した女性の平均年齢は、平成7年時点では27.5歳だったのに対して、平成28年時点で30.7歳と報告されています。20年余りで平均年齢が3歳あがっており、このことから日本の晩産化が進んでいることがわかります。

※参照ːhttps://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2018/30pdfhonpen/pdf/s1-3.pdf

高齢出産の4つのリスク

「高齢出産にはリスクが多い」とは聞きますが、実際にどのようなリスクが考えられるのでしょう。こちらでは、高齢出産によって考えらえる「母体のリスク・分娩のリスク・胎児のリスク・育児と介護のダブルケアの可能性」の4つのリスクについて、原因や実態も含めて詳しくご紹介します。

母体のリスク

年齢に関係なく妊娠・出産にリスクはつきものですが、30代以上の妊婦の場合、30代未満での妊娠より母体にかかるリスクが高くなることが報告されています。

早産・流産のリスクが高くなる

高齢出産の場合、加齢による卵巣機能・子宮機能の低下が原因と考えられる妊娠初期の流産の割合が高くなると言われています。また、妊娠37週~41週6日までの正期産よりも前に赤ちゃんが産まれる、早産の割合が高くなるとも言われています。

妊娠合併症をひきおこすリスクが高くなる

高齢出産の場合、妊娠糖尿病、妊娠高血症候群を併発する可能性が高くなります。妊娠合併症は妊婦の健康状態だけでなく、胎児の健康にも影響を与える可能性があります。

年齢を重ねて血管にかかる負担が補えきれない状態になると、妊娠高血圧症候群になりやすく、糖分を代謝する機能が弱くなると妊娠糖尿病を発症することがあります。本来女性には妊娠しても身体を健康な状態に保つ力が備わっていますが、年齢を重ねるにつれこの力が弱くなることも原因の1つだと言われています。

分娩のリスク

35歳以上の妊婦は、30歳未満の妊婦に比べて「前置胎盤」が約2倍多いと言われています。前置胎盤とは、胎盤が子宮口を覆ってしまう状態です。出産の際に大量出血したり、胎児に酸素がいきわたらない状況もひきおこすことから、帝王切開分娩となります。

また、赤ちゃんの通り道である産道やその周りの血管が硬くなりがちで、陣痛が弱かったり、お産に時間がかかり難産になりやすいと言われています。

さらに、お産が近づくと子宮下部にある「子宮頸部(しきゅうけいぶ)」が少しずつ柔らかくなりますが、高齢出産の場合通常よりも柔らかくなるのに時間がかかる場合があります。出産までに時間がかかることで母体も胎児も多くの体力を消耗することになります

胎児のリスク

染色体異常の赤ちゃんが産まれる確率が高くなり、なかでも、新生児のダウン症の発症率が上がるとも言われています。ある調査によると、母親の年齢が25歳の場合1,351人に1人の割合で見られるのに対して、40歳では112人に1人と高い割合を示すことが報告されています。

これは加齢に伴う卵子の老化などによって、受精卵に染色体異常の状態が見られる可能性が高まることに関係しているとも言われています。しかしながら、ダウン症の新生児が産まれる直接的な原因は解明されていませんし、高齢出産でなくとも産まれる可能性はあります。

ダウン症は、21番目の染色体異常が原因の障害で、知的障がい、先天性の心疾患、消化器疾患、免疫系・内分泌系の不全など多くの症状を伴うことが報告されています。晩産化が進んでいる日本においては、先進国の中でもダウン症児の出産数が増加傾向にあるとの報告もあります。

介護と育児のダブルケアの可能性も!?

高齢出産となると育児と親の介護を同時に行う「ダブルケア」の状態になる可能性もあります。2016年に内閣府が発表した「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」によると、わが国でダブルケアを行っている人は約25万人との報告がされています。

この調査における「育児の対象」とは未就学児であり、小学生あるいは中学生まで含めればこの数字よりも多くなることが予想できます。

さらにダブルケアを行う者の年齢構成を見ると、男女ともに平均年齢は40歳前後、年代として最も多いのは30~40歳です。このデータからも高齢出産の場合、子どもが義務教育を修了する前に親の介護と同時進行している人の割合が多いことがわかります。

介護と育児のダブルケアは、身体的・精神的な負担ばかりでなく経済的な負担も重くなります。ダブルケアの負担から、仕事との両立が難しくなって離職を余儀なくされたというケースも多く、世帯収入が下がった、あるいは家計の負担が増えたという実態も報告されています。

「今は心配ないけれど、近い将来ダブルケアの心配がある」という人も多く、誰にとっても他人事ではない、社会問題ともいえる状況かもしれません。

※参照ːhttp://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/ikuji_point.pdf

高齢出産のリスクはふせげる?

