「生理が来ない。生理が遅れているだけ?それとも妊娠かしら?」そんな時、妊娠検査薬をいつ頃試すべきなのか悩みます。妊娠を疑う方に向けて、検査薬を使用する適切な時期や使い方、注意点などについて説明していきます。少しでも不安が解消され、参考にして頂けたら幸いです。
妊娠検査薬の仕組みとは
受精卵が着床すると、ヒト絨毛性腺刺激ホルモン(hCG)が体内で産生します。このホルモンは、尿の中にも含んでいます。
尿の中に含まれるhCGの有無を調べ、妊娠している可能性を見抜きます。
簡潔で尚且つ精度が高く、99%の確率で証明されています。
hCGが陽性に反応をする基準値は「50mlU/mL」が通常です。
妊娠検査薬の使い方について
初めて使用する場合、購入先に疑問を感じると思います。薬局やドラッグストア、インターネットなどで購入可能です。
パッケージや取扱説明書に使い方が記載されていますが、製品によって多少ですが相違点があります。一般的な使用方法について、順番に説明していきます。
検査薬と排尿
検体キットはスティックタイプが多く、プラスチック製で棒状の形態です。先端に尿を吸収する部分があり、その部分に尿をかける、もしくは尿をつけることがあります。排尿して検査をする時間帯はいつでも可能ですが、早朝尿は濃度が濃いので結果が出やすいです。採尿してから時間が経過しすぎると、細菌が繁殖します。採尿後は、すぐに実施をしましょう。
製品によって尿をかける時間が違うので、必ず取扱説明書に従って使用しましょう。
水平に置いて判定を待つ
検体キットを水平に置き、判定結果が出るのを待ちます。結果は、1~3分程度で分かることが一般的です。このとき傾いて置いてしまうと、正しい判定が得られないこともあります。実施をする前に、置く場所を決めてから開始しましょう。 終了時は「判定終了」と表示されます。
判定結果を確認する
通常は「判定」の窓に縦線が入ると陽性なので、妊娠の可能性があります。しかし、判定の窓に線が見られない場合は、陰性なので妊娠の可能性が低くなります。判定結果の表示は、製品によって多少の違いがあるので、事前に取扱説明書で確認しましょう。「終了」の窓に線が入らないと、手順などに不備があることが考えられます。別の検体キットで再試行してみましょう。
あらかじめ、検体キットが2つ入っている製品を購入し、再実施に備えることが良いと思います。
妊娠検査薬を使用する目安の時期について
検査薬を使用する時期によっては、陰性反応が出る場合もあります。検体キットを実施するタイミングは、大事です。「生理周期が確立している場合」と「生理不順もしくは前の生理日が不明な場合」に分けて、検査薬を使用する適正な時期についてお話します。
生理周期が確立している場合
次の生理予定日は、妊娠4週になります。この時期から尿中にhCGが産生し始めますが、分泌量が少なくて判定結果が陰性になることもあります。次の生理が来る予定日から、1~2週間もしくは10日程度を過ぎた頃に実施をするのが好ましい時期です。この時期はhCGの分泌量が増え始めるため、判定がしやすいです。製品の種類によっては、時期が異なることもあるので、取扱説明書を確認してから使用しましょう。
生理不順があるもしくは前の生理日が不明な場合
生理不順もしくは前の生理日が不明な場合は、次の生理予定日が分からず、検査薬を使用する目安の時期が不明なので不安です。生理の周期は、排卵日から2週間後が生理の予定日になります。生理不順の方でも、この期間は一定の期間となり、生理から排卵日までの期間が定まっていません。そのため、妊娠が成立するには、排卵日の頃に性行為が必須です。性行為を行った日から3~4週間後は、受精卵が着床した場合hCGの分泌が出始めます。この時期が検査を行う適正の期間となります。あくまでも、目安の時期として参照して頂きたいです。
妊娠検査薬の注意すべき点について
検査薬を使用するうえでの注意点や疑問点、そして妊娠を疑った場合について、項目ごとに説明していきます。
妊娠検査薬の保管場所や使用期限について
保管場所は、気温の高い・低いところは避けて保管しましょう。使用期限が過ぎた製品も、正確に結果が出ないことがあるので使用しないで下さい。使用期限は、メーカーを問わず3年程度です。保管方法の不適切な製品は、反応しにくい場合があるので使用は避けましょう。
結果の判定線が薄く表示された場合
判定する縦線が薄く出ると「陰性反応なのでは?」と不安になるという声を聞きます。判定線は、hCGの濃度によって線の濃さも反映されます。水分を過剰に摂取すると、hCGの濃度が薄くなることがあります。判定線は、濃くても薄くても陽性反応を示します。
早期妊娠検査薬について
早期妊娠検査薬は、生理予定日の1週間前から検査可能です。生理予定日の3~4日前が最も反応しやすいと言われています。一般の妊娠検査薬よりもhCGに対する精度が高く察知しやすい特徴があります。通常の検査薬と取り扱い方は同様です。注意点として、早期妊娠検査薬は「医療用体外診断用医薬品」なので、薬剤師のいる薬局のみ購入可能です。事前に取扱いがあるか問い合わせてから購入することをおススメします。
陽性判定後、医療機関を受診しましょう。
陽性判定の結果は、妊娠が確実と言われています。医師からの診察や超音波検査等で確定診断が出るため、検体キットの陽性判定で妊娠の思い込みはしないで下さい。陽性判定後は、必ず医療機関を受診して正しい診断を受けましょう。
妊娠以外で判定結果が陽性になる場合
判定結果が陽性になるケースについて紹介します。「閉経期」「絨毛上皮腫、卵巣がん、子宮頸がん」「性腺刺激ホルモン剤の投与」「高血糖、蛋白尿、血尿などの尿の異常」これら4つの原因が挙げられます。これらが原因で陽性反応を示すのは、極わずかなケースです。
陽性反応後に生理がきた場合について
残念ながら、陽性判定後に生理がくることもあります。一度は受精卵が着床するも、胎嚢が確認できる前に流産することもあります。(これを化学流産とも言います)そして、自然と生理がきます。着床したことで、hCGの分泌がされるため判定結果は陽性となります。このようなケースもあるため、生理予定日頃に検体キットを実施するのは早いので好ましい時期とは言えません。
検査判定が陰性から陽性になる場合
生理予定日から1週間後、検体キットを試すも陰性の場合があります。妊娠初期は、hCGの分泌が少ないため、正確な結果が出ません。そのときは、10日後に実施をおススメします。
その他
「生理予定日を過ぎても生理がこない」そして「検体キットを2回実施しても陰性反応」など、生理が来なくて不安な場合は、医療機関の受診をおススメします。医師からの診察を受け、生理が来てない原因を診てもらいましょう。検査薬は、あくまでも妊娠の指標のひとつであることを意識してください。
まとめ
妊娠を疑った場合、検査薬を使用するおおよその時期や仕組み、使い方、注意点などについて解説しました。検体キットは、適切な時期に取扱説明書に記載されている内容に沿って、実施しましょう。検体キットは、あくまでも妊娠の目安を知るための手段です。確定診断を受けるには、必ず医療機関を受診しましょう。