子供との生活に欠かせないおもちゃ。楽しそうに遊ぶ我が子はかわいいけれど、親にとっては悩みの種でもあります。
ねだられてつい買ってしまう、祖父母や友達からプレゼントされるなど、油断するとついつい数が増えすぎてしまうことも。
しかし、おもちゃをたくさん与えすぎると子供によくない影響があるのでは?と心配する親も少なくありません。
この記事では、おもちゃが子供に与える影響と付き合い方について解説していきます。
おもちゃの種類
まずは、おもちゃとはどんなものかを考えてみましょう。
あなたが子供に買っている、あるいはイメージする「おもちゃ」とはどんなものですか?
遊び方や子供への影響ごとに、具体的に挙げて分類してみました。
赤ちゃん用ガラガラ(ラトル)
生まれたばかりの赤ちゃんは視覚よりも聴覚が発達しているため、音が鳴るタイプのおもちゃ、いわゆるガラガラを最初に与えられることも多いです。
材質はプラスチック・樹脂製のものから布製のものまで様々で、触ったときの感触や重さも楽しむことができます。色もカラフルで、見ているだけで楽しくなってくるデザインが豊富です。
新生児期~2歳ぐらいまでの赤ちゃんの五感の発達を促し、好奇心を育てる効果があると言われています。
ぬいぐるみ・人形
ぬいぐるみや人形は多くの人が赤ちゃん~幼児期の玩具の定番としてイメージするのではないでしょうか。
ふかふかとした動物のぬいぐるみや、リカちゃんなど女の子の形を模したもの、赤ちゃんのお世話を楽しめるタイプの人形もありますね。
おままごとセットも、野菜や調理器具を模したものという意味で人形の仲間に入るでしょうか。
男の子向けには、トミカやプラレールなど乗り物を模したもの、ウルトラマンや仮面ライダーのビニールの人形もあります。
ぬいぐるみ・人形を使った遊びやおままごとなどの「ごっこ遊び」を通じて、子供たちは想像力を使い、空想の世界を広げていきます。
パズル・積み木・ブロック
積み木やブロックなどもよくイメージされる、定番のおもちゃですね。
小さいうちは色々な形の積み木をただ触ったり並べたりしていたのが、だんだん組み合わせて何かを作れるようになっていきます。積み木のおもちゃに何時間も夢中になっている姿は見ているだけでもかわいいですよね。
成長していくと、レゴブロックを複雑に組み合わせた作品を完成させたり、ものを作るのに熱中する子もいます。
ひとつの絵を完成させるジグソーパズルや、シルエットを合わせる知育玩具タイプのパズルもよく売られています。
これらのパズルや積み木・ブロックを使った遊びによって、手先を動かすことに慣れ、ものを立体的にとらえる力が育ちます。
お絵描きセット・工作・手芸
折り紙などを幼稚園で習うようになると、家でもお絵描き、工作系のグッズが増えていきます。
キャラクターもののぬりえや、お絵描き用の文房具はスーパーやコンビニでも手軽に買えるので人気があります。
お絵描き好きなお子さんを持つ家庭だと、ちょっと目を離した隙に、壁やテーブルに落書きをされてしまう…なんてこともよくある話。
何度でも描いたり消したりできるお絵描きボードや、小学生向けの工作・手芸キットなども売られています。
遊びから絵画やものづくりへの興味に繋がり、将来の夢になることも。
知育玩具
子供の発達段階に合わせた知育玩具はたくさん発売されています。
子供本人が欲しがるというよりも、親や祖父母がついつい買い与えてしまうのではないでしょうか。
数字や色の名前を覚えられるものや、おもちゃのピアノなど。遊びながら学習できるので安定した人気があります。小学生くらいを対象にした知育玩具になると内容も高度になり、地球儀や英語パズルなど学習教材のような玩具まで幅広いです。
知育玩具は知的好奇心を刺激し、勉強と遊びの垣根を低くすることができます。
絵本
絵本もプレゼントの定番。お気に入りの絵本になると、何度も読んでとせがまれたりします。
絵本の読み聞かせは親子の大切なコミュニケーションの時間にもなりますね。
絵本に書かれている絵や短い文から想像力を育てることはもちろん、家族の読み聞かせから、言葉を使ったコミュニケーションを学ぶことができます。
ボールなどの外遊び用品
ボールやフラフープ、一輪車など、身体を動かして遊べる遊具は子供が大きくなるにつれて種類が増えていきます。
広いお家なら、小さいうちからベビージムやメリーを置いたりもできますね。
子供が遊具を使って身体を動かすことに慣れていると、遊びながらバランス感覚や筋力が鍛えられます。
また、スポーツへ興味を持つきっかけにもなり、小学生以降での活動に繋がります。
ゲーム
子供は今も昔もゲームが大好き。最新のゲーム機だけではなく、すごろくや人生ゲームなど対戦型のもの、将棋などのボードゲームに熱中する子も多いのではないでしょうか。
「ゲームばっかりやっていると友達ができない」はもう昔の話で、子供同士のコミュニケーションツールとして欠かせない存在です。
ゲームを通じて勝ち負けを競う楽しさや工夫を学び、人間関係を築いていきます。
子供にとってのおもちゃとは?
このように、子供はおもちゃ遊びからよい影響を受け、様々なことを学びます。
単なる遊びではなく、成長するための大切なプロセスなのです。
おもちゃで遊ぶことのよい影響(メリット)として、
- 想像力を豊かにする
- 手先や身体の使い方を覚える
- 運動神経を鍛える
- 所有の概念を学ぶ
- 友達との付き合い方を学ぶ
- ものづくりやスポーツなどへの興味を育てる
- 知的好奇心を持ち、学習意欲を高める
が挙げられます。
おもちゃの与えすぎによるよくない影響(デメリット)とは?
様々なメリットがありますが、与えすぎた場合の影響(デメリット)についても考えてみましょう。
片付けられない
当然ですが、遊んだ後は片付けが必要になります。遊んだ後に片付けないまま別のおもちゃを広げてしまい、親が毎日片付けなさい!と叱りつける…なんてことも、よく聞く話かもしれません。
片付けができない状態が続くことは、言い換えれば、子供がものを管理する能力が育ちにくい環境であるとも言えます。
小学校に入ったら、成長とともに自分のものは自分で管理する能力が求められます。
新しく買い与える前に、今あるおもちゃはきちんと片付けられているか、家庭で管理しきれる量を把握しておくことが大切です。
→ポイント1:片付けできる=管理しきれる量か?
ものを大切にする心が育たない
多くの人が「何でも買ってもらえるとわがままになる」「ものを大事にしなくなる、すぐに壊しても平気になってしまうのでは?」と心配します。
先程の片付けられない問題とも共通しますが、管理しきれない量のおもちゃは適切に保管されないため、当然壊れたり痛んだりしやすくなります。
しかし、どんなに大切にしていても、壊れてしまうこともあります。筆者の経験則ですが、お気に入りのものほどよく使うので、壊れてしまうのも早かったり…。
さらに子供は力加減や細かい動作が苦手なので、本人が大切にしているつもりでもうっかり壊してしまうものです。
問題は壊してしまった時に子供がどう捉えるか。新しいものをすぐに買ってもらえると思ってしまうのはよくない兆候です。
子供が欲しがったらすぐに買ってあげるのではなく、クリスマスや誕生日などのイベント時だけなど、買うときのルールを決めておきましょう。
プレゼントが多い家庭では、祖父母や友達の協力があると心強いですね。
→ポイント2:与える時のルールを決める
独創性を育む機会が失われる?
おもちゃの与えすぎによる悪影響について、実は専門家の中では「子供の独創性を育てる機会を減らしてしまう」という意見があります。
トレド大学の研究では、4種類の玩具を与えたグループと16種類の玩具を与えたグループで子供が遊ぶ様子を比較する実験を行いました。少ない玩具のグループでは、遊び方を工夫し、より長い時間遊んでいたというのです。
この結果から、「少ない数のおもちゃで遊ぶ子供の方が自分から遊び方を考え出し、独創性が育まれる」という結論を出しました。
この実験の結果から、子供には自ら考え工夫する力=独創性が備わっていると言えます。
段ボールや身近なものを利用したり、手作りするのも独創性を育むよい方法です。
子供の生まれもった能力を伸ばすためには、必ずしもたくさんの知育玩具などを買ってあげる必要はない、ということは、覚えておくといいのかもしれません。
→ポイント3:子供が工夫する余地を残しておく
まとめ:適切なおもちゃの与え方とは?
家庭でおもちゃとの付き合い方について、子供への影響を考え、以下の3つの点を押さえておくといいでしょう。
- おもちゃの質…種類や影響を考えて与える
- おもちゃの量…管理しきれる、片付けができる量を与える
- 与え方…欲しがるからといって無条件に与えるのではなく、ルールを決める
家庭環境によって、適切なおもちゃの量は変わってきます。また、興味関心も人それぞれ。
どの家庭にでも当てはまる絶対的な正解があるわけではありません。
ですが、おもちゃを使って遊んでいる時間が、お子さんの将来に繋がる大切な時間となるかもしれません。
家族で一緒に過ごす時間をどうデザインしていきたいのか、子供の個性やライフスタイルに合わせて考えることが重要です。