ここまで高齢出産によって考えられるリスクについて説明してきましたが、これを防ぐためには何に気を付ければよいのでしょうか?こちらでは高齢出産のリスクをふせぐためのポイントを具体的にご紹介します。

生活習慣を見直す

妊娠中はつわりがあったり、身体が重く動きにくさを感じたりと様々な不調が生じやすいです。しかし、以下のことを気を付けて生活習慣を見直すことで、妊娠中のリスクを防ぐことができます。

バランスの良い食生活

妊娠中は栄養バランスのとれた食生活を意識しましょう。特に高齢出産の場合、塩分・糖分の摂りすぎは、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群をひきおこす原因にもなりかねます。さらに、肥満の状態でも同様の症状が出る恐れがありますので、体重管理にも気を配りましょう。

妊娠中は葉酸やビタミンDを積極的に摂るようにしましょう。葉酸は胎児の脳・神経管・心臓などの形成に役立つと言われ、ビタミンDは妊娠合併症などの予防に役立つと言われています。妊娠中は2人分食べればよいという単純なものではなく、ママにとっても赤ちゃんにとっても適量で良質な栄養を摂るよう心がけましょう。

規則正しい生活リズム

毎日同じ時間に起きて3食できるだけ同じ時間に摂り、同じ時間に寝るという規則正しい生活リズムを整えることが理想です。適度な運動で血行を促し、十分な睡眠で心も身体もゆっくりと休めるようにしましょう。

ストレスをためない

ストレスがたまると血行不良となり、赤ちゃんに十分な栄養が行かなくなる恐れがあります。また、妊娠中は思ったように身体が動かすことができないので、強いストレスを感じる人もいるでしょう。妊娠中の家事や仕事は他の人に任せられる部分はお願いし、できるだけゆったりとした気持ちで過ごせるように心がけましょう

マタニティヨガやウォーキングなどの適度な運動もおすすめです。趣味に没頭したり、リラックスすることができる音楽を聴くなどしてストレスをためないようにしましょう。

定期的に妊婦検診を受診しよう

高齢出産にはリスクが伴いますが、病院では無事に赤ちゃんをむかえることができるよう、サポートをしてくれます。定期的な妊婦検診によって、妊娠合併症の早期発見にもつながるので、赤ちゃんとママの状態を診てもらうようにしましょう。

妊婦検診では不安なことは医師や看護師に相談し、指導があった場合には指示に従った生活を心がけるようにしましょう

高齢出産のメリット

高齢出産のリスクについてここまで紹介してきました。リスクばかり見ていると「30歳を過ぎたら子どもは諦めた方が良いの!?」と不安になる人もいるでしょう。しかし高齢出産には、若くして出産した人とは違ったメリットがありますので、ご紹介します。

精神的にゆとりがある

妊娠・出産はホルモンバランスが大きく乱れ、産後は昼夜問わず赤ちゃん中心の生活で寝不足の状態になり、心のバランスを崩しがちな人も多いです。さらに、育児は自分の思ったようにいかない場面が多く、不安や怒りの気持ちを抱えることも多くなります。

高齢出産の方は社会経験が豊富な人が多く、若い頃より多種多様な考えを柔軟に受け入れる事ができるようになっています。その中で赤ちゃん中心の生活を楽しんだり、精神的に余裕を持って育児に取り組むことができるという声が多いです。

さらに若いときに出産・子育てを経験した友人がいるので、情報収集がしやすいというメリットもあるようです。

経済的に余裕がある

年齢を重ねた女性の場合、ある程度キャリアを積んでから出産に臨むので、経済的に余裕のある人が多いでしょう。子育てには想像以上の体力を要しますし、体力的に辛さを感じることも多くなります。

しかし、経済面で余裕があるならばベビーシッターを雇う、子育てサービスを活用するといったように不足する体力を経済力で補うことができます

高齢出産後に気を付けること

高年齢での妊娠・出産での注意点を解説してきましたが、産後はどのようなことに気を付けたら良いのでしょう。妊娠・出産後のみならず、産後のママの身体を大切にすることは、充実した育児を行うためにも必要です。以下に、産後気を付けたい点をまとめましたので参考にしてください。

体力回復できる環境を整える

産後の女性の身体は、女性ホルモンのテストステロンがほぼゼロの状態となることで自律神経が乱れ、身体に様々な症状がでがちです。さらに年齢を重ねた女性の場合、産後の体力回復にも時間がかかります。40代でとなると、人によっては授乳を中止してから生理が回復せず、そのまま更年期に入るという人もいて複合的な原因で不調を抱えているという声もあります。

高齢出産の場合経済的にゆとりがある場合が多いので、子育てサービスやベビーシッターなどを積極的に利用して、身体を休める時間をとるよう心がけましょう。住んでいる自治体独自の育児サービスや保育所一時預かり、ファミリーサポートセンターなどで一時的に赤ちゃんを預かってもらい、ママの身体をリフレッシュさせることもおすすめです。

産後の女性の身体は様々なトラブルを抱えがちです。いろんな人の手を借りながら、上手に産後の身体と向き合っていくことは、ママだけでなく赤ちゃんにとっても良い影響があります。ママが笑顔でいられることが赤ちゃんの笑顔にもつながるのです。

便利な育児グッズを活用

子育て時期を支えてくれる便利な育児グッズを活用することもおすすめです。高齢出産の場合、すでに出産・育児を経験している友人がいると思いますので、事前情報を入手して自分の生活にあった育児グッズを取り入れていきましょう。

こちらでは、筆者が子育て中に便利だと思った育児グッズや、その選び方についてもご紹介します。「便利な育児グッズがたくさんあって何を選べばよいのかわからない!」と悩んでいる人は参考にしてください。

マザーズバッグは使い勝手の良さを重視

赤ちゃんとのおでかけに必須のマザーズバッグは、赤ちゃんのおむつや着替え、哺乳瓶、おやつ、ママ用品などをいれて育児中は大活躍!

パパと一緒に使えるユニセックスデザインの物、両手が空いて便利なリュックサックタイプや、中身が取り出しやすいトートバッグタイプまで種類豊富に売られています。

さらに、赤ちゃんのお出かけは思った以上に体力も気力も消耗するので、高齢出産のママにとってはストレスなく使いやすいマザーズバッグを選びたいですよね。

マザーズバック選びには、ママが赤ちゃんとの生活をイメージして選ぶのがポイント。徒歩や電車移動が多いならリュックサックタイプ、持ち歩く荷物が多くなりがちな人は軽くて丈夫なタイプ、手入れしやすさを重視するなら撥水・防水加工タイプといったように、生活スタイルや重視したいポイントを絞って選ぶのがおすすめです。

「妊娠中に気合を入れてマザーズバックを用意したものの、実際に赤ちゃんとの生活で使ってみると使いにくかったり、生活スタイルに合わなくてタンスの奥にねむったままのマザーズバックがたくさんある…」というのは新米ママあるあるです。

筆者自身は、出産直後はもともと持っていたリュックサックをマザーズバッグ代わりに使い、産後に生活スタイルや私自身の性格を考慮して「撥水・防水加工の肩がけタイプ」を購入しました。産後に用意しても問題ないという経験談もありますので、参考にしてください。

オーガニック洗濯洗剤なら家族みんなの洗濯に使える

赤ちゃんの肌はとても敏感なので、新生児時期には赤ちゃんの洗濯物は家族とは別に新生児用の洗濯洗剤で洗っているという人も多いでしょう。「デリケートな赤ちゃんの肌を守りたいけれど、洗濯物を分けるのはめんどう…」と感じる人も多いですよね。

そこで肌に優しいオーガニック洗濯洗剤を活用すれば、家族一緒に洗濯をすることができてとても便利です!洗濯物を回す回数が減った分、ママの身体も休めることができて一石二鳥!なにかと忙しい育児中のお洗濯には、オーガニック洗濯洗剤の活用もおすすめです。

高齢出産にはメリットとリスクがあることを知っておこう!

高齢出産と聞くとリスクが高いという情報ばかり目につきがちですが、年齢が高いゆえのメリットもあることがわかりました。女性にとっても男性にとっても結婚、出産、育児をいつするかという問題はご自身のタイミングがあるものです。

高齢出産のメリットとリスクに関する正しい情報を得たうえで、ライフプランについて考えることがおすすめです。

 

マムパピのインスタグラムについて

mampapi-マムパピでは、2児の娘を持つママさんがインスタグラムにて、子育てママのお話を受け付けております。

妊娠・子育て中のお悩みや、育児のアドバイスなどDMやコメントで気軽にお話ししましょう♩

妊娠・出産
ABOUT THE AUTHOR
この記事を書いた人
あやぱん

ちょっぴりわがままな長女と、とってもマイペースな次女を持つママライター。
都内で美容師を経験し、今は現役専業主婦でまだまだ忙しい子育て・家事に追われてます!
至福のひと時は、落ち着いたときに食べるコーヒーと飴ちゃん(笑)
子育ての経験を活かし、皆様に役立つ情報をお届けします☆

あやぱんをフォローする
mampapi(マムパピ)
トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました