妊娠中は暑くなる?妊婦さんが暑いと感じる原因と対策

妊娠・出産

妊婦さんの身体には10か月の間に様々な変化が起こります。

特に、多くの妊婦さんは妊娠前よりも「暑さを感じやすくなった」「暑がりになった」と感じているようです。

この記事では、暑いと感じる原因と対策をご紹介します。

なぜ妊娠中は暑いと感じやすくなるの?

なぜ妊婦さんは暑いと感じやすくなるのでしょうか?

妊娠中の変化には女性ホルモンが大きく関わっているのですが、その変化は見た目だけではなく体温や感じ方にまで現れます。

高温期が続く(妊娠初期)

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化によって通常時よりも体温が高い状態が続くため暑さを感じやすいです。

妊娠していない場合でも、女性の身体はホルモンの働きによって高温期と低温期を行ったり来たりします。一般的には月経~排卵までの14日間は低温期、排卵後~次の月経までの14日間が高温期になると言われています。

妊娠すると、月経~排卵期にあたる低温期が訪れず、排卵後の高温期が1ヶ月を超えて続きます。体温を上昇させる黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が減少しなくなるためです。

体温が平均して36.7度以上となり、微熱のような症状を感じる人もいます。

この妊娠初期の黄体ホルモン(プロゲステロン)による高温期は、胎盤が完成する妊娠14週(4ヶ月)ごろまで続きます。

自律神経が乱れる

安定期を過ぎて高温期が終わっても、暑いと感じる頻度はあまり変わらないという人もいます。(感じ方には個人差があります)

なぜかというと、妊娠中はホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れやすくなっているからです。

女性ホルモンは、体温を調節する役割のある自律神経とも密接な繋がりがあります。

自律神経とは、全身の内蔵の働きをコントロールする神経系です。体の機能を活発に動かす交感神経と、リラックスさせ体を休める副交感神経の2種類で構成されています。通常私たちの意思に関わらず、昼間は交感神経が優位に働き、夜は副交感神経が優位に働くように常にバランスを取り続けています。自律神経のバランスが乱れると、体温調節機能にも異常をきたします。

自律神経を制御するのは脳の視床下部という部分なのですが、この視床下部は女性ホルモンの分泌のコントロールも担っています。そのため、妊娠によって女性ホルモンのバランスが変化するとき、自律神経にも影響があると言われています。

皮下脂肪が増える

お腹が大きくなる妊娠中期~後期には、赤ちゃんを守るため、子宮の周りを中心に皮下脂肪がつきやすくなります。脂肪には体内の熱を保つ機能があるので、妊娠前よりも体温が下がりにくくなるのです。アザラシなど寒い地方に生息する動物も体脂肪率が高いですよね。

女性にとって体型の変化は悩ましい問題ですが、見た目だけではなく気温の感じ方にも影響があります。

エネルギー消費が激しくなるから

赤ちゃんが成長するにつれて、お母さんの体重も増えていきます。体重が増えるとその分多くのエネルギーを消費し、熱が生じることになります。

熱が生じる量は増えるのに、皮下脂肪の増加によって外に逃がす量は減るので、体内に熱がこもりやすくなるのです。

血液循環が増える

お母さんの身体は出産後に備えて母乳を作る準備を始めます。乳腺の発達を促進するため、胸の周りは血液の流れが増えていきます。

胸の部分の血流がよくなると、周辺の体温が上がり、胸まわりや血管が繋がっている脇などに汗をかきやすくなります。

体温の上昇に加えて汗のベタつきや不快感からも暑いと感じられます。

暑いだけじゃない!妊娠中の体温変化が引き起こす問題

妊婦さんの多くは自分の感じ方の変化に戸惑いますが、ただ「暑い」というだけでは家族や周囲の人になかなか大変さが伝わりづらいかもしれません。

しかし、暑いと感じやすくなることが原因で生活に支障をきたすこともあります。

以下のような症状が代表的ですが、あまり辛いようなら妊婦健診時にお医者さんに相談してみてくださいね。

眠れない

暑いと感じるようになって一番つらいのは、夜眠れなくなることです。

妊娠前は問題なく眠れていた室温でも、暑くて眠れない…という声は非常に多く聞かれます。なかなか寝付けない、なんとか眠りについても夜中に寝苦しくて目が覚めてしまうというのはつらいものです。

