モンテッソーリ教育の特徴や実践方法を解説!!子育て不安にも効果的

教育

モンテッソーリ教育とは、子どもの能力を個々のペースで発揮させるため、環境を整えることが大人の役割とする子育ての方法です。「子ども、大人、環境」この3つの役割やつながりを大切にしています。

自立につながる、日常生活の練習・感覚・言語・算数・文化といった分野があるのが特徴。遊びをおしごとと捉え、家庭生活にも取り入れることができます。

この記事では、1世紀を超えて世界中で認められている子育て方法を、知っていただくキッカケとなりますよう、モンテッソーリ教育についての概要をお届けします。

モンテッソーリ教育とは?

マリア・モンテッソーリが産んだ「子どもの家」や家庭生活のなかで行われる教育方法です。「子ども⇔環境⇔大人」この3つをキーワードとしています。これらが相互につながって子どもの能力を獲得するという考え方に基づいた子育ての方法。1世紀を超えて世界から愛され、認められています。

創始者マリア・モンテッソーリ

マリア・モンテッソーリは、女性の医学博士で、教育家でもありました。特に、障がい児治療に注力していた医師のひとり。また、心理学や教育学での研究などにも力を入れていました。幅広いフィールドで子どもの教育を考察した、世界的教育家です。

障がい児の教育方法は、すべての子どもに共通する”この事実を、マリア・モンテッソーリは常々考えていたということです。

そこで、障がいの有無にかかわらず、自立・有能・責任感・思いやり・学ぶ姿勢をもつ人間を育てることを目的とした場をつくりました。それが「子どもの家」です。ここからモンテッソーリ教育が始まったのです。

モンテッソーリ教育の特徴

もっとも大きな特徴は「いつでも子どもが出発点」であることです。大人が子どもの自発的な動きを妨げる存在にならないことが重要。つまり、自ら成長しようとする力「自己教育力」を発揮できる環境の中で、子育てをしていく方法なのです。

子育てをしていると、他人と比べてしまい、”早く歩けるように”、”早くボタンをかけられるように”などといった焦りや不安が生じることが多々あります。そういった時に、大人は子どもに手取り足取り指導してしまいがちです。

しかし、本人がそのことに全く興味がないので、できるようにならない。すると、親の方がさらに躍起になってしまい、子育てが苦しいものになってしまうのです。このような場面で、モンテッソーリ教育がヒントになります。”本人が成長したいタイミングを待つ“ということを実践できるようになるのです。

子どもには本来、大人が教えなくてもできることがたくさんあります。自由な環境の中でこそ、子どもは、自身の中に備わっているあらゆる能力を発揮でき、自立・自律に向かって成長していくと考えられています。

  • 教師や大人の一方的指導によるのではなく、子どもが自ら取り組めること
  • 秘めていた能力を、子どものタイミングで発揮できる自由な場

例えば、このような“環境”を子どもに用意するのが大人の役割としています。「子ども⇔大人⇔環境」この3つが互いに相関し、繰り返していき、結びついていくことが基礎となる考え方です。心理学や脳科学などの観点からも、その効果が確かであると世界中で認められています。

モンテッソーリ・メソッドとは?

 

モンテッソーリ・メソッドとは、モンテッソーリ教育を忠実に実践する方法です。そのメソッドを構成する代表的なものが「教具」です。さっそくみてみましょう。

モンテッソーリ・メソッドの3要件

モンテッソーリ教育というと”思想”ともいえる広い意味をもち、「子どもの観察」に基づいた家庭でできる方法(後ほど紹介)を含めます。

一方、思想ではなく”方法”として「モンテッソーリ・メソッド」というものがあります。マリア・モンテッソーリの思想を忠実に実践しているのが、モンテッソーリ幼稚園やモンテッソーリ保育園です。以下3点が揃っていることを前提に、体系図に沿って忠実に行うことをいいます。

・モンテッソーリ教具

・モンテッソーリ教師

・モンテッソーリクラス

なお、モンテッソーリ園の教師は、専門の機関でモンテッソーリ・メソッドを習得済の資格保持者とのことです。

おしごと・教具

「おしごと」について。

モンテッソーリ教育では、子どもの活動を「おしごと」と表現します。大人が仕事をするのと同じように、子どもにとっては、成長していくための活動そのものが仕事。子どもへの敬意のあらわれだといわれています。自分で靴下をはくこと、いろいろな形の教具を積むことなど、すべてが”おしごと”なのです。

「教具」について。

教具とは、発達段階に応じて教育に使用する道具のことです。モンテッソーリ教育では、さまざまな大きさの教具が用意されていて、子どものサイズ感で活動ができるように設計されています。例えば、大人が花瓶に花を活ける時、小さなサイズの花瓶も用意します。すると、子どもは適切なサイズで花を活けることが可能となります。

大人と同じことを上手にできる体験は、子どもにとって最大の喜びです。おしごとや教具を通して、子どもにも役割があることを、日常的に感じられる環境が整えられているのがモンテッソーリ・メソッド実践園の特徴です。

敏感期・7つの環境・5つの分野とは?

敏感期とは、自己教育力のあらわれ、乳幼児期の”興味の移り変わり”が現れる時期のこと。7つ環境とは、0歳から3歳の子どもに行われるサポートのこと。5つの分野とは、3歳以降の子どもに行われる各領域のサポートのこと。敏感期に7つの環境、5つの分野からアプローチできることが成長につながるとされています。

敏感期

子どもには下記にあげる敏感期があるとされ、これらは個人それぞれのタイミングや得意があります。このような考え方もベースとなり、一斉に同じカリキュラムをこなす方法ではなく、個別で自由な方法が採用されているのです。

  • 言語の敏感期
  • 秩序の敏感期
  • 小さいものへの敏感期
  • 感覚の敏感期
  • 運動の敏感期
  • 数の敏感期
  • 文化の敏感期
  • 礼儀と作法の敏感期

7つの環境

〈0歳~3歳〉吸収する精神(無意識)と呼ばれ、人間社会に適応していく時期とされています。

  • 粗大運動の活動……全身をつかった運動、はいはい・歩行・昇り降りなどの活動です。
  • 微細運動の活動……手や指で物をつかむ、たたくなどの活動です。
  • 日常生活の練習……洋服の着脱、お花の水やりなどの日常生活の中にある活動です。
  • 言語教育……主に母語となる、ことばを獲得していきます。
  • 感覚教育……教具に触れ、感覚を発達させていきます。
  • 音楽……自然に身体が動いたり、楽器をたたいたりして表現を楽しみます。
  • 美術……絵画、造形、粘土をこねることなど、感覚器官を協調させて自由に表現を楽しみます。

5つの分野

〈3歳~6歳〉意識の芽生えと呼ばれ、0歳から3歳時期に獲得したことを、整理し秩序化していく時期とされています。

  • 日常生活の練習……大人を真似する模倣期、運動の敏感期です。お茶をいれる、掃除をするなどを練習します。
  • 感覚教育……知性や情緒が発達する、感覚刺激に対しての敏感期です。感覚教具を使って、積み上げたり並べたり分けたりします。
  • 言語教育……ことばを増やす、文法を使えるようになる言葉の敏感期です。興味を持つ時期には自然と文字を読んだり書いたりするようになります。
  • 算数教育……大きさや量に興味を持つ数の敏感期です。数の教具を使い、無理なく数の感覚を身につけます。
  • 文化教育……地図や時計のように、ことばや数では表せない対象に興味が広がる時期です。広大な分野ですが、好奇心や知りたいという欲求に最大限、応じることのできる環境を整えていれば、子どもの種は芽をだすとされています。

モンテッソーリ教育はどこで教えてもらえる?

モンテッソーリ・メソッドが揃うモンテッソーリ実践園では、忠実なモンテッソーリ教育を受けることができます。習い事は、オンラインの普及とともに全国に広がりつつあるようです。習い事では、モンテッソーリ教育の思想にもとづき親子で成長するヒントを多く得られると注目が集まっています。

幼稚園・保育園

日本では、義務教育などの関係で小・中学校ではなく、主に乳幼児期の教育として導入されています。ですが、米国や欧州などには、小学校から大学まで導入している国があることを、ぜひ知っておきましょう。

モンテッソーリ教育を実施している幼稚園・保育園では、個別活動が中心で、異年齢混合クラスが実施されています。最大限に子どもの可能性を発揮できる環境が整えられています

各地方の主要都市などにあり、数は多くないものの、日本でも実践園に通うことが可能です。「日本モンテッソーリ教育綜合研究所」に問い合わせをすれば、詳細を得ることができます。「モンテッソーリポータルバンビーノ」でも住所地から探すことができます。

習い事

全国で、モンテッソーリ教室が広がりつつあります。

上記は一例ですが、全国または一部地域に展開している規模の大きな教室があります。小規模の教室も増え続けていますので、近所の教室をさがしてみると良いかもしれません。

なお、例にあげた教室を含めて、基本的に0歳から親子同伴で通うことができます。出産前から、体験参加や情報チェックをしておくと良いでしょう。3歳からは、親子分離か親子同伴を選択できる教室が多いようです。

メガブルーバードは英会話の教室なので、英会話と同時にモンテッソーリの考え方を採り入れたい人にぴったりです。こちらは、マタニティクラスも教室によっては開講しているとのことです。

日常にモンテッソーリ教育を採りいれるコツは?

モンテッソーリ教育のサイトを見たり、著書を活用したりすることで、気軽にモンテッソーリ教育を日常に採り入れることができますモンテッソーリ教育を受けられる施設が近くにないという理由はもちろん、子育てに行き詰った時にもオススメします。古くから愛され、認められた子育ての方法には、無理のない考え方が凝縮されているものです。

マリア・モンテッソーリの著書

マリア・モンテッソーリの著書を紹介します。

  • 『子供の発見』……マリア・モンテッソーリが編み出した、モンテッソーリ教育の基本書。基礎的な考え方、実践法へたどり着いたプロセスなどを知ることができます。
  • 『幼児の秘密』……敏感期の考え方や、子どもの持つ特性などを知ることができます。
  • 『子供の精神』……環境を整える意味、大人の役割を知ることができます。
  • 『小学校における自己教育』……幼児の発達から小学生まで幅広く、モンテッソーリ教育が書かれています。

お家の近くにモンテッソーリ教育を受けられる場所がなくても、家庭でできるヒントがたくさん書かれています。日本モンテッソーリ教育綜合研究所のHPから注文可能です。

モンテッソーリ関連情報

  • エンジェルハウス研究所……勉強会が定期的に開催されています。家庭で実践できる内容を構造的にまなび、子育てに活かすことができます。サイト上でも、ものづくりなどの方法が公開されています。

上記のようにインターネット上でも、その内容を学ぶことができます。また、動画配信などでも多くの実践方法をみることができます。

ただし、科学的メソッドなので一部だけをかいつまんでしまうと、目的から逸脱してしまったり方向性が変わってしまったりしますので、ゼロから構造的に実践したい場合は、書籍や教室などで身に着けることをオススメします。

また、ウイルス感染予防などの観点から、オンラインレッスンも増えています。家庭で実践できることが見つかれば、子育てのヒントになるだけでなく、おうち時間がより充実するでしょう。

家庭で取り組めるおしごと

さいごに、おしごとの例を紹介します。

【葉っぱでものづくり】

  1. 拾ってきた葉っぱにクレヨンや絵の具で色を塗る
  2. 1を、台紙や空き箱などに貼って動物や顔を作る

効果→紙に絵を描くのとは違い、五感をフルに使って工作をすることができます。葉っぱはどうして、緑・黄・紅に変わっていくのか疑問を持つ子ども、たくさん集めて、ばら撒くときの感触を気に入って繰り返す子ども、その子なりにその感覚を楽しみます。

【石の分類】

  1. 親子で石拾いをする
  2. 1を、子どもの思うままに分類して、箱や袋にわけていれる。

効果→こちらも、五感をフルに使ったお仕事です。ざらざらしているもの、面白い形のもの、表はツルツルなのに裏はボコボコなもの。そういった違いを楽しみます。

上記のような体験は、他にも思いつく限り実践してみると良いですね。できることからで大丈夫です。

アスファルトで舗装された場所に、自宅や園がある人も多いでしょう。木の葉っぱや、石などに触れる機会が減っています。余裕のあるときだけでもぜひ、自然を感じるおしごとの環境をつくってあげると良いでしょう。

自然の現象を、自ら楽しく知ることができるのは、素晴らしい活動です。テレビを見ることの楽しさとは異なる種類の充実感を味わうことができます。自然に触れるなかで生まれた子どもの疑問は、地球や宇宙、命の起源への興味へとつながります。

現在、カラフルで電池式の玩具が、簡単に手に入るようになりました。しかしこのような自然との触れ合いの中でも、子どもはたくさんの疑問を持ち、遊びに熱中することができるのです。一見、親もそういった自然のものを扱うことに手間を感じるかもしれませんが、大人にとっても自然との触れ合いは心を癒してくれるもの。疲れたときこそ、取り組めるので親子ともに上質な時間を共有できるでしょう。

まとめ

いつでも、出発点は子どもで、大人が子どもから学ぶのです。子どもにはわからないと決めつけて、あらゆる物事を大人が指導するといったことはしません。子どもは主体として存在し、その環境を整えるのが大人の役目。それが「モンテッソーリ教育」だということをお伝えしました。

共働きの影響もあり、規格教材を使ったカリキュラムを徹底する幼稚園・保育園が一般的です。核家族の多い環境で、家庭学習をしなくても小学校へいくための準備ができるのは良い面でもあります。ハードではありますが、親への負担を最小限にするための方法のひとつ。現状では致し方のないことでしょう。

しかし、大人側が一方的に、子どものためにカリキュラムやルールを徹底することには、デメリットもあります。子どもの自身のなかで起こる体験を通して、身に着くべき本来の発達過程を、子どもから奪ってしまっている可能性があるのです。

モンテッソーリ教育では、子どもが本来もつ能力を存分に発揮できることにより、物事の思考や人間関係の構築を身につけていきます。大人と子どもの立ち位置を、改めて考えさせられます。子育て中だからこそ触れることのできる貴重な機会です。ぜひ、このような考え方が世界で認められているということを知って欲しいと思います。

 

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