動物園は保育園や小学生の子供に教育の一環として遠足で行くことが多いと思います。ただ楽しむことももちろんいいですし、動物園は普段の生活では味わえない環境であり、命の大切さや、動物たちの生きる環境や行動からいろんなことを学ぶことができる教育の場にもなります。教育の観点から見る動物園は研究や動物保護のために活動していたりしていて、地球のことを考えるきっかけにもなります。私たちや動物たちが生きる地球を大切にしなければ、絶滅してしまう動物たちが増えてしまったり、人間も住むことができなくなってしまうかもしれません。未来を担う子供達が動物を大切にし、地球も大切にできるような意識を持てるのは、動物園による教育も一つの力となります。
子供達の好きな本と生きものがリンクする動物園
最近子供にとても人気の高い本の中に、残念な生きもの図鑑という本があります。これは教育の面から見ても是非一度は子供達に読んで欲しい本の一つなのですが、進化の過程でよくわからない生態になったり、不思議な求愛行動をとったりする生き物にフォーカスしている図鑑なのですが、この本のおかげで今まで脚光を浴びなかった小さな生きものたちにも子供達の目がいくようになりました。図鑑で見た生きもの達を見ることができる動物園は、子供たちからすると有名人にでも会ったような気持ちになるはずです。また、動物園で見ることはできてもあまり近くから見れなかったりする動物達でも、生態などを本で知ることで遠くからみても動き方を観察したりと見方も変わってもっと動物に詳しくなり好きになることができたりもします。
異種最強王図鑑という本は男の子達に人気の本なのですが、どの動物がどのくらい強いのか比べてみている本です。どちらの図鑑も読んでから動物園の動物を見ると、どのくらい危険であるのか、そしてどれほど愛しい生き物なのかというのを感じながら見ることができます。ただ見るだけではなく、本とリンクさせることで子供たちの中でも経験と知識が結びつくことができる良い教育となります。
動物園の意味
動物園は、いろんな意味を持っています。単に生きものと触れ合い楽しむことも存在意味ではありますが、種の保存や絶滅危惧種やそれに近い生きものたちの保護、環境保全の啓発や教育、研究の役割を持っています。
楽しいだけじゃない、動物園の教育的役割
動物たちが生きる環境を学ぶことは、すなわち地球の環境であり人間である私たちが生きている環境のことですが、今まで生きてきた動物たちが住みづらくなってきていることに気づきます。その原因はなんなのか、動物たちとうまく共存していく方法はないのか、地球の環境をこれ以上破壊しない、もしくは回復していくことはできないのか、そんな疑問を今地球上ではたくさんの人が研究しながら答えを出そうとしています。生物が住みづらくなっていくことは、だんだんと人間もそうなっていくことのように思います。子供達の未来が明るいものになるように、世界の動物園の中には、生物の進化の過程からヒントを得ようと研究しているところもあります。
生きものの多様性を感じる教育
もちろん楽しい要素も満載の娯楽的な施設でもあるので、たくさんの可愛い生きものに癒されることも園の醍醐味の一つです。本当にたくさんの種類がいて、それぞれに見どころがたくさんあります。最近では、飼育員さんのポップの努力や本の効果によって、普段あまり脚光を浴びない生きものたちにもいろんな特徴があり、そこが可愛かったり面白かったりすることで注目される生きものも増えています。子供達が動物のどんな特徴でも面白い、可愛い、すごい、と見て感じてくれることで、どんな生物、人に対してもお互いを認め合える多様性を感じてくれることも一つの教育になると思います。
ふれあいコーナーで子供達が命に触れる教育
園には実際に動物たちに触れることができるコーナーがあります。ネズミや鳥、亀などをメインに撫でたり抱っこしたりするコーナーであったり、キリンや象に餌をあげたり触れたりするコーナーもあるでしょう。羊たちのお世話をすることもあると思います。動物たちは確かに人間にはない菌もありますし、危険なこともあります。うんちもするし臭いです。大人になるとそういうところばかり見えてしまうことってありますよね。でも大人が危ない、臭いと先に止めたりせずに子供達がやれそうであれば、ふれあいコーナーを体験させてあげましょう。小さな生き物たちに優しく触れることで、命を大切にしていく優しい気持ちを育むことができると思います。
子供達が動物を飼うこと
園に行かずとも、自宅で犬や猫を飼っている、というご家庭も多くあることでしょう。動物園とは意味合いが違いますが、子供にはとても貴重な体験になることと思います。悲しいことに、人が一緒に住める生きものたちは、人間よりも寿命が短いことが多いです。一緒に育ってきたのに見送るところまで全て面倒を見ることになります。楽しさや可愛さ、大変さ、命の尊さと死を小さい体で目一杯伝えてくれる家族を、責任持って家族に迎え入れることが大切です。
死んでしまうのが辛いから、や、お世話が大変だから、動物が住める住居じゃないからと飼えない理由もたくさんありますが、動物と一緒に暮らすことで得られることも本当にたくさんあります。命に直接触れて育った子供達が優しく育つのは当然のことだと思います。
アニマルセラピー効果を発揮する動物園
飼っている生き物はもちろん、動物園でも、生き物と触れることでストレスが軽減したり気分が向上する効果が期待できるアニマルセラピーとしての役割もあります。ふれあいコーナーで小さな動物を抱っこして温かさを感じたりすることはもちろん、見ているだけでもセラピーの効果があります。精神的にしんどい、という子供達はそう多くないのかもしれませんが、知らないうちにストレスを抱えていることはあると思います。家族でたまに動物園に行って、みんなで楽しみ癒されるというのも素敵な休日の過ごし方ですよね。
動物園で働きたいと思う子供達
最近の子供の夢は、ユーチューバーだったり、スポーツ選手だったり華々しいものが人気ですが、動物たちに携わる獣医さんであったり飼育員さんに憧れる子も一定数います。飼育員さんたちは毎日重労働であり、一歩間違えれば危険な生きものたちのお世話をし、匂いも強い場所で毎日生き物と過ごしています。生き物相手なので休みもなかなか取りづらいですし、責任感がないとできないお仕事です。ですが、飼育員として働くことはたくさんの人に自分の育てた可愛い子たちを見てもらい理解してもらい、その良さをたくさんの人に知ってもらえるお仕事です。また、未来の子供達に生きものを大切にする気持ちを育んでもらうための教育者でもあります。環境を保全しようとしたり、種の未来を守ったりもする園のお仕事は、これからの地球を救うことができるかもしれない研究もするので、たくさんの子供たちが動物園のお仕事にも興味を持ってくれるといいと思います。
最後に
動物園は日本では娯楽施設の感覚が強いですが、海外では博物館のように教育の一環として重要視されています。生きものたちが可愛くて癒されることももちろんですが、園に行くことで動物や地球、環境のことを考えてくれるきっかけとなったり、命に触れて優しさを学ぶことができる良い体験教育の場所でもあるので、学校でもそうですが、家族でも動物園に行って大人も楽しみながら子供達がどんなことを感じているのか見てみましょう。