睡眠不足は他の体調不良に繋がりますし、精神的にも不安定になりやすいのです。

微熱・ほてり・倦怠感(初期)

妊娠初期の高温期が続く時期には、実際に体温が高くなるため、風邪の初期症状や微熱のような症状を感じる人もいます。顔や手足が火照る、頭がぼーっとするなど、働いていると仕事に集中できなくなったという人も。

つわりの時期とも重なるため、体調の変化をより大きく感じます。

夏場の熱中症・食欲不振

夏場の妊婦さんは、自律神経の乱れや体温調節機能の低下による熱中症のリスクも高くなります。

熱を発生させやすく、また身体に熱を溜め込みやすい体質になっているので、普段以上に小まめな水分補給を心がける必要があります。

妊娠初期の高温期=つわりのひどい時期が夏に重なる場合は特に注意が必要です。

水分を取ろうと思っても気分が悪くなってしまいなかなか取れなかったり、せっかく取っても嘔吐してしまったり…ひどい時は脱水症状を起こすこともあります。

そこまで重くならなくても、軽い夏バテや食欲不振を起こしやすい時です。

妊娠中は普段以上に熱中症対策、夏バテ予防に気をつけましょう。

暑いときの対処法

何よりも家族や周囲の理解が必要

筆者の体験談ですが、職場では妊娠中の体調変化に理解のある同僚が多く、「暑くない?」とこまめにエアコンの温度を変えてくれたり、気にかけてくれたのがとても助かりました。

この記事を読んでいるのが妊婦さんの家族であれば、ぜひ気にかけてあげてほしいと思います。

妊婦さんは暑がりになりやすいこと、他の症状とも合わさると体調不良につながりやすいことを理解して、気づかってあげることが大切です。

読んでいるのが妊婦さん本人であれば、自分の感覚の変化にとまどいもあると思いますが、遠慮せずに周囲に助けを求めましょう。

エアコン・扇風機・サーキュレーターを活用する

暑さ対策の基本ですが、エアコンなどの空調設備はどんどん活用しましょう。

とはいえ、身体の冷やしすぎは禁物。設定温度は28℃前後が望ましいです。それでも暑いと感じる時は除湿機能を使ったり、扇風機やサーキュレーターと併用するのもよいですね。エアコンの風が直接当たらないように部屋全体を冷やすのも効果的です。

まずは快適な室温を保つこと、次に身体を冷やしすぎないことを意識しましょう。

シャワーを浴びる

汗が止まらない、暑くて不快感が強いときなどは、シャワーを浴びてさっぱりするのもひとつの方法です。気化熱で肌表面の温度が下がることで涼しく感じられます。

好きな香りのバスグッズがあれば、リラックス効果も期待できますね。

妊娠中は身体を清潔に保つことも重要なので、一石二鳥の方法といえそうです。

通気性のよい素材・締め付けないデザインの服装を選ぶ

腹部を締め付けるようなデザインはもちろん、胴体部分に不自然に当たるような服は避けましょう。血流が滞ると吐き気などの原因になりますし、冷房による冷え性も引き起こします。

ウエスト部分に余裕のあるワンピースか、ゴムなどで調節できるボトムスを選びましょう。

身体を締め付けない服装といえば、断然マタニティウェアがおすすめです。妊娠中しか着ないものだからと購入を迷う人もいますが、お腹が大きくなるタイプの人は買うことをおすすめします。

機能性インナーも、汗をよく吸収して速乾性があり、暑い時期の不快感を軽減してくれます。

まとめ

妊婦さんの代表的な体調の変化のひとつが、暑さを感じやすくなることです。

感覚の違いに始めは驚きますが、赤ちゃんを育てるためにそれだけ体が変わっているのだという証拠。

妊婦さんが気にしすぎる必要はなく、受け入れて楽しみましょう。そして、妊娠中に自分と赤ちゃんの変化に気づけるのは自分だけです。とてもデリケートな状態であることに変わりないので、おかしいなと思ったら気軽にかかりつけの産婦人科医さんに相談しましょう。

 

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この記事を書いた人
のん

現在小学5年生の息子と夫の3人家族。
令和3年1月に11年ぶりの出産をひかえています。
毎日喧嘩ばかりの母と子ですが、3人で過ごす残り少ない時間を大切に…と思いつつ怒鳴り声が響いているにぎやかな我が家です(^u^;)